あけましておめでとうございます  


 旧年中は、大変お世話になり有難うございました。 

 本年も何卒よろしくお願い申し上げます。  

 昨年の3大ニュース 

1・見直し騒動

 まず第一は、やはり介護保険の見直し騒動です。
 11月のある日、厚生省の知り合いから「やまのいさん、亀井さんが大変なことを言い出した」と電話がありました。
 これが、一連の騒動の始まりでした。
(随筆参照毒マンもの申す反論 

 私は、7年ほど前から介護保険制度の導入のために運動をしてきました。
 朝日新聞の論壇にも、介護保険の必要性を1995年、1999年と二度にわたり投稿しました。
 その私からみれば、今回の見直しは許せない暴挙です。 

 確かに、介護保険にも問題点はありますし、新しい制度ですから導入には混乱はつきものです。
 しかし、介護保険を実施せず、今の制度のままで介護政策をやっていては、介護地獄は深刻化するばかりです。 

 国民みんなが負担を分かち合いながらも、介護を社会化しようという介護保険は、20世紀に長生きが喜べる社会づくりには欠かせません。  

 にもかかわらず、今回の政府の見直しで、介護保険が選挙の道具にしか考えられていない現実に強い怒りを感じました。  

 さらに、この見直しは地方分権の破壊でもあります。
 ここ数年、地方自治体と議論を重ねてきた介護保険を国が一方的に大幅見直しをする。
 たとえば、地方自治体の多くは「保険料を徴収できる」「徴収したい」と言っているにもかかわらず、「保険料を徴収した自治体には特別交付金を国から出しません」となりました。 

 一生懸命、保険料をとったところには、ペナルティーを与えるというような理不尽なやり方が許されてよいはずがありません。  

 私の祖母も20年の寝たきりの末に亡くなりました。
 松下政経塾の研究員以来、十数年間、この介護問題に取り組んできて、寝たきりや痴呆症のお年寄りが、いかに軽く扱われているかにショックを受けました。
 家で虐待を受けているケース、お風呂に何年も入っていないケース、十分なサービスがなく症状が悪化しているケース。 

 誰が悪いわけでもないですが、自分で自分を守れない弱いお年寄りやそのご家族が涙している姿に居ても立ってもいられませんでした。
 若輩ですが、私はこの介護問題をライフワークとしています。  

 しかし、なかなか改善されない現実があり、
「その根本原因は政治にある」ことを、今回の介護保険の見直し騒動で改めて痛感しました。  

 今年は介護保険元年ですが、私は介護保険の導入を推進した一人として、「介護保険が導入されてよかった」という声が増えるよう、人生をかけて責任を持って運動を続けたい。 

 特に、お年寄りや家族の声なき声を制度に反映させたい。福祉現場の声なき声を制度に反映させたいと思っています。  

2・著書出版

 2番目のニュースは、
「転ばぬ先の介護ハンドブック」(妻・斉藤弥生との共著、講談社)と
「グループホーム入門〜介護サービスの革命」
(鳩山邦夫さんとの共著、リヨン社)を8月に二冊出版したことです。
 私にとっては8冊目の本です。
(著書紹介)  

 自分の主義主張を訴えるのは雑誌や新聞の記事だけでは限界がありますし、本は書店に並びます。
 これらの本のおかげで多くの出会いも広がりました。
 本を書くことは私の生きている証でもあります。  

 前者は、難しい介護保険を少しでも理解しやすいものにしたいという思いで書きました。福井恵子さんをはじめ、やまのい事務所の宮本薫さんなど多くの方の力で完成しました。  

 後者は「住み慣れた地域に2万か所のグループホームを!」をライフワークとする私と、この思いに共鳴し、グループホーム運動を力いっぱいされている鳩山邦夫さんの共著です。  

 この本を小渕さんが読まれて、横浜のグループホーム「オクセン」を訪問し、その結果、グループホームの介護報酬が月23,6万円から25万円にあがったというような噂も聞いております。
 ただ、このグループホームについては、まだまだ介護報酬が低く、このままでは増えないでしょう。今年の最大の私の運動の中心でもあります。  

 住み慣れた地域で年老いても、ぼけても普通に暮らし続けられる社会づくりのためにはグループホームが欠かせません。  

3・ホームページ

 最後の3番目のニュースは、このホームページです。
ボランティアの中澤宗康君と福井恵子さんのおかげでスタートし、運営されています。  

 私は、ザウルスあいくるーずとコンピューターを持ち歩いており、できるかぎり、熱いニュースを更新したいと思っています。
 ご要望があれば 
yamanoi@wao.or.jp までお気軽にお聞かせください。  

 このホームページのおかげで中学時代の親友と25年ぶりに連絡がとれたり、昔の仲間と17年ぶりに再会できたりと、多くの感動があります。  

 私は、あわただしく飛び回っている毎日を送っているので、メールのやりとりが私にとっての癒しのひとときでもあります。  

 以上、昨年の3大ニュースを書きましたが、今年の抱負も書かねばなりません。  

抱 負
1 介護保険の円滑導入に向かって取り組む。

 前述のように、私は介護保険については推進した一人として責任がありますので、介護保険で泣く人がないよう頑張ります。
 介護保険で助かる人は、マスコミではほとんどとりあげられませんが、被害をこうむる人の姿はよく報道されます。
 完璧というのは新しい制度のですので無理ですが、それでも、介護保険のために泣く人がいるのも許されません。  

 問題点を改善させるスピーディーな取組みが必要です。  

 そのために、介護保険は内容が日々変わりますので最新の本を、また、更にわかりやすい介護保険の入門書を書き、出版したいと思っています。

2、グループホームの普及に取り組む

 前述のように、このままではグループホームは増えず、介護保険が導入されても「保険あってグループホームなし」になるのは必至です。
 そうならないように運動します。

3、「やまのいくらぶ」の充実

 以上のような取組みも含めて、できるだけホームページで私の思いや運動を伝え、また、多くの皆さんからアドバイスやご意見をいたたければ幸いです。
 以上の運動を私一人の運動でなく、このホームページを通じて、皆さんといっしょにつくる運動にしたいと思います。

最後に

   私の好きな言葉に「ソウルメイト」という言葉があります。
 これは、日本語に訳すると、魂の友。
 人生は出会いがすべてです。福祉をいっしょに良くするソウルメイトの輪をこのホームページから広げてゆければこんな嬉しいことはありません。  

 最後になりましたが、このホームページのご意見、ご感想は
 お気軽に 
yamanoi@wao.or.jp までお送りください。
 毎日見ています。すぐにお返事をだせない場合もありますが、お返事させて頂いています。 

  今年も皆様にとってよいお年であることを祈っております。  合掌  

        2000年1月1日   山井和則 1月6日で 38歳


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