第十一回「2000年医療制度改正のおはなし」
〜私達の負担金はどうなるの?〜
平成12年3月13日 こんな内容でした。


1回800円 月4回まで 又は 1割負担1月3000円まで
7月から老人保険の方の診療所での窓口負担が変わります。
どちらにするか各診療所が決めます。さて皆さんはどちらがいいですか?
お話の内容はココをクリック


今シーズンのインフルエンザ
予防接種の実施状況と
その結果報告

なんと120名もの方に予防接種を
させていただきました!!

さて、予防接種の費用は
高いか安いか???











本日の手作りおやつ
「さつまいもとりんごの重ね煮」

成人病予防によい食物繊維が
たくさん含まれています。
カロリーも控えめです。

あったかいウーロン茶とともに
ホッとひと息。



院長小指を
骨折事件のお話

介護保険のお話

その他





参加者の皆様
お疲れ様でした。

今回もたくさんの方に参加頂きましたが、1/3の参加者の方は、
当院の患者さんではない方々でした。
当院の患者さんの参加はもちろん、こういった外からのご参加も
大歓迎で、スタッフ皆よろこんでいます。こういったことをはげみにして
よりよい健康教室をめざし取り組んでいきますので、
これからもおがわ医院の健康教室をよろしくお願いします。


2000年医療制度改正のお話(かかりつけ医の重要性)

今年の医療法の改正に関しては、
いくつかのポイントがあります。

今回の改正は医療機関にとって0.2%の
プラス改正であるとマスコミは報道しています。
皆さん方もごらんになったと思います。
しかし、この0.2%のプラス改正って
意味のあることなんでしょうか?
たとえば、医療機関の年収が
5000万円あったとしてください。
0.2%は10万円にしかすぎません。
改正の度に医療機関はコンピューター等の
ソフト等の改正作業にこれ以上の対価を
払っているんです。
つまり、プラス分なんて始まる前に
とっくに消えてしまっている計算になります。

人件費やその他の上昇を考えますとマイナス改正であることはおわかりいただけると思います。

次に、薬価(薬の公定価格)のダウンです。今回の改正で医療機関の薬でのもうけは
無くなったと言っても良いと思います。医療機関が薬を買うときには問屋さんに
5%の消費税を払いますが、患者さんにお渡しするときには消費税を頂いていません。
従って、出せば出すほど赤字になるお薬さえたくさんあるのです。
薬漬けを防ぐためには良いのかもしれませんが、必要なくすりさえ損になるから出さない…。
なんて事がないように今度は注意する必要が出てくるかもしれませんね!

又、老人医療に関しては7月からですが、かなりの変化が起こります。
200床以上の病院では特に大きな変化があります。原則的には介護保険と同様に
1割負担になるのですが、その上限額に違いが出ます。大学病院や国立病院、
市立病院や日赤病院、その他大きな総合病院で200床以上であれば、上限額が5000円、
診療所では3000円とその差は2000円あります。今までは大病院でも530円、
それが今回は1回でも5000円払わなければいけないかもしれません。
約10倍を払う可能性が出てきます。診療所では1回800円で月に4回まで合計3200円か
1割負担で上限3000円かの選択制になります。1回800円で月4回の定額というのは特例で
やがて消えるとは思いますが、今回は残っています。
しかし、こちらを選択すると200円よけいに負担することにもなるのです。
当院では皆様方の意見を聞いて決めたいと思っています。後日アンケートをとりたいとので
是非ご協力お願いします。いきなり大病院にかかるのではなく、
かかりつけ医を上手に利用して「医療機関の機能分担」をする事が大切です。

私は先日けがをしました。かかりつけ医の重要性は以前からお話ししてきているところですが、
私も今回はドキッとしました。この際に私も救急病院や大学病院を受診することも可能でした。
でも、私は自分というかかりつけ医にどこに受診しようかと相談しました。
私は開業されている整形外科の先生に診ていただきました。先生に診察していただき、
その後レントゲンを撮って頂きました。そのレントゲンで専門の先生には小指の骨折が
簡単に解ったようですが、私には解りませんでした。私は内科の循環器の医者です。
整形外科の先生に心エコーが解らないのと同様に私には骨のレントゲンは解りません。
でも、「こういった病状の時にはこの先生に診察していただけばいい」という判断はできます。
これがかかりつけ医の大きな役割だと思っています。何でも自分で診られるなんて
今の専門的な医学のレベルでは不可能だと思っています。自分の専門以外のこんな病状なら
この医院のこの先生。こんな病状ならあの病院のあの先生。そういう判断が重要だと思います。

幸い、私の場合の骨折は固定だけですみました。手術が必要なら、先生が紹介してくださったと思います。
専門性を持った診療所同士の連携が病院にも劣らない医療を提供できるし、
患者さんにも信頼が得られるものと信じています。

最後に、いよいよ「介護保険」がやってきました。
まだまだ問題が一杯です。伏見医師会でも京都府医師会でも保険医協会でも
問題点はピックアップされています。私もいろんな機会に発言し、介護保険がよりよい
制度に成長していくように利用者の方と共に見守ってゆくつもりです。
介護保険に関して、ご質問、ご要望がありましたら何なりとご相談ください。