第9回 コペンハーゲン到着

  さあ、今日はいよいよ懐かしのルンドともお別れです。
  けれども、これで我々の想い出をたどるたびが
  終わりかというと、そうではありません。
  午後は、コペンハーゲンに移動する予定になっています。
  コペンハーゲンも我々にとっては、たくさんの想い出のある街。(第7回第58回参照)
  コペンハーゲンは大都会、ストロイエという大ショッピングストリートを有します。

  ルンドに住んでいたころは、日本酒や新聞の買出しや、
  日本食レストランに来たものです。(もちろん、チボリにもです)
  スウェーデンに住んでいた頃はコペンでは日本食レストランで、
  カツ丼とかショウガ焼き定食とかを食べていた気がします。
  コペンハーゲンのホテルの予約は完了していますが、
  ルンド駅までの移動と列車の切符、
  コペンハーゲン中央駅からホテルまでの移動が問題?です。

  まずは、例によって腹ごしらえです。
  今日もスタッドパーケンにエサをやりに行こうとたくらんでいる我々ですから、
  しっかりとパンをしのばせました。

  ごちそうさまを言って、再びスタッドパーケンの池へ。
  昨日と変わりない風景、弱肉強食の世界が繰り広げられていました。
  調子に乗ってえさをやっていると、昨日より多く持ち出したはずのパンが
  既にないことが発覚しました。
  はるなが調子の乗って、ポイポイやってしまったようです。
  みちるはしみじみと、別れを惜しみながらやっていたので、
  1個のパンをまだやり終えていない状況でした。
  すでにはるなは3個くらい、まいちゃったみたいです。 
  残りのパンを確認すると、もう無いみたいです。
  私自身1個やっただけでした。
  非難を轟々浴びたはるなは、ちょっと落ち込み気味ではありましたが、
  無いもんはしゃあない。
  みちるは悲しくって、情けなくって、はるなに抗議しましたが、後の祭りでした。

  もう一回パンを買って戻ってこようかという提案は時間が無いことで否定され、
  残念ながらスタッドパーケンに別れを告げました。

  その足でちょっと街に出ました。
  思い残すことがあったからです。

  あまーいシナモンロールがどうしても食べたかったのです。
  4人の大好物だったのですが、残念ながら朝食のバイキングでは、
  お目にかかれませんでした。

  市庁舎前のスーパーにかけこんで、シナモンロールをゲットしました。
  シュラー先生のお家で頂いたトマトと同じクヴィットトマトもゲットしました。
  コペンハーゲンに移動する列車でのお弁当にしました。

    それと、もう一つどうしても連れて帰りたかった、
忘れられなかった人形を買いに行きました。
ドムシェルカンの横のお店のショーウインドウにいて、
毎日何度も顔をあわせていました。

スウェーデン人って感じの子で、
わが家ではなぜか、「スカンスカ」と命名され
ソファーにいつもチョコンと座っています。
今はちゃんと靴下もはいていますし、
冬は寒そうなので、ヨットパーカーも買ってやりました。
めがねもかわいいでしょ。

   そして、ようやく、ルンドにずっといたいという思いを断ち切って、荷物をまとめました。
   タクシーを呼んでもらってホテルコンコルディアをチェックアウトしました。
   荷物が多くなければ、歩いて名残を惜しみたいところなんですが、
   なにせ大荷物ですからね。
   駅前で私とはるなが荷物の番をし、家内とみちるがチケットを買いに行きました。
   チケットをどう買うのか分からず、イブラヒモビッチ似のお兄さんに、
   買い方を聞いたとか聞かなかったとか…。

   いずれにしても何とかチケットを購入し、
   ルンド駅のホームに大きな荷物を引きずって到着しました。
   誰がどの荷物を引っ張るかと皆でじゃんけんをしていたら、
   突然「あんたたち何のグループ?」って、
   恰幅のいい日本人に声をかけられました。

   ルンドというあまり日本人観光客の来ない街の駅のプラットホームで、
   大きなスーツケースを引きずった日本人が4名ジャンケンポンですから、
   理解できますが、その時はなんでそんなこと言われんの?って思いました。

   じゃあ、一体あんたはだれ?って思いました。

   なんと、某大学の教授だと解り、最敬礼しました。
   なんでって?
   娘達が2人ともお世話になっている大学の教授だってことが解ったからです。
   なんでルンドに来たの?と聞かれ、
   以前住んでいたこと、子供達が大きくなって帰ってきたかったのだと説明しました。

   じゃあと、お別れし、車上の人となりました。

  列車は懐かしい町並みを後にし、一路コペンハーゲンへと向かいます。
  コペンハーゲンとマルメの間には以前はフェリーが行き来しており、
  よく利用しました。水中翼船やホーバークラフトもありました。

  でも、今は橋がかかっており、列車でそのまま、
  いつ海峡を渡ったのか解らないほどあっけなく、
  デンマークに入っていました。所要時間は1時間ほどでした。
  コペンハーゲン中央駅のたたずまいは、以前と変わりなく、
  行きかう人も雰囲気も以前と変わりありません。
  デンマーククローネを全く持っていなかったので、早速駅で両替をしました。
  前はチボリ公園です。
  コペンハーゲンの街は本当に歩き回ったので土地感があります。
  ホテルはそう遠くないはずなので、
  ここでは何故かタクシー代をケチって歩くことにしました。

しかし、甘くなかった。

我々のスーツケースは既に、
スウェーデン製のチョコレートやべゲタというスパイスで、
パンパンになっており、ズッシリと重量があります。
ストックホルムで買ったお皿も結構重いです。
そのスーツケースを引っ張って歩く異国人を、
デンマークの人はどう思って見ていたんでしょうね?

おまけに小雨がパラパラと降ってきました。

  なんとかホテルにたどりつき、チェックイン。
  今までで一番立派と言うか、規模が大きいホテルです。
  やはりスカンディックグループなのですが、
  ここだけ旅行社を通じて予約してあったのです。
  最後の夜はしっかり疲れをとれるようにと立派なツインの部屋を
  ブッキングしてありました。

  チェックインも早々に、やはり旅の人、お出かけをしたくなりました。
  まずは定番、ツーリストインフォマーションへ。
  インフォメーションには世界中から集まったツーリストが
  情報を集めにやってきます。
  でも、インフォメーションも以前と比して全く様変わりしていました。
   我々が貧乏旅行をしていたことは、
   パンフレットや地図などの神情報をもらうのと、
   ホテルを予約しに来る人が大方でした。
   でも、今はインターネットの時代ですからパソコンさえあればホテルの予約も
   日本語でスイスイできちゃいます。(小さな街はちょっと無理かもしれませんが)
   インフォメーションにも自由に閲覧できるPCがたくさんならんでいて、
   ネットにつながっていました。
   日本語対応のPCは見当たりませんでしたが。

  少し土地感があるのでとにかく船に乗ろう、
  ということになり船の情報をホームページやら、
  パンフレットやらで確認して、
  早々に歩き始めました。
  ストロイエの中ほどニューハウンの先に、
  カナルツアーの船付き場はありました。
  水上バスのような船に乗って、
  海からコペンの街をめぐりました。

数々の懐かしい建物、あのリトルマーメイドも、
海側からまずはごあいさつとしゃれ込みました。
ぐるっと船は一周して、
ニューハウンに降り立ちました。

  ストロイエをブラブラして、色々物色し帰途につきました。
  明日はコペンハーゲンとチボリを満喫する予定ですが、
  今日はとりあえずストロイエのレストランで夕食をとろう、
  ということになりました。
  想い出の場所といっても、まさか、日本食でもないだろうし、
  中華もちょっとねーという話になり、結局何も決まらず、
  何往復したでしょう?

市庁舎側から入ってすぐのレストランに、
えーい、ままよと飛び込みました。
私は、デンマークはポークと思ったので、
ポーク料理を注文しました。
皆、思い思いにステーキやら何やらを
注文しました。
もちろんデンマークビールもです。

  実はビーフステーキよりも高いポークソテーだったんですが、
  本当においしかったです。
  堪能して外に出ると…なんだかとってもサムーいのです。
  旅行中のこれまでとの、あまりの温度差に驚きましたが、
  8月半ばすき!!
  この時期はこんな感じだったなあ、とまた懐かしく思い出しました。

  明日はこの旅で最後の夜です。
  コペンハーゲンとチボリ公園を満喫し、
  最後の夜にふさわしいディナーをとろうということになりました。
  では、皆さん、おやすみなさい。