第七回 初めての海外旅行!
トラブルを自力で乗り越えると、どんどん度胸がついてきます。
不思議なもので、何となく言葉も解るようになります。すると、また自信がついてきます。
自信とともにコミニュケーションをとることがあまり苦ではなくなるためか、情報量も増えてきます。
するとまたそれが自信につながります。
ほんの数ヶ月前まで、英会話を習いに教室に通っていた私たちが…。
不思議なものです。
でも、そうすると欲がでてきます。何とか生活できるだけで満足していたのに、
滞在から1ヶ月もすると家を1歩出れば、もうお耳はダンボ!
今度はもっと良いものが安く買えるところがある。
あそこの郊外のマーケットでは食料品が安い。
あそこの市場では質の良いフルーツを売っている。
お米だって、日本食だって手にはいるだけで満足していたのに、
マルメの中華街のマーケットでは、おいしいカリフォルニア米が手に入るとか、
インスタントラーメンやカレールーまで売っている。
そんな話が聞こえてこようものなら、ゲットしないわけにはいきません。
色々な?!情報に踊らされる日々でした。
そしてなんと、あのコペンハーゲンにルンドからバスがでているという、
すごい話まで飛び込んできました。
コペンハーゲンといえば、北欧の玄関であるとともに
ストロイエというショッピングストリートを擁する大都会です。
情報筋によると日本の新聞も売っていると聞きます。
そこに、直通バスがでているというのですから、もちろん行かないわけにはいきません。
有名な人魚姫の像やゲフォンの泉、チボリ公園だってあるのです。
自家用車を持たない我々家族にとって、これはとっておきの情報でした。
早速、詳しく情報に耳を傾けると、 その情報を手に入れた翌日の日曜日、朝6時に起床して、 |
![]() ●人魚姫の像の前で |
真っ暗の中を走ってもぜんぜんこわくありません。
なんせ"999"の終点は夢の世界なのですから。
ルンドから高速道路に乗り、郊外のショッピングセンターを経由し、
数名の人を加えてマルメのドラオワ港に着きました。
そのまま、バスはフェリーに乗ってしまいました。
すると、乗客たちはさーっとバスから一目散に降りていきます。
フェリーの中でいち早く免税品を買うためです。
そうそう、スウェーデンは準禁酒国って知っていましたか?
ワインやウイスキーといったアルコール度の高い酒はもちろん、
ビールでもアルコール度の高いものは"システムボラーゲット"という専売所でしか売っていません。
町に数件しかなく、不便この上ありません。
そのせいか、スウェーデン人は外国でワインやウイスキー等のアルコールをたくさん買うのです。
なんとドイツに食料品とアルコールを買いに行くバスツアーが真面目に存在します。
デンマークでも買えるのですが、ドイツの方がもっと安いようです。
スウェーデンからバスでドイツへ行けることを知ったのもびっくりでしたが、
この「お買い物ツアー」がとっても人気であることにも驚きました。
「この週末はちょっとドイツまで買い出しに行って来るわ」なんて、なんとまあ、かっこいい事!!
それはさておき、船上ではお買い物に走る人、
ゆっくりとカフェテリアでコーヒーを飲む人、両替をしている人、
さて「私たちは何をして過ごそうか?」と思っているうちにリムハムン港に到着です。
また、何事もなかったかのように皆はバスにもどりました。デンマークへは全く何の入国審査もなく、
バスはコペンハーゲンの町に入ってゆきました。
そのころ、ようやく例によって「ボーッ」と夜が明けてきます。チボリ公園は駅のすぐそばです。
しかし、大遊園地のはずなのに全く静かです。恐る恐るゲートに近づいてみると…。
「春が来るまでさようなら」?!…。
そういえば、日本で買ったガイドブックには「チボリ公園は冬季は休園」と書いてあったような気が…。
またやってしまった!しかし、こんな事ではもうくじけません。
私たち家族は鍛えられ、強くなっていました。コペンハーゲンの町を歩く歩く。
途中で衛兵の交代式に出会い、人魚姫の像にたどり着いたときは皆少々お疲れ気味でした。
残念ながら、全く観光シーズンではないため、人もまばらで、ゲフォンの泉の噴水も止まっていました。
●ゲフォンの泉の前で
ストロイエではお目当ての日本酒と朝日新聞も手に入れ
(我が家のホームパーティでスウェーデン人のゲストに日本酒を振る舞うためです)、
また夏に来るぞと誓って999バスに乗り込みました。全く逆のルートでルンドに着いたときには、
みんな疲れ切っていました。けれどもなんて盛りだくさんな1日だったことか。
しかし、これでまた一皮むけました。だって、海外旅行をしたんですよ!しかも、日帰りで!!
今回、我々の行動範囲を飛躍的に広げ、
かつ夏休みに大活躍した「インセビンセ号」の紹介を
しようと思っていたのですが、これは次回に譲ります。