やまのい和則のホームページ 福祉


介護保険のここが問題 7 

市町村にはどんな格差が出るか?
自分で終の住みかを選べるか否か

 遅れている地域では、1日1〜2回しかホームヘルパーが来ません。進んでいる地域では、最高1日4〜5回来ます。

 身体が不自由でも、一人暮らしを続けたいと言えば、ホームヘルパーが多い町では、1日4〜5回来てほしいと言えば、一人暮らしが可能です。

 ところが1日に1〜2回しかホームヘルパーが来なければ、自宅に住み続けたいと言っても、「責任は持てませんから老人ホームに入って下さい」となります。

 ここで、要介護度五のお年寄りが、老人ホームに入った場合と在宅で暮らし続けた場合の社会にとっての費用を考えましょう。

 老人ホームでは月に35万円くらいが 介護保険から老人ホームに支払われる。一方、在宅でも要介護度五の場合35万円くらいが在宅介護サービスの提供者に支払われます。

 結局この場合、在宅でも老人ホームでも、社会にとってかかる費用は同じなのですが、在宅サービスが遅れている地域では、お年寄りが自宅で生活したくても、そのサービスがないので、老人ホームに入らなければなりません。
 また、逆にお年寄りが「淋しいので老人ホームに入りたい」と自己決定をしても、老人ホームが満員であれば、自宅に居続けざるをえません。

 また、次のようなケースも起こるでしょう。ある町ではデイサービスが週1回しか利用できません。隣の町では望めば週に3〜4回利用できます。デイサービスが週に3〜4回利用できれば、家族も仕事を続けられます。

 つまり、福祉が進んでいる市町村では、介護者も仕事と介護を両立しやすいが、遅れている市町村では、介護者は仕事を辞めざるをないケースも出てくるでしょう。


次へ 戻る 目次へ タイトルに戻る