どんぶりこぼればなし


 第四回 作業療法士(OT)さんと理学療法士(PT)さん

 新年明けましておめでとうございます。

 昨年は本当にいろんな事がありましたね。
 新年早々、鳥インフルエンザ騒動で京都の北部は大変な事態でした。
 イラクでも日本人が拘束騒ぎや自衛隊の派遣期間の延長が問題になったり…
 明るい話題としてはアテネオリンピックでのメダルラッシュでしょうか?
 残念ながらサッカーは惨敗してしまいましたが。

 しかし、なんと言っても昨年は「天災」の年でした。
 台風がたくさん上陸し、大被害をもたらし、中越地震では本当に多くの方が被害に遭われ、
 日本は大変だったな〜と思った矢先に今度はスマトラ沖大地震とインド洋津波。

 本当に世界中が大揺れというか地球がおかしくなっているのではないかと思う今日この頃です。
 本年はこのような大災害もなく、平穏無事な一年であればいいな〜と心から思っています。

  


 それはさておき、先月はこぼればなし、お休みさせていただきました。
 楽しみにしていただいてアクセスしていただいた皆さん、失礼いたしました。
 (そんな人いないって?!)
 なぜかって、実は更新の時期に原因不明の高熱を発し動けない状態でした。
 突然夜の診療後から「悪寒」がおこり…熱は38度を超え、震えが止まらず、
 インフルエンザかと思いながら…でも予防注射はしたし…いろんな思いが頭の中を駆けめぐりました。
 受験生を抱える我が家では、皆にうつってはいけないので、隔離されました。

 ところが、あら不思議、翌日には熱も下がって、咳も出ないし痰もからまないし、
 のども痛くないし、おなかもこわさないし、一体何なのかさっぱり解らないまま熱は下がってしまいました。
 知恵熱でしょうか、な〜んちゃって。
 しかし、年齢には勝てないですね〜倦怠感が持続しフラフラ状態。
 訪問診療もキャンセルさせていただき、ゆっくりと休みました。
 従って、こぼれ話もお休みさせていただいたのです。

  


 先月のどんぶりでは、一つ一つは細々だけど、かたまりになると、とても大きな問題が話題にのぼりました。
 皆さんは外出の時、のヘルパーさんの介助をどんな時に受けられるかご存じですか?
 病院に通院する場合はもちろんOKです。買い物も必要ですからね〜OKですよね。
 じゃあ、美容院や散髪に行きたい場合はどうだと思いますか?
 タバコがが買いたい場合はどうだと思います?

 これが、ダメなんですね。
 嗜好品の買い物や、美容院等への送迎はダメ…これはOKでこれはダメって
 なんかその基準が解らないと思いませんか?
 しかも、そのOKとかダメとか言うのが、京都市内でも住んでいる区によって多少違うという、
 不思議な報告があったんです。

 また、ヘルパーさんの派遣があって、次の派遣までは「おおむね2時間」あけなければならないという、
 これまたケアの個別性を無視するかのような基準があるのだそうです。
 悪い事業者に対する不正対策で作られたルールなのかもしれませんが、
 それって主客転倒だと思いませんか?
 しっかりした、ケアプランを立てて、それをしっかり見れば良いのに、
 こんなルールを先に作ってしまうとルールが一人歩きして、
 本当に必要な人に必要なケアができなくなるのです。
 困りますよね〜でも、我々どんぶりレベルではどうしようもない問題です。
 愚痴の言い合いになるだけ…むなしいですが、皆が問題点を意識して、
 認識してどんどん自分の 周りで声を上げていこう!ってことになりました。
 実際にサービスを受けて困っている利用者の方からも声を是非上げていただきたいですね。


 さてさて、今月は訪問リハビリの先生のご紹介です。
 訪問リハビリは作業療法士さんとか理学療法士さんが患家を訪問して
 リハビリをしてくださるサービスです。病院内でのリハビリとの最大の違いは、
 お家の環境にあわせて、してくださるって 事でしょうか。
 病院内では平らなリハビリ室での機能訓練が中心になってしまいがちですよね。
 そうすると…家に帰ってきたは良いけれどベッドからおりられない、
 段差があってつまずく危険がある、ベッドからトイレに行くのに伝い歩きでつかまる場所がない。
 なんて事は、本当によくあることです。
 本来は、退院前に帰るお家の居室から日常使うトイレ、洗面所、お風呂等への動線を確認して
 手すりをつけたり、段差を解消したりという住宅改修を、専門家の目で見て行っていただいて
 療養環境を整える事が重要なはずですし、その上で病院のリハビリができればよいのですが、
 難しいようですね。
 そこで、訪問リハの先生方はまず、お家の環境にあわせての動作や移動、
 車いすやトイレへの移乗がうまくできるようにすることから、訓練してくださいます。
 けれども、患者さん全てが、治療に積極的だとは限りません。
 例えば認知症をお持ちの利用者さんだと、意欲がないわけですから、
 リハビリをしようとしてもいやがられたり、ひどい場合は拒否されたり、ってこともあります。
 苦労がたえないことと思います。

 でも、在宅の現場では本当に訪問リハビリの位置づけは重要だと私は思っています。
 患者さんが、それぞれのお家の環境で、それまでの生活状態が維持できるように動ける範囲を取り戻し、
 機能回復を図りつつ、さらに今後安全に事故がないように生活していくための
 訓練ができる事は本当に大事だと思います。
 しかし、残念ながらまだまだ訪問リハビリはマンパワーが不足していると思います。
 もっともっと、訪問リハビリに興味を持って現場に出ていただけるOTさんやPTさんが増えて、
 その点に着目してくださる事業者さんが出てくればいいな〜と思っています。


  

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