どんぶりこぼればなし


 第二回 訪問看護師さん

 9月にはいって、5日、6日あたり…近畿地方は地震に襲われました。
 結構長時間揺れたので、例の神戸の震災を思い出した方も多かったようです。
 私も「またどこかで、高速道路がなぎ倒されているのでは…」なんて思いましたから。
 いつの間にか、忘れてしまっていましたが、大あわてで再度非常避難袋や懐中電灯といった災害時の備品をチェックしたりしました。
 9月のどんぶりでは、我々どんぶり仲間の利用者の方が数名、地震に伴う怪我等で救急車で運ばれたという報告がありました。

 地震時の落下物、要注意みたいですね。
 そういうとき、とっさに人間あわてると何をするか解らないですよね。
 Aさんは、救急車が到着するまでに、出血があったので止めようとなさったようです。
 これは、「大正解」です。
 清潔な布やガーゼで「圧迫止血」とっさには、なかなかできないですよ。
 しかし、救急車が到着したとき、救急隊の方は目のやり場に困ったとか…。
 慌てたAさん、ご自分がはいていたステテコを脱ぎ捨て、圧迫止血されたようです。
 好判断で、出血は少なかったようですが…。

 そうそう、今回は看護師さん、その中でも「訪問看護師」さんの紹介です。
 早速、ちょっと脱線です。
 「看護師」って言葉どう思われますか?
 看護師さん、看護婦さん、どっちがいいですか??
 私は個人的にはやっぱり「看護婦さん」がいいな〜。
 男性の看護師さんはもちろん看護師さんでいいけれど、
 女性の看護師さんはやっぱり看護婦さんの方がいいな〜と思ってしまいます。
 皆さんはどうですか??

  

 さて、看護師さんと聞くと皆さんは病院や診療所に居られる看護師さんを思い浮かべるでしょ。
 ナースキャップをかぶって、白衣を着て…だって「白衣の天使」なんて表現されますからね。
 でもね、訪問看護師さんは多くはナースキャップも白衣も着ていません。
 運動の時に着るジャージのようなものや、ポロシャツのようなものが、
 訪問看護師さんの制服になっていることが多いようです。
 実際に働いてる若手の看護師さんからはこういう制服あまり評判良くないみたいですけどね〜。
 病院の看護師さんとは違って、一人で(ここがポイントです)患者さんのお宅に訪問し、
 療養のお世話やお手伝い治療の補助等をすることになりますから、動きやすいスタイルって事ですかね〜。

 じゃあ、「訪問看護師さんってどこにいるの?」って疑問がわいてきませんか??
 多くの訪問看護師さんは「訪問看護ステーション」というところに属しています。
 病院や診療所が持っているステーションもありますが、医師会が持っている場合もあり、
 私の所属する地区医師会も「伏見医師会訪問看護ステーション」を運営しており
 会員の先生方の指示で看護師さんが派遣されています。

 具体的には、医師の指示で診療のお手伝いをしたり、
 看護師さんの判断で療養上のお世話、つまり保清、入浴のお手伝い、
 寝たきりの患者さんなら体位変換といったように色々なお仕事があります。

 病院なら周りに先生も他の看護師さんもいますけど、在宅の現場では側に誰もいない訳ですから、
 当然色々と判断を求められる事になります。それが、やりがいにもつながってくるのですが、
 当然経験を積まないとできないお仕事になってきます。
 病院勤務の経験が豊富でも、訪問看護の現場では全く仕事にならないなんて事も実際にはあるのです。

 でも、醍醐味を感じてしまうと…訪問看護辞められなくなるらしいですよ〜。
 もちろん、血圧、脈拍、体温といったバイタルサインのチェック、
 病状に変化がないかといったチェックも欠かせません。
 我々在宅医療に関わる医師にとっては非常に心強いパートナーです。
 実際に状況によっては、訪問の度に書面で連絡をもらったり、
 もっと緊急の対応が必要なときは電話で連絡をもらったりするわけです。
 そうそう、点滴もこの4月から状況によっては看護師さんにしてもらえるようになりました。
 「えっ、今までできなかったの?」と思われるかもしれませんが…できなかったのです。

 看護師さんは、お買い物に行ったり、家事をしてくれたりはしませんので、念のため。
 時々、居られるんですよ。
 看護師さんにお買い物頼む人って。


 ※「看護師は独占業務です。診療にまつわる業務は医師の指示でお手伝いしますが、
 療養上の世話、つまり保清、入浴体位交換などは医師の指示は受けません。
 倫理綱領にあるように個人の責任において業務を提供します。」

 とのご指摘を頂きました。

 お詫びの上で訂正させて頂きました。

  


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