どんぶりこぼればなし


  第十五回  「ゆれる思い」

 ガンバがやりました。
 関西にまたまたタイトルをもたらしてくれました。
 それも、あのドーハの悲劇を思い出すかのようなセレッソのロスタイムの失点で、
 自力優勝の無くなったガンバにJ1優勝が転がり込んできました。
 今シーズンはプロ野球セリーグ、サッカーのJ1、J2全て関西にタイトルが来ましたね〜。

 ゴルフもいろいろ話題がありました。
 先日の男子ツアーカシオオープンに女性版タイガーと言われる「ミッシェルウィー」が出場来日しました。
 男性プロに交じって頑張っていました。予選通過は確実なんて前評判でしたが、
 残念ながら一打及ばず予選落ちとなってしまいました。
 それも、勝負どころでギャラリーの携帯カメラのシャッター音が気になって
 集中力を切らしボギーを打っちゃったみたいです。

 しかし、それに対する不満を一言も言わなかったとか、さすがは大物ですよね。
 予選落ちして、よけいに人間らしいって事でイメージアップにつながったかもしれません。
 宮里藍ちゃんもアメリカツアー来期の出場権をかけた最終予選に出場、
 2位になんと12打差をつけてトップで通過…これは本当に立派の一言です。
 来年はきっとアメリカツアーをわかせてくれる存在になってくれるでしょう。

 日本の賞金女王は不動裕理に決定しました。
 6勝をあげ、今季も予選落ちが一度もない、24戦して10位以内が19回、
 この成績も、さすがと言わざるを得ませんね。

 男子ツアーは個人的には残念ながら今ひとつ盛り上がりませんね〜。
 来年は是非、男子ツアーの盛り上がりにも期待したいです。
 そのためには「スター」の存在が不可欠ですよね。

  

 在宅で、患者さんや御家族から頼られ、長期に関わってくると、
 家族のような情がわいてしまうことがあります。
 日常のケアでも、普通の利用者さんが対象なら、危険を考慮したり、
 人的な配置等でできないサービスでも、無理をして何とかしてあげようとしてしまうことがあります。
 こういう状況で起こりやすい問題があります。
 まさしく、今回のどんぶりの話題は、
 仲間たちで関わっている患者さんに起こっている「こんなこと」についてでした。

 最近、親密な間柄になっている、患者さんの在宅スタッフ達(私も含めてです)が、
 急にその患者さんが在宅困難になった状況で、医学的、介護的に適切な説明、
 説得をして冷静な判断を患者さんや御家族にしてもらう難しさに直面しました。

 難病ではありますが、強い意志で在宅生活を希望されているこの患者さんは、
 奥さんの献身的な介護の元、とても長期の間同じ在宅スタッフに支えられて、
 比較的穏やかに過ごされていました。
 しかし、ここ数ヶ月で状態が急に変化してきました。
 「誤嚥」(食べ物がうまく飲み込めず気管に入ってしまうこと)による呼吸困難や
 「突然の意識消失」が度々起こるようになったのです。
 一回目は直ぐに病院に救急搬送し、病院で適切な処置をして頂いて事なきを得、
 回復されたのですが、何がきっかけとなって何が起こったのか原因は正直全く解りませんでした。

 そして退院。
 その約10日後に、また同様のことが起こりました。
 一度このような原因不明の意識消失が起こってしまうと、原因が解らない分だけ、
 今後このようなことは起こる可能性がないとは言えないし、
 我々在宅スタッフとしては在宅生活を安心して送って頂くには、
 様々な対応を検討する必要が出てきたのです。
 今までのままの体制では受け入れができない状況と誰もが判断しました。

 しかし、本人は当然ながら「良くなったのだから、即帰りたい」となっちゃいます。
 御家族や患者さんからしてみたら、
 「いままでいろんな無理も聞いてくれていたスタッフ達だから、これからも何とかしてくれるだろう」
 という思いが感情的になってしまうと
 「なぜこれからは何とかしてくれないの」という気持ちに変わってしまうのかもしれません。
 スタッフ側からすると、これまで築いた信頼関係からして、
 これだけ真に状況を説明して何故受け入れてもらえないのかというもどかしさが出てきます。
 そして、ここで、もう一人大事なキーマンが登場します。

 病院の主治医の先生です。
 実はこの先生の説明一つで、全ての状況が変わってしまうことがあるのです。
 やはり病院の先生は現在の在宅医療における現場の状況をご存じないことが多いです。
 医療保険や介護保険のもとでは知識や理論通りに行かないこともたくさんあります。

 患者さんを退院させるにあたって、現場となる在宅の状況をあまり考えずに
 患者さんや御家族に説明をされてしまう事が、今回に限らず良くあることです。
 当然、お家に帰りたいと思っている患者さん、
 御家族の方は「病院の先生が退院できるというのに、なぜ受け入れられないの」
となってしまわれるわけです。

 困ります。非常に我々はこんな時困ります。
 病院の先生方との連携の必要性、重要性をとても感じます。
 病院の先生方には、この我々の思い、伝わっているのでしょうか?
 声を大にして伝えたいです。

 どんぶりの仲間でもある病院の先生にはきっと届いていると思いますが…。
 患者さん、御家族、そして我々のためにもよろしくお願いします。

  

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