第215号(2001/12/22)
メールマガジンの読者の皆さん、今年も残すところあと 10日となりました。いかがお過ごしでしょうか。
今日 12月21日は、今年最後の国会での仕事。いま、帰りの新幹線です。
12月21日(金)からさかのぼって、ここ2,3日の活動報告をします。
■今日は、今年最後の国会での仕事の日。
- 朝6時50分から8時まで京阪木幡駅で街頭演説とチラシまき。まだ、外は暗い。スタッフの伊藤伸君が一緒にチラシを配ってくれる。小雨の中だが、知り合いに会うと嬉しい。
- 9時京都発の新幹線に乗り、東京に。
- 昼食をとりながら、選挙対策委員会に関する打ち合わせ。
- その後、学生インターンの増田君と打ち合わせ。
- 午後1時からは、女性政策草案作成会議。
水島広子議員、岡崎トミ子議員、石毛えい子議員、岡田克也政調会長、枝野幸男政調会長代理と、民主党の女性政策について詰める。
◆私はDV問題について、今のDV法は不十分だと意見を言う。
さらに、「女性政策もいいが、テロ支援であまりタカ派のイメージが民主党に強くなると、そもそも女性の支持なんか得られない。平和を重視する党であることをもっと打ち出すべき」と発言。
岡田政調会長が、「民主党もちゃんと平和を重視してます」と発言。
「でも、なかなかそれが国民に伝わってないんじゃないでしょうか」と私。
ちなみに、テロ対策法案の採決では、この会議に参加している石毛、岡崎、水島議員はそろって欠席だった。
- その後2時半から4時まで、民主党の今年最後の厚生労働部会。
新しく山本孝史参議院議員が、民主党の厚生労働担当のネクスト大臣に就任。
この部会では、厚生労働省の担当者から、来年度予算についての説明を受ける。
なんと厚生労働省からは、担当課長さんなど35名が登場。
「どんな質問が議員から出ても答えられるように」とのこと。
私たち民主党側も議員8名、秘書さんや政策スタッフ30数人。
厚生労働省の担当者から来年度予算についての財務省の内示の説明を受ける。
それに対して、山本孝史議員が、「もっと突っ込んだ説明をしてほしい。通りいっぺんの説明なら、わざわざこの部会のために地元から東京に出てきた意味がない」と発言。
これには私もうなずいた。
説明を聞いたあと各議員が質問。たとえば、
水島議員は小児医療、
今井議員は医療改革
桜井議員は狂牛病とヤコブ病、
大島議員は雇用問題など。
35人いる厚生労働省の担当者がそれぞれの質問に答える。
◆私は、「池田小学校問題があり、今年は、精神医療の貧困さが問題になったはずなのに、精神医療の底上げの予算がついていないのでは?」
「医療制度改革により来年、多くの長期入院高齢患者が退院を迫られるが、その受け皿となる特別養護老人ホームやグループホームなどの整備は不十分。さらに、この予算の介護保険に関する部分を見ても、『在宅重視』という姿勢が見えない」と2つを指摘、質問した。
答弁は、
「精神医療については、いま審議会で議論を始めたところ。平成15年度から新しい障害者プランを実行するので、そのプランの中で精神障害者の福祉の充実に努めたい」とのこと。
もう1つは、「平成15年に自治体の老人保健福祉計画の見直しがあるので、その中で介護基盤の整備をはかりたい」とのこと。
私は、「高齢患者の退院促進は、平成14年からなのだから、介護保険基盤整備が15年からだと1年のタイムラグができる。その間、病院から放り出されたお年寄りがたらい回しにあったり、路頭に迷うことのないようにしてほしい」と重ねて要望。
また、在宅重視については、担当者の答弁は、
「うーん。ケアマネージャーの支援・充実などでも在宅重視の意味を込めてるんですけどねえ。また、介護報酬の見直しを通じても在宅重視を実現していきたい」とのこと。
これは重要な答弁である。本当に介護報酬の見直しが在宅重視につながるようにしていきたい。
本格的な国会での予算の議論は、来年の2月だが、もうその前哨戦が始まっている。私は身体が熱くなるのを感じた。
◆さて、今日、国会対策委員会の細川律夫議員から電話があり、「来年の通常国会では、引き続き厚生労働委員会をお願いします。理事もお願いしたい」とのこと。
「光栄です」と引き受けた。
国政の委員会には、前もって、民主党の国会対策委員会に、
希望を出しておきます。勿論私は、いつも厚生労働委員会希望。この配属は、国会ごとに決めます。
来年の衆議院厚生労働委員会は、各党から合計45人。
(委員長1名、理事8名、第153回国会)
そのうち民主党は11人。
その筆頭理事が、釘宮磐議員で、次席の理事が私。
民主党の他の委員は、
家西悟(エイズ問題に情熱)、
大島敦(雇用問題に強い政策派)、
加藤公一(リクルート出身、雇用政策についての若手の論客)、
鍵田節哉(ホームレス法案に情熱、雇用問題にも強い)、
金田誠一(人権派、医療・年金・福祉すべての問題にめっぽう強い)、
五島正規(医師、医療政策に強い論客)、
土肥隆一(牧師さん、福祉や人権問題に強い)、
三井わき雄(薬剤師、病院や施設の問題にも強い)、
水島広子(精神科医、小児医療や精神医療、子育て支援に強い)。
という顔ぶれ。
与党の質問は、政府と馴れ合いでたいした国会質問はないので、野党第一党である私たち民主党のこの11人の鋭い切り込みが、日本の医療・福祉・雇用を左右する。頑張らねば。
◆私が就任した「理事」の仕事は、釘宮議員と共に、民主党のこの11人を代表して、他の政党と法案審議の日程など、あらゆることを議論し調整する役。
厚生労働委員会の仕切り役である。
どの法案を優先して審議するか、
どの法案は先送りするかなどを決める重要な役割だ。
私の専門の介護だけでなく、雇用などあらゆる厚生労働委員会の政策に精通する必要がある。
仕事が多くなりそうだ。頑張らねば。
とにかく、今日が東京での最終日なので、夕方も7時ごろまで来年の打ち合わせの会議や来客があり、その後、今年中に片付けねばならない仕事を大急ぎでやりとげ、残りは、カバンに詰め込み、新幹線に飛び乗る。
そして、今日は別れの日でもあった。1年半、私の国会事務所に勤務して頂いた宮内なおみさんが、「国会事務所の立ち上げを1年間手伝う」との約束だったので、年末で国会事務所を去り、再び、元勤務しておられた大学教授の秘書に戻られることになった。
今日が最後、素晴らしい秘書、本当にお世話になり、有難うございました。
■続いて、過去2,3日の報告。長くなりますがお付き合いください。
■12月18日(火曜日)は、松井山手駅で朝6時50分から駅立ち。
- 日中は、「山井和則の国会レポート」の発送・封入作業をして下さっているボランティアさんのところを回り、ミニ集会。
今日も、年末の忙しい中、30人くらいの方が封入作業を手伝って下さっている。
政治というと「うさん臭い」というイメージが強いが、地域の主婦の方や退職者の方が毎日、多くボランティアで手伝って下さるのは本当に嬉しい限りだ。頭が下がる。
- 夕方からは、若手経営者50人の会で講演。
「衆議院議員になって感じたこと」というような内容。
「国とのパイプ役、業界の族議員、というタイプの国会議員が多すぎる。『自分の選挙区にだけは公共事業を引っ張ってくる。国の将来には無関心』という無責任な国会議員が多いこの現状では、日本の国は沈没する。私は、国のことと京都南部のことを半分ずつ、頑張りたい」などと話した。
◆具体的には、福祉や医療などの問題で日本の安心感を高めることが、急務だと思う。
自分の選挙区への公共事業の誘致、業界の代弁は、それも国会議員の仕事の1つかもしれないが、それしか仕事をしなければ、国会議員の資格はないと思う。
私は、「族議員」ではなく、「専門議員」になりたい。
「族議員」と「専門議員」の違いは、
族議員は、その業界のためには、日本の国益に反することでもごり押しする。
専門議員は自分の専門分野(私は福祉や医療)を通じて、国に貢献し、国民全体の利益に反する場合にはごし押しはしない。
こんなことを講演させてもらった。参加者の中には公共事業を主な仕事としている建設会社の若手社長さんもおられ、率直に、意見交換させてもらった。建設会社の社長さんも社員さんの雇用を守るために必死である。頭が下がる。
90年代に建設業を水ぶくれさせすぎた、政治の責任である、という話になった。
◆私が住む京都南部は、失業率が7%。厳しい状況だ。
この京都南部にどうやって雇用をつくり出すのか。これは、日本の福祉や医療という私のライフワークと同様に、私にとっては毎日、頭から離れない問題だ。
「政治を良くするにはどうしたらよいか」という質問が出た。
私は「政治がおかしいと思うなら、選挙に立候補してほしい。何党でもいいから、政治家の話を聞き、共鳴できる議員には応援して欲しい。とにかく、政治に参加してほしい」と。
私は本当に有難いと思うのは、多くの方々に私の拙い話を聞いて頂けることだ。
福祉を良くするには、福祉関係以外の方々に福祉に関心を持ってもらう必要がある。
■12月19日(水)
- 朝6時50分からJR木幡駅で街頭演説とチラシくばり。
精神障害者の知人とばったり会う。
また、診療所に勤める女性とも久しぶりに会う。
また、知人から雇用不安の話を聞く。
1時間20分、駅前で演説をし、チラシを配っていると、さまざまな切実な声を聞くことができる。
- 9時から京田辺市のふくろう作業所を訪問。
精神障害者が10人通い、手漉(す)きのハガキや名刺をつくり、自立に努めておられる。所長の林剛さんの情熱あふれる姿に感動。
精神障害者のメンバーの方々に手漉きハガキの作り方を教えていただき、つくる。
また、アルミの空缶も洗って壊せば、1個1円くらいになるという。その作業をしておられる精神障害の方々の話を聞く。
やさしくて真面目な方ばかりだ。
- 午後は、医療関係の知人宅を訪問。
医療制度のことなどについて話を聞く。
- 夕方は、不況が伝えられる地元の商店街を久しぶりに買い物。
買うことが目的でなく、商売がうまくいっているかどうかを見てまわる。なかなか厳しそうだ。
■12月20日(木)
- 朝8時から民主党の会合。
- 10時から医療・福祉関係の施設を視察。
来年の通常国会は、医療制度改革と介護保険の見直し(介護報酬見直しなど)が大きな議論になる。
◆国会がない時に、現場をまわり、生の声を聞きたい。
まず、訪問したのは介護保険適用の療養型病床。1000床。
次は、特別養護老人ホームと老人保健施設とケアハウス。
そして、総合病院と夕方までかかって視察。
とても勉強になった。来年の国会での質問などの参考になった。
- 夕方は、6時から7時半まで、ホームヘルパーや特別養護老人ホームの職員さんとのミニ集会。
ホームヘルパーの待遇の悪さ、労働条件の悪さを何とかしてほしいという話を聞いた。その女性もホームヘルパーとして訪問した家庭でダニやノミに刺され、顔や全身がはれて困っておられた。
確かに、特別養護老人ホーム以上に、ホームヘルパーさんの労働条件は劣悪だ。
「労働条件のことで苦情を言うと、『かわりのヘルパーは他にも一杯いますから、いつでも辞めてください』という経営者の態度だった」という苦情も聞いた。
- 8時半から10時半までは、ケアマネージャー、理学療法士、特別養護老人ホーム職員、有料老人ホーム職員、歯科衛生士、歯科医師の方々、15人で勉強会。
私が冒頭10分ほど、国会での介護保険や医療制度改革の議論を報告し、あとは、お一人お一人から現場で困っていることを聞いた。
ケアマネージャーさん曰く。
「1割負担が重いため、利用限度額の介護サービスを十分に利用しない利用者が多い。逆に、裕福な家庭では、限度額一杯まで家政婦がわりに掃除などでホームヘルパーを利用する。お年寄りだけでなく家族の分の食事作りや掃除も頼まれるが、民間のホームヘルプ派遣事業者は、仕事がほしいので断り切れない、との話もあった。
「介護保険でサービス利用は増えたが、裕福な方が自己負担が減って利用が増えただけで、低所得者のサービスは減った。介護保険は裕福なお年寄りにとっては、プラスだったが、貧しいお年寄りにとってはマイナス」という声も聞いた。
今年も残すところあとわずか。今日も長いメールマガジンを最後まで、読んで下さり本当に有難うござい
ます。今年もあと、 1回でも多く中身のあるメールマガジンを発行できるように頑張ります。
寒くなりますが、お風邪など召されぬよう、ご自愛ください。合掌
やまのい和則 拝
●お詫び
前号(12月18日付け)の号数は214号でした。当方のミスで間違い
ましたことお詫びして訂正いたします。(メルマガ担当)
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☆やまのい和則の「軽老の国」から「敬老の国」へ☆
(2001/12/22現在 読者数 1957)
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