医療制度改革 & 活動日誌 |
第215号(2001/12/18) メールマガジンの読者の皆さん、こんにちは。 ここしばらくご無沙汰して申し訳ありません。 「やまのい和則の国会レポート(やまのいニュース)」の執筆・編集作業に事務所をあげて取り組んでおりました。 そのレポートは、この1年を振り返った2001年の総集編です。 A4で10ページ。ご希望の方には、ご住所をお教え頂ければ、郵送します。 ■ここ数日のことを簡単に報告します (今日から逆に過去にさかのぼる)。 ■今日12月18日(火) 朝6時50分から8時15分まで、JR松井山手駅で街頭演説と チラシまき。寒かった。 朝刊によると、医療に関する診療報酬が2.7%下げで決着したようだ。このことについては、後ほど書きたい。 今日は、このあと八幡市で「山井和則の国会レポート」の封入・発送作業をして下さっているボランティアの方々との集会。 夕方は50人の若手経営者に講演。 その後、知人と忘年会。 ■12月17日(月) 朝7時からボランティアの方と、スタッフの須永英一君と 京阪楠葉駅で街頭演説とチラシまき。 今回作成した2001年の国会報告のレポートを配った。 大学時代の親友に偶然出会えたり、 また、わざわざカンパを下さった女性もおられ、感激。 ◆国会の会期中は、平日は東京。そのため、朝の駅立ちがなかなかできない。 京都南部には沢山の駅があり、各駅を回るのは至難の業なので、一回一回の駅立ちは私にとっては、真剣勝負である。 次に会えるのは半年後か1年後かもしれないからだ。私は毎日、必死に活動しているつもりだが、駅を通勤されている方々からすれば、 「山井さんは、当選してから全然姿を見ない。さぼっている」 と思っておられるのかもしれない。 その方々にこのメールマガジンを読んでもらえるよう、配っているチラシには、大きくメールマガジンの宣伝が入れてある。 不十分な内容のメールマガジンであるが、一人でも多くの方に読んで頂きたいと私は願っている。 というのは、郵便で国会報告のレポートを送るのは手間と費用がかかるからだ。 駅立ちのあと、事務所で会議。 来客。 夕方からはボランティアさんがお好み焼きの夕食会を開いて下さった。 その後、新聞社の取材。 もう1つ会合に参加。 ■12月16日 東京への日帰り。 民主党副代表である岩國哲人衆議院議員を応援する人々の会合で、高齢者福祉と政治の講演。 ■12月15日(土) 朝10時から木津町で「介護保険」についての勉強会。 35人の地域の方々が来て下さいました。 ボランティアの方々が企画をし、近所に案内チラシをまいて、 参加者を募って下さいました。 それぞれ自分の親の介護で苦労しておられる主婦の方々が中心に参加されました。 午後、事務所に戻り「国会レポート」の封入作業。 10人のボランティアさんが手伝いに来て下さる。 午後2時過ぎ「平和のつどい」に参加。 終了後、5時から懇親会。テロ支援の問題が大きな議論に。 民主党の姿勢に批判を受ける。地域でさまざまな方々の声を聞くのはとても勉強になる。 6時から城陽市のお世話になっている方々と忘年会。 ■12月14日(金) 始発の新幹線で東京へ。最終の新幹線で京都に戻る。 この日は、朝10時から中医協があり、その傍聴をしました。 ◆中医協とは、中央社会保険医療協議会の略です。 私は、民主党の医療制度改革チームの事務局長をしておりますが、医療問題の中での最重要課題の1つが、2年に1度の診療報酬の改定です。 つまり、いろんな医療行為や薬、医療材料に対して、保険からお金がいくら出るかを改定します。 つまり、この診療報酬がアップすれば、その業界は儲かりますし、ダウンすると苦しくなります。 なぜ、この診療報酬の改定が重要かというと、ここが「族議員」などの活躍の場となるからです。 医師会、製薬業界、病院協会などの多くの業界団体が、厚生労働に関係する国会議員に陳情。それらの団体に関連する政治団体が、政党や国会議員に政治献金をしています。 それらの議員が、診療報酬がアップするように動くのが、 今の時期です。しかし、今年は、人件費も物価も低下しているので、診療報酬の引き下げはやむなしという雰囲気です。 ◆この日の中医協の会議は、その診療報酬の方向性を決める重要な会議。 傍聴も可能で、初めて私も傍聴。業界代表や公益委員など 20数人が委員。1時間あまりの議論。 健康保険の支払い側である健保連の代表が、 「医療費の伸びを抑えないと保険がパンクする。そのために大幅な診療報酬のダウンを」と主張。 それに対して、医師会側は、 「今までも合理化に次ぐ、合理化をしてきた。これ以上、 診療報酬が下がると医療の質が保証できない」と反論。 それぞれの言い分があります。 市町村の代表や薬剤師会の代表。歯科医師会の代表も発言。 診療報酬と言っても、 医科について、 歯科について、 薬価、 医療材料費 などの項目があり、それぞれの業界団体の利害が対立します。 1時間あまりの議論ののち、次の巻末のような声明がとりまと めされました。 史上初、医科の診療報酬も引き下げられるようですが、最終的には17日決まるようです(実際、18日の朝刊では2.7%ダウンと報道されている)。 この診療報酬問題については、民主党の内部でも何度も議論した。 「5%くらい大幅に下げるべき。医者は儲かっている」という意 見や、 「診療報酬を下げるとただでさえ、人手などが足りず、不十分な状態で行われている医療の質がますます低下する」という慎重な意見。 ◆私は 「物価も人件費も下がっている今日。医療だけ聖域にはできない。しかし、大幅なダウンは医療の質を低下させるので、 あまり大幅には診療報酬を下げるべきではない」という意見。 私にとっても介護問題に始まり、気がつけば、医療制度改革にも首をつっこんでいますが、介護と医療はますます切っても切れない関係になっています。 たとえば、6ヶ月以上入院する高齢者の診療報酬が大幅に引き下げられます。 そのため、多くの重介護を要するお年寄りが、6ヵ月後、来年には退院を迫られます。 簡単に言えば、病院からお年寄りを退院させ、医療費を削減し、医療保険から介護保険で、重介護のお年寄りに対応しようという流れです。 そのため、療養型病床の老人保健施設への転換などが奨励されようとしています。 このように医療制度改革が大きく介護保険に影響を及ぼします。 ◆この日の診療報酬の議論で感じたことを2つ。 1つは、中医協のメンバーに病院の代表や看護協会の代表が入っていないことです。これは問題だと感じました。 もう1つは、この中医協の意見をもとに、最終的に診療報酬が 17日頃に決まりますが、族議員が動きまわり、最終的には 政治決着で診療報酬引き下げの%が決まりますが、業界団体が関係する国会議員に献金攻勢をかけ、その力関係で診療報酬が決まるようなことがあってはなりません。 来年は、1月21日から通常国会が始まるようですが、厚生労働委員会ではこの医療制度改革が一番大きな議論となりますし、7月ごろには、さ来年4月からの介護報酬の改定のメドも明らかになるようです。 医療制度改革と介護保険の両方に私も取り組みたいと思います。 医療制度改革についても、書きたいことは一杯ありますし、 京都では来春の知事選挙の候補者決定が大詰めを迎えていますが、今日はこのあたりで終わります。 最後まで読んで下さり、有難うございました。 やまのい和則 拝 ■中央社会保険医療協議会の審議報告(案) 平成13年12月14日 本協議会は、本年4月より、診療報酬体系の在り方、薬価制度及び特定保険医療材料制度について検討を行ってきたところであるが、平成14年度の診療報酬改定、薬価改定及び保険医療材料価格改定についての意見を以下のとおり取りまとめたので報告する。 1、診療報酬改定について 診療報酬については、良質な医療を効率的に提供するという考え方を基本としつつ、体系的な見直しを進める観点から、 高齢者の心身の特性に応じた報酬体系等の見直し、医療機関別の包括評価の導入、患者ニーズの多様化等へ対応するための特定療養費制度の見直しなどを行うべきである。 また、平成14年度の診療報酬改定については、賃金・物価の 動向や最近の厳しい経済動向、さらには、医療保険制度改革全体の流れの中で、改革の痛みを公平に分かち合うという観点からも、相応の見直しを行うべきである。 2、薬価改定及び保険医療材料価格改定について 薬価については、これまでの取り組みにより薬価差や薬剤比率は大幅に減少してきているものの、平成14年度改定においては、保険財源の効率的かつ重点的配分を図る観点から、画期的新薬等の評価の充実を図るとともに、市場実勢価格を踏まえた薬価の適正化と併せ、先発品の価格の適正化を図るべきである。 また、保険医療材料価格についても同様の観点から、画期的な新規の医療用具については評価の充実を図るとともに、市場実勢価格を踏まえた価格の適正化と併せ、内外価格差是正の観点から既存品の価格の適正化を図るべきである。 ■平成14年度診療報酬改定の方向性に関する主な意見 1号側委員 ○ 現下の厳しい経済状況等にかんがみ、マイナス改定とすべき。 ○ 医療機関の経営状況にかんがみれば、現在の収入が確保できば対応することが可能と思われる。そういった観点から、自然増をゼロに抑えるような改定を行うことを提案したい。 ○ 2号側が、診療報酬の引き上げを求めていないことは評価するが、薬価改定や材料価格改定のみで対応するということではなく、もう一歩踏み込んだ対応をお願いしたい。 ○ 医療費の絶対額の削減までは求めておらず、また、技術革新が全て医療費増大の要因となるものでもない。このため、 診療側の協力により、医療の質は担保できるものと考えてい る。また、合理化という観点から、人員配置基準の弾力化を 図ることについても理解できるところがある。 2号側委員 ○ 現下の厳しい経済状況等にかんがみ、薬価改定等による財源を求めることまではしないが、マイナス改定には反対する。 ○ 医療の質の担保という観点から、現状維持はお願いしたい。 ○ 診療報酬の改定については、以下の点に十分配慮すべきである。
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