参議院選挙の総括会議 &

老人保健施設を訪問 & お知らせ 

            第178号(2001/08/27)

■今日8月27日は久しぶりに東京日帰りです。

◆午後1時から3時まで民主党本部で両院議員総会(民主党衆参両
議院185人の全体会議)。過去5回、グループにわかれて参議院選
挙の総括会議を行い、今日がその最終回。

私は、同僚議員の大谷信盛さん(大阪)、中村哲治さん(奈良)な
どと共に最前列に座り、鳩山代表、菅幹事長の話を聞き、そして、
質疑応答に参加しました。

 個々の意見は明日28日の朝刊で報道されるかと思いますが、
私の意見を言うならば、小泉ブームの中で、民主党は善戦したと思
います。自信を失わず、利益誘導とばらまきの公共事業の今の政治
を政権交代で変えるために民主党は堂々と頑張るべきです。

●ちなみに、私の意見が「もっとも前向きな意見」ということで、
鳩山代表のホームページの「今日のひとこと(8月26日付け)」に
私の意見が紹介されています。良かったら鳩山代表のホームページ
を見てみてください。
http://www.hatoyama.gr.jp/


■8月24日金曜日には、ある新聞の取材を受けました。

介護保険料の減免について。

私は、「介護保険の理念を壊さぬためにも、保険料の減額はよいが、
免除(無料)はよくない。一般会計からの繰り入れはよくない」と
いう、少し厳しいかもしれませんが、厚生労働省の見解に近いコメ
ントを言いました。

やはり、過去8年ほど介護保険の導入を推進してきた私としては、
「介護保険の理念」というものにこだわらざるを得ません。

 しかし、月に3万円程度しかない年金の人々にとっては、介護保
険料は重すぎるので、当然対応はせねばならない。

これは介護保険の問題というよりは、年金の最低基準が低すぎると
いう問題です。また、生活保護が受けられる貧しい人でも、親戚や
離れて暮らす家族に迷惑をかけてはいけないという気兼ねから生活
保護を受けていないケースも少なくない。


●そもそも思い返せば、今から8年前、当時、新党さきがけの政審
会長だった菅直人さんから、
「山井君の『体験ルポ 世界の高齢者福祉』(岩波新書)を読んだ。
介護保険について教えてほしい」と声をかけられたのが、私が政治
に初めて接したきっかけであり、私が初めて身近に接した国会議員
が菅直人さんであった。

菅さんに呼ばれて国会議事堂前の衆議院議員会館に初めて訪問。
初めて会った菅さんは、「かわやかで、カッコよく、親しみやすい」
感じだった。国会議員といえば、偉そうで、とっつきにくいという
イメージがあった私には、新鮮なショックであった。

 その後、菅さんが厚生大臣になったとき、介護保険についての
アドバイスを私も多少させてもらった。

「本当に介護保険は必要なのか? 山井君」と、尋ねる菅さんに、
厚生大臣室で私は、

「いま、菅さんが介護保険にストップをかけたら、菅さんは後世か
ら『介護保険をつぶした大臣』として汚名を残しますよ」と詰め寄
った。当時、私は33歳。

介護保険も100点ではないが、今までの措置制度よりは、サービス
の質の向上、サービス量の増加、権利としてのサービスなどの点で
優れていると考えた。

しかし、介護保険は低所得者に厳しい制度なのが問題だ。


◆そんなこんなで民主党から立候補することになった。介護保険を
推進した人間の一人として、介護保険の問題点については、私は非
常に責任を感じている。

だからこそ、民主党の「介護保険をより良くするワーキングチーム」
座長として、今日も介護保険の改善のために取り組んでいる。


■話がわき道にそれたが、25日土曜日は、
午前中は、障害者福祉施設、特別養護老人ホームについての会合。

午後は、城陽市長選挙の会議、

4時から老人保健施設を訪問し、障害者福祉施設の夏祭りに参加。

◆老人保健施設では相談員さんに案内してもらったが、次のような
話であった。

 「入居者は、半年から2年くらい入居している。痴呆性高齢者の
入居者が6割以上だが、終のすみかではない。特別養護老人ホーム
に申し込んでもらうようにしている。長期になる場合には、他の老
人保健施設と行ったり来たりしてもらうケースもある。でも、痴呆
性高齢者には環境の変化が良くないので、本当はあまり施設を変わ
るのはよくないのだけれど」ということだった。

 看護婦長さんも、「痴呆性高齢者の入居者は、自宅復帰は無理な
ので、最後まで面倒みれるようになればよい」と言っておられた。

◆実際、先週には東京で全国老人保健施設協議会の大会があり、
増える痴呆性高齢者をどうするか。最後まで面倒を看るのか、否か、
も一つの課題であった。

●私は、「老人保健施設が痴呆性高齢者にとって、特別養護老人ホ
ームの待合室になっているのはおかしい」と思う。

痴呆性高齢者は、症状が一時的に老人保健施設でやわらぐことはあ
っても、治らないのだから、老人保健施設に望めば最後まで入居で
きるようにすべきだと思う。

ドイツの老人福祉のことわざにも、「老いた木は植えかえるな」と、
環境の変化を避けるべきだという言葉がある。

 ただ、相談員さんは、「痴呆性高齢者が最後まで入居しつづける
と、新しい待っている待機者が入居できない。その結果、待機者が
増えると、痴呆性高齢者の長期入居者にも退去してもらうというこ
とになる」とのことであった。

●ちなみに、私の愛読紙「シルバー新報」8月17日号は、老人保
健施設の特集記事があったが、そのアンケートによると、半年くら
いの短期で退去する入居者が多い老人保健施設と、最後まで入居で
きる「入居期限なし」の老人保健施設の両方の方式が全国にある。


 私は、痴呆性高齢者に関しては、老人保健施設も「終のすみか」
にすべきだと思う。そのほうが、スタッフも働きがいがでるのでは
ないか(一定期間を過ぎれば、また移ってしまう繰り返しよりも)。


 この老人保健施設の玄関には、「老人保健施設では身体拘束
(ヒモでベッドや車いすにお年寄りを縛ったりすること)は行いま
せん」というポスターが貼ってあった。感動した。

しかし、最近の調査では、老人保健施設で骨折事故が増えていると
いう。そして、その原因の1つが、身体拘束を減らすることと関係
があるのではないかと言われている。

その老人保健施設のスタッフは、「身体拘束(抑制)をなくすには、
スタッフの意識改革が必要。さらに、ハードや器具を改善すれば、
身体拘束せずに済むケースもある。でも、今のギリギリのお金の中
では、ハードや器具の改善ができない」と言った。

 確かに、今年度の身体拘束ゼロ作戦の予算は全国で3400万円程
度。身体拘束をなくすマニュアルや研修会の費用が中心だ。

 この担当者が言うように、身体拘束をなくすためのハードや器具
の改善にも予算をつけるべきではないか。

さらに、人員配置を増やす議論も避けては通れない。身体拘束をゼ
ロにすることは現場では本当に大変な取り組みであると思う。

その現場の必死の取り組みを後押しできるように、私たちも国から
後押しせねばならないと思う。

 なお、この身体拘束ゼロ作戦の日本のリーダーである吉岡充先生
が下記の通り京都で講演されます。

私は、過去12年「ぼけ老人をかかえる家族の会」の会員ですし、
吉岡先生のおられる上川病院には昨年、勉強に行かせて頂きました。


◆民主党の両院議員総会に始まり、老人保健施設での身体拘束の
問題まで、今日のメールマガジンはテーマが幅広くなりました。

さらに、私は連日、朝駅前でチラシをまき、

日中は宣伝カーに乗って、城陽市長選挙を控えての政治活動もして
います。相変わらずの毎日です。今日はこれで終わります。
           やまのい和則 拝


■アルツハイマーデー記念講演会
   「ケアの質を問う」
        〜抑制廃止の取り組みから〜
 日時:9月15日(土)13:00〜16:00
 場所:京都アスニー
  (電話075-802-3141、京都市中京区丸太町通り七本松西入る)
   詳しい地図は下記ページからご覧いただけます。
 講師 吉岡 充氏 上川病院理事長
 シンポジウム:「施設から在宅から」
 シンポジスト:吉岡氏・谷口氏 元堀川病院長 
        廣末氏 こぶしの里代表
 会費:無料、予約不要
 主催:呆け老人をかかえる家族の会
http://www.yamanoi.net/grouphome/information/01/010915.htm


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☆やまのい和則の「軽老の国」から「敬老の国」へ第178号☆
    (2001/08/27現在 読者数 1730)

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