やまのい和則の
     「軽老の国」から「敬老の国」へ

            第168号(2001/07/10No.2)

 今日2通目のメールマガジンです。少し書き加えます。

■ 小泉内閣の介護問題への取り組みを知るヒントが、「経済財政
諮問会議」の「 サービス部門における雇用拡大を戦略とする経済
の活性化に関する専門調査会緊急報 、2001年5月11日」。

 ここでは、500万人の雇用創出の中で、介護分野での雇用の創出
を次のように解説しています。少し引用します。

I.雇用創出型の構造改革を
II.500万人の雇用創出による生活の向上と経済の活性化
III.サービス産業雇用創出の例示
6. 高齢者ケアサービス

 高齢化の進展にともなって、高齢者ケアサービスへの需要はます
ます増大しているが、供給体制の整備が遅れている。政府は現在、
特別養護老人ホーム4200ヶ所、老人保健施設2500ヶ所、ケ
アハウス1000ヶ所などを整備・支援し53万人の入所者に施設
型サービスを提供しているが、280万人の要介護者の大半は在宅
介護状態にある。介護保険制度によってヘルパーの支援を受けるこ
とはできるが、家族の負担は大きく、高齢単身世帯ではさらに困難
が多い。

 政府はゴールドプランによって施設サービスの拡充を進めている
が、厳しい財政制約の下では、今後はそれに加えて、ケアサービス
の充実した公設民営型のケアハウスを拡充すべきである。ケアハウ
スは特に施設が相対的に不足している都市部で設置を促進する必要
があり、また、入居者負担の適正化の観点からも公設民営方式を推
進することは重要だが、これを実現するには、PFI制度を活用し
て民間企業が自ら施設の運営を行えるようにすることや施設整備費
補助の対象を拡大することが必要である。

 既存のゴールドプランを踏まえるとこれから5年後に40万人の
サービス雇用増が見込まれるが、それに上記の公設民営型ケアハウ
スで収容人員20万人規模の拡充が実現すれば、さらに10万人の
雇用が必要になる。この他に、民間の施設サービスや介護サービス
を加えれば、高齢者ケアでは、現在の50万人から100万人へと
50万人の雇用増加が期待される。

詳しくは、下記ページをご覧下さい。
http://www5.cao.go.jp/shimon/2001/0511koyou-houkoku.html


◆これについての私の感想は、「なんら目新しいものではない」と
いうことです。

今まで通り一歩一歩介護保険のサービスを整備すれば雇用が増える
というは当たり前の話です。

さらに、公設民営のケアハウスが目玉のようですが、それで、ケア
ハウスが一気に増えるものでもありません。

 要は、特別養護老人ホームもグループホームも全く足りない現状
で、それに対する施設整備費を増やし、介護報酬を大幅にアップさ
せるというならば、特別養護老人ホームやグループホームが大幅に
増え、その不足も解消され、当然、雇用も多く創出されるでしょう。

そのような、今まで以上に踏み込んだ取り組みなくして、ただ単に
公設民営のケアハウスを増やせば、介護不安がやわらぎ、雇用も創
出されるという政策は、私は全く賛成できません。

 民間活力を最大限活用するのが小泉流のようですが、介護の分野
はそんな簡単なものではありません。

たとえば、民間企業のナーシングホームが8割を占めるアメリカに、
私の知人がこのたび調査に行きました。ナーシングホームの質のチ
ェック、そのためのオンブズマンの調査に行ったのですが、結論は、
お金持ちは豪華なナーシングホームに入居、貧しい人は質の低いナ
ーシングホームに入居。

でも、劣悪なナーシングホームにはオンブズマンも入れないところ
もあり、質の確保は非常に難しい状況であるという話でした。

◆このメールマガジンの読者の皆さんもご存知かと思いますが、介
護サービスは労働集約サービスです.

効率化は、人手を減らすことと介護職員の賃金の下げることくらい
しか方法がなく、それは確実にサービスの質の低下を招きます。

◆小手先の民活で介護問題を乗り切ろうとするよりも、無駄な公共
事業を減らし、特別養護老人ホームやグループホームなどの整備に
大胆に公費を投入し、グループホームやケアマネージャーなどの介
護報酬も早急に上げる。それによって、お年寄りのたらし回しが減
れば、介護保険料は必ずしも高くつきません。

 そのような改革こそが必要だと私は考えます。

 このあたりの点は、臨時国会で9月から議論することになるので
すが、それ以前に、参議院選挙で自民党が大勝すれば、介護問題へ
の取り組みは進むはずがありません。
 
■次に、7月9日(月)晩の集会の追加報告。

枝野幸男衆議院議員を迎えての講演会。
福山哲郎さん、前原誠司さん、松井こうじさんもパネルディスカッ
ションに参加。700人くらいの大盛況。

福山さんは、京都議定書についての小泉内閣の消極的な姿勢を厳し
く批判!

真っ黒に日焼けした松井こうじさんが、連日の必死の訴えをされた。
 
◆あさって(12日)からの参議院選挙。
28日までの17日間は私の事務所も大忙しです。

私も選挙カーに乗ったり、事務所で電話かけをしたり、演説会で応
援演説をしたりと、事務所を拠点に走り回ります。

10万枚のチラシに証紙というシールを貼る膨大な作業もあります。
ひとりでも多くの方々に1日でもいいですので、お手伝い頂ければ
有難いです。

 京都駅から奈良方面に急行で20分。近鉄大久保駅から徒歩7分。
スーパーイズミヤの前(旧国道24号線沿い)の事務所です。
のぞきに来て頂ければ幸いです。

 暑いですが、皆さん、お身体ご自愛ください。合掌 
           やまのい和則 拝

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☆やまのい和則の「軽老の国」から「敬老の国」へ☆
    (2001/07/10現在 読者数 1640)

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