やまのい和則の
     「軽老の国」から「敬老の国」へ

            第169号(2001/07/11)

 メールマガジンの読者の皆さん、こんにちは。日に日に政治的に
熱い時期となってきました。

さて、今回のメールマガジンでは、この1年間、私が国会議員として、
福祉の充実のために仕事をして、日本の福祉が向上しない、日本の景
気が一向に回復しない、諸悪の根源について書いてみたいと思います。
固い内容ですが、お許しください。

 この1年で感じた問題点を一言で言えば、国会議員が国会議員として
の仕事をしていない!ということです。

◆皆さん、そもそも国会議員の仕事って何でしょうか?

 20世紀の政治においては、自分の選挙区に多くの公共事業を引
っ張ること。これが、良い国会議員の仕事と錯覚されていたのでは
ないでしょうか。いわば国会は、そのような「地元への予算ぶんど
り」の場だったのです。

 極端な言い方をすれば、国のことや、国の未来なんか、どうでも
よい。国が破産しようが関係ない。

とにかく、自分の選挙区に一銭でも多くの公共事業の予算や補助金
をつけ、それによって、次の選挙の当選につなげる。

これが多くの国会議員(特に与党)の仕事であったと思う。実際、
与党の大物国会議員の選挙区の一人あたりの公共投資の額は、他よ
りも数倍多いのはご存知の通りである。

◆これも経済が右肩上がりで、財政が豊かなうちはまだ許せたかも
しれない。

しかし、財政が厳しくなり、国債を乱発してまで、自分の選挙区に
公共事業を引っ張ってくるようになると、少し異常ではないか。

◆今の日本は子どものキャッシュカードから666兆円も借金して、
自分の当選のために、公共事業を自分の選挙区に引っ張ってきたと
言えるのではないか。

◆その問題の根本は、中央集権、つまり、多くの財源を中央が持ち、
地方自治体に自主財源が少ないという点にある。だから、地方自治
体は与党の国会議員に頭を下げ、国からお金をもらおうとする。

少ない自己負担で、国の財源負担でできるものだから、地方自治体
の自己負担でなら絶対につくらないような無駄な公共事業も行う。

◆国会議員がそのバラマキの公共事業の片棒をかつぎ、自分の選挙
を有利に進める。

◆みんな薄々、「こんなことをしていたら、国がつぶれる」ことに
気づいている。

実際、情報化時代、国際化時代なのに、日本は旧態依然とした政治
を続けていたため、日本は戦後最悪の失業率になり、国際競争力も
1991年の世界一から、今年4月には26位まで転落した。

◆解決策は簡単だ。月並みな言い方だが、国と地方の借金をこれ以
上増やさないために、歳出を切り詰める。

■民主党は5年間で3割の公共事業の削減を訴えている。同時に、
地方分権を徹底し、財源を国から地方自治体に大胆に移し、地方自
治体の自主財源を増やす。

■そして、地方自治体が自分たちの判断で、自分たちに必要な公共
事業をするようにする。そうすれば、国会議員は地方自治体から国
への口利きをすることも減る。地方自治体の市長さんや町長さんも、
中央官庁や国会に陳情に来る必要も減る。

◆そして、国会議員は、自分の選挙区への公共事業の口利き役、
パイプ役という仕事が減った分、日本全体の雇用をどう増やすか、
教育をどうするか、環境問題をどうするか、老後の安心をどう高め
るか、などの政策を立法する。

◆私は自分の選挙区を豊かにすることも、もちろん、国会議員の仕
事だと思う。

しかし、今の中央集権の現状のままで、中央からの補助金などを引
っ張ってくることが国会議員のメインの仕事になってしまっている
現状は明らかに行き過ぎだと言いたいのだ。

■繰り返しになるが、地方自治体の自主財源を増やし、国の役割を
減らし、国会議員が日本の未来について真剣に考え、行動する。

間違っても、「自分の選挙区に公共事業さえ引っ張ってきて、自分
が選挙に連続当選できたら、日本はどうなってもいい」というよう
な無責任な考えは持たないこと。

そして逆に、「俺の選挙区も我慢するから、お前の選挙区も少し公
共事業を我慢してよ」と、みんなが痛みを分かち合う改革こそがい
ま必要なのだ。

●そして、急務である雇用の確保や老後の安心のためには、もっと
財源を優先配分する。

■小泉首相もいま改革を訴え、多少似た考えを持っていると思う(た
だし、雇用や福祉には関心は無さそうで、行き過ぎた民営化路線に
は賛成しかねるが・・・)。

しかし、今まで公共事業を食い物にしてきた国会議員に囲まれてい
るから、小泉改革は無理であろう。

◆今回の参議院選挙で、小泉人気によって、表面だけ改革したふり
をした自民党が勝てば、このメールマガジンで書いたような改革は
全く行われないだろう。

◆まだまだ私たち民主党には実績はないが、利権やしがらみが自民
党に比べて、はるかに少ない民主党への政権交代がなければ、日本
の未来はないと私は思う。

●いま京都の民主党の政治家を見てみると、
・無駄な公共事業の削減を訴える前原誠司衆議院議員、
・障害者にやさしいバリアフリーのまちづくりを推進する玉置一弥
 衆議院議員、
・京都議定書などの環境問題に力を入れる福山哲郎参議院議員、
・そして、福祉をライフワークとする私。

●まさに私たちは、20世紀型の利益誘導の政治とは、逆方向の考え
 方である。

▲でも、悲しいかな、選挙では、「この選挙区に公共事業を引っ張
ってきます。国の予算をつけます!」と、演説する政治家のほうが
強かったりする。

▲確かに、総論賛成、各論反対で、「ばらまきの公共事業は良くな
いが、自分の選挙区だけは、与党の国会議員を持って、予算を増や
して欲しい」という考えが多い。 

●しかし、私たちはこのような政治をいつまで続けるのか。

この10年の日本の景気の低迷を見れば、こんな政治を続けていけ
ば、日本の国はつぶれてしまうことは明らかである。

●「自分の地域だけ良ければ」という考えでなく、
「日本の国全体がよくならなければ、自分の住んでいる地域も良く
ならない」という発想に転換しなければ、この国は立ち直れない。

◆このような国を憂うる思いを共有する同志「松井こうじさん」と
共に、私は精一杯、思いを訴えつづけたいと思う。
           やまのい和則 拝

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☆やまのい和則の「軽老の国」から「敬老の国」へ☆
    (2001/07/11現在 読者数 1644)

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