やまのい和則の
     「軽老の国」から「敬老の国」へ

            第153号(2001/06/10)

 メールマガジンの読者の皆さん、こんにちは。
今日は京都南部2ヶ所で行った松井孝治さんを招いてのシンポジウ
ムの報告と、昨日9日に訪問した精神病院のことをご報告します。

■6月10日(日)
 朝からやまのい事務所で午後の集会の300部の資料の準備、た
れ幕などの準備を行いました。やまのい事務所スタッフ以外に、学
生などのボランティアも5人、朝から手伝いに来て下さいました。

 さらに、明朝の駅でのチラシまきのために、チラシを作成し、午
後の会合をしてデジカメで撮ればすぐにチラシになるように準備。

 京田辺市の会合は70人。宇治市の会合は200人が参加。

「マスコミが小泉さんや田中真紀子さんを美化して、いいところだ
けしか報道しない」と福山哲郎参議院議員は、批判。

「利権だらけの自民党に改革ができるはずがない。小泉さんは自民
党よりも民主党に近い」と玉置一弥衆議院議員は、発言。

「選挙区のことや選挙のことだけに必死になり、国のことは役人任
せ、という自民党に改革はできない」と私は、言いました。

◆そして、主人公の松井孝治さんは、「17年間、通産省に勤め、自
民党任せでは改革ができないことを痛感した。業界の代弁者の族議
員と、役所の利益を守る官僚では、改革ができない。だから、家族
の反対を押し切って、通産省を辞めて、人生を賭けて政治の世界に
飛び込んだ」と訴えた。

 松井さんの人生を賭けての思いは、さすがに松井ファンを一気に
増やしています。

◆夕方、シンポジウムが終わってから、早速、あす朝に駅で配るチ
ラシをコンピューターで作成。デジカメで集会の写真を取り込む。
800枚を輪転機で印刷、ボランティアさんに手伝ってもらい折る。
本当にお金もない、質素な事務所であるが、温かいボランティアさ
んに囲まれ、嬉しい。チラシを印刷してくれた学生さんの中も、実
はこのメールマガジンが縁でボランティアとなってくれた。

◆今年から勤めてくれた女性スタッフと話す。
「これから選挙で忙しくなるんですよねえ。私、選挙初めてなんで
す」という彼女に私は、「選挙はとにかく忙しい。大変。でもねえ、
俺たちの誇りは、一銭の金儲けにもならない、いや、身銭を切って
ボランティアで素晴らしい候補者を応援して、世の中をよくすると
いう充実感だ」と言った。

 さて、このメールマガジンではあまり選挙臭いことは書かないよ
うにしているのだが、少し選挙臭くなったので、昨日の精神病院訪
問の報告をします。
 
■6月9日(土)
 午後、地元の介護者家族の会の方々40人と共に、精神病院の新
病棟を見学に行った。

◆私は、日本の国はもっと一般医療並みに精神医療に力を入れるべ
き(予算も医師や看護婦などの人員配置も)だと常々思っている。

 まず、みんなと集合して、顔なじみの介護者家族の会の中で、か
なり弱っておられる介護者がおられることが心配になった。長年の
介護でやつれておられるのだ。

 この精神病院は、2001年4月に新病棟がオープン。最初に訪
れたのは、老人性痴呆疾患治療病棟。四人部屋が12、個室が6。
医療保険適用で、自己負担は月13-14万円。四人部屋には、洗
面所がついている。和風の四人部屋で一人に1つテレビあり。トイ
レは廊下の向かいにある。作業療法士や精神保健福祉士もいる。

 3ヶ月をめどに退院するそうだが、自宅復帰は難しいそうだ。老
人保健施設、特別養護老人ホームやこの精神病院の他の病棟に移る
人などさまざまだが、家にはなかなか帰れないという。歩ける痴呆
性高齢者がほとんどで、この病院の診療を受けていないとこの病棟
には入院できない。

 その間、この病棟では、機能回復訓練をする。たとえば、話し相
手がいないお年寄りにはお話をする。近所に菜園があり、そこで一
緒に菜園の手入れしたりする。足腰弱っている人には、歩く訓練。
しかし、3ヶ月ですぐ効果があがるのは難しいという。

 知人の介護スタッフに廊下で出会った。
「腰を痛めないように」と言うと、「すでに痛めてますよ」と彼は
苦笑い。でも、若いスタッフの優しい姿に感動。気がつけば、私た
ちと一緒に入院中の痴呆性高齢者もいっしょに見学し、担当者の話
にうなずいている。

 「厚生労働省が3ヶ月経つと、病院に支払う診療報酬を減らすと
いう制度にしているから、行き場所がない痴呆性高齢者も3ヶ月で
退院させねばならない。この制度は何とかなりませんか」と、担当
者から言われた。

 「他で受けてくれない激しい痴呆性高齢者が大変。うちの病院が
看ないと仕方ない。暴力的な方はどこの施設でもとってくれない。
そのような人は、別の病棟の精神科急性期治療病棟に入院してもら
う」とのことであった。

 同じ敷地にあるもう1つの新しい病棟も見学した。ここは、介護
療養型医療施設で、長期療養を目的としている。自己負担は月10
−12万円くらい。介護保険適用。要介護1−5で自己負担が少し
違う。寝たきりの方でも入所できる。逆に、開放病棟なので痴呆で
活動的な人は入所が難しい。大人しい痴呆性高齢者ならオーケーと
のこと。さらに、医療において安定した方に限るという。

 四人部屋が14室、個室が4室。個室は1日5000円、月15
万円の個室料が上乗せとなる。この病棟は50人待ち。ただし、退
去したお年寄りと症状が似た人なら早く入れる場合もあるから、今
申し込んだら51番目ということはならないそうだ。

 ただし、長期療養といっても、この病棟では、最後までは看られ
ないという方針。だから、家族と相談して、この病棟に入所時に、
必ず特別養護老人ホームなどに申し込んでもらうことにしていると
いう。

 この精神病院は敷地内に、グループホームや福祉ホームも職員寮
を改築して、若年の精神障害者のためにつくろうとしている。

 以上、取り急ぎ報告しました。
選挙で忙しい毎日ですが、介護者の方々とお目にかかって生の声を
聞いたり、現場を歩くといろいろと勉強になります。

 明日6月11日(月)
 朝10時から、衆議院厚生労働委員会でハンセン病の元患者で訴
訟の原告の方々の意見を聞きます。
           やまのい和則 拝

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