やまのい和則の 「軽老の国」から「敬老の国」へ 第127号(2001/04/22) メールマガジンの読者の皆さん、こんにちは。 いま、ホームレスの現地調査に東京の上野公園や山谷(さんや)に 行ったあと、飛び乗った京都行きの新幹線の中です。 ここ2日間の報告と、4月24日(火曜日)痴呆性高齢者向けグ ループホームの勉強会のお知らせです。 自民党の総裁選挙中なので、民主党議員は遊んでいると思われる かもしれませんが、なかなか忙しく動いています。 4月19日(木) 朝8時から民主党の総務部会。電気通信事業法などについて、総 務省からヒヤリング。私は、連休明けに、この法案や情報バリアフ リー法案について委員会質問することになるので、猛勉強中である。 このようにメールマガジンを駆使しているが、ITそのものは苦手 だ。 時間が重なって8時半から9時半までは、厚生労働部会で、厚生労働 省関係の公益法人の報告を厚生労働省の担当者から聞く。 また、時間が重なっている福祉のまちづくりワーキングチームの会 合に、走って駆けつける。玉置一弥衆議院議員が座長で、今日は国 土交通省から交通バリアフリーの進捗状況の報告を受ける。 私の長年の親友で、一緒に京都の駅のバリアフリーチェックをした 今福義明さんも電動車いすで出席。 10時から11時までは、医療制度ワーキングチーム。 医療制度改革について健康保険組合連合会の下村副会長などから、 改革案(いかに老人医療費を抑制するか)について話を聞く。 昼食は若手議員との勉強会。 1時から衆議院本会議。地球温暖化の京都議定書についての決議。 10分で終わる。 1時半からは、国内人権委員会ワーキングチーム。部落開放同盟の 組坂委員長から、「部落差別の現状」について話を聞く。結婚、就 職などの差別が根強い実態を聞き、改めてショックを受ける。 私は学生時代から同和問題のゼミに入り、この問題に関心を持ち続 けているが「差別のない12世紀」をつくるためにも、もっと力を 入れねばならない問題だ。 3時からは、組織委員会で参議院選挙についての会議。 4時半に国会を出て、6時に鎌倉着。NPO問題に取り組んでいる、 民主党公認の市会議員の選挙応援だ。11時半に議員宿舎に戻る。 4月20日(金) 9時から民主党の厚生労働部会で、予防接種法の改正法案につい ての勉強会。金田誠一議員、桜井充参議院議員、水島広子議員、 家西悟議員、私。講師は、インフルエンザに詳しい医師。 この法案は、高齢者にインフルエンザの予防接種を公費(自己負 担無料)でするという法案。連休明けに厚生労働委員会で議論され る。その賛否を議論しているのだ。今のところ、医師である桜井さ ん、水島さん、今井澄さんが賛成。私と家西さんが反対。 要は、インフルエンザの予防接種をすれば、死亡率が減るので、 高齢者のうち希望者が予防接種を受けるときは、無料で公費負担に するという法案だ。 今日のお医者さん(大学教授)の話でも、確かに死亡率減少に多 少の効果はあるようだ。しかし、私は以下の理由で慎重派なのだ。 * 予防接種で高齢者のインフルエンザによる死亡率が下がること について、研究者の中にも「効果はない」という声がある。 * 高齢者のうち何割の人が希望して予防接種を受けるかはわから ないが、年間500億ー1000億くらいの費用が必要。 * しかし、これは国の費用でなく、地方自治体の全額負担になる。 私は次のように主張した。 「年に500億も1000億も使ったら、死亡率が低下するのは当然だ。 しかし、政治である以上、国民の大切なお金を使う以上、費用対効 果を考えるべきだ。 たとえば、特別養護老人ホームでは、四人部屋はインフルエンザ感 染しやすく、個室の特別養護老人ホームよりも、死亡率が高いとい うデーターがある。雑居部屋を個室に改築する補助金を出しても インフルエンザによる死亡率は下げられる。 さらに、年に500-1000億もあれば、痴呆性高齢者向けグループホ ームも3万人分くらい増やせる。 また、ホームレス対策に投じれば、それこそ多くの人の命を救うこ とができる。 年に500億-1000億なんて予算は、ちょっとやそっとではとれない。 たとえば、介護保険施設での身体拘束ゼロ作戦の今年度予算はたっ た4100万円。『少なすぎる』いくら叫んでも増えない。 グループホームの夜勤手当も出ない。新たに予算をつけるのは大変 だ。 にもかかわらず、インフルエンザの予防接種にだけ、こんな高額な 予算がそれも自治体負担でつくというのはおかしい。 同じ予算を使うなら、もっと費用対効果の高い使い方、つまり、 同じ年間500-1000億でもっと多くの人々の命を救う方法はある」 私が疑問に思うのは、弱い立場の人間がいくら福祉予算の増額を 叫んでも予算がつかないのに、なぜ、今回の巨額の出費はスイスイ と国会を通ろうとしているのかということだ。 10時から正午までは、民主党の両院議員懇談会。170人の全議員 が集り、鳩山さんや菅さんが質問に答える。10数人が質問。ほと んどが1年生議員の質問。私は、以下のような要望をした。 「今まで厚生労働部会でも主張していますが、委員会に一般質疑が なさすぎる。法案質疑だけでは、タイムリーな問題が委員会で議論 できない」。 このことはこのメールマガジンでも私は何度も書いている。 「出てきた法案について勉強し、国会で質問するだけでは国会の意 味はない。法案に関係ないことでも、自分たちで問題を提起し、大 臣に質問でぶつけていくことをしないと、国会の存在意義が無い」 などと発言した。 あとで、元出雲市長の岩國哲人議員が、「山井君の言うとおりだ。 法案審議だけだったら、役人の下請けに国会がなってしまう」と言 って下さった。 3分でサンドイッチを食べ、バスでホームレス視察に出発。 鍵田議員、石毛議員、金田議員、井上和雄議員、私、そして、秘書 の秋山愛子さんや海野仁志君、民主党のスタッフの方など18人。 バスの中で、東京都の福祉部長さんからレクチャーを受ける。 ホームレスは東京都に5700人。年々急増している。50-64歳の男性 がほとんど。7割の人が就労を希望している。65歳以上だと生活保 護を受けられるので、65歳を越えるとホームレスの人は減る。 以下、ホームレスの現地調査については長くなりますので、すみ ませんが、次号に「つづく」とさせて頂きます。ご期待ください。 最後に、1つ連絡があります。グループホームの勉強会です。 日時:4月24日(火曜日)朝8時ー9時まで。 場所:衆議院第一議員会館の1階第3会議室 名称:民主党の介護保険ワーキングチーム(私が座長) テーマ:痴呆性高齢者向けグループホーム 内容:痴呆性高齢者向けグループホーム現場からのヒヤリング 厚生労働省のグループホーム担当者からのヒヤリング 民主党向けの政策勉強会ですが、傍聴は可能です。 ご希望の方は、メール( tokyo@yamanoi.net )か、 やまのい国会事務所電話03-3508-7240まで事前にお申し込み下さ い。傍聴方法をお教えします。 やまのい和則 拝
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