やまのい和則の
     「軽老の国」から「敬老の国」へ


            第126号(2001/04/18)


 メールマガジンの読者の皆さん、こんにちは。数日のご無沙汰お
許し下さい。
前回のメールマガジンでも書いたように、右肩が痛く、パソコンが
あまり打てません。今まで長文のメールマガジンを書いて、皆さん
に迷惑をかけていたバチが当たったのだと思います。

 「山井さんのカバンが重過ぎるから、肩を壊した」とよく笑われ
ます。確かに、B5のパソコン、さらに、バッテリー、コンセント
などを持ち歩き、それ以外にも本を数冊、資料を一杯カバンに詰め
ているのですから。

昨日、同じようにメールマガジンを発行している、中村哲治衆議院
議員のカバンを持ってみた。彼のカバンにもパソコンが入っていて、
非常に重かった。要は、「IT生活(モバイル生活)の実践は、肉
体労働である」ということを改めて痛感しました。

 さて、その右肩の痛み(「しじゅう肩」ではなく、「三十九肩」
と笑われている)をこらえ、左手中心でメールマガジンを打ちます。
久しぶりに打つので、書きたいことがたくさんあります。バッテリ
ーが続く限り打ちます。


 4月18日(水)
 さて、今は、4月18日(水)午後8時。
新幹線で京都から東京に戻るところ。今日から過去に振り返ります。

 朝6時50分起床。
8時から9時まで民主党の厚生労働部会。
「企業年金法案」、「長期休暇法案」、「子供に良質な保育を提供す
る法案」などについて議論。


「企業年金法案」については、5月14日(月)から再開すると予想
される厚生労働委員会で、私も質問に立つ予定。毎週、2,3度年
金法案の勉強会に出ているが、本当に難しい。必死で勉強中。

私は「福祉の山井」を自認する以上、「介護」だけではだめなので、
年金や医療についても勉強中だ。


「子供に良質な保育を提供する法案」は、小宮山洋子参議院議員と
水島広子衆議院議員が中心。
無認可の悪質保育所を如何に取り締まるかに重点が置かれている。


「長期休暇法案」は、9日の長期休暇をとれるようにする法案で、
枝野議員と細野豪志議員の提案。

「不景気な今日、休暇を増やす法案を出すのは経営者から反発を受
ける」と反対意見も強かったが、私は、「人間らしくゆとりをもっ
て働く、という視点が今の日本に一番欠けている」と訴え賛成した。


 それにしても、自民党の総裁選はひどい。国会が1ヶ月空転して
しまう。

読者の皆さんは、テレビで総裁選の報道を見ておられると思うが、
国会の中から見れば、これはゆゆしき問題だ。
国会が1ヶ月ストップするのだから。そのことを説明したい。

 前回のメールマガジンでも書いたが、総裁選がスタートした4月
13日から、衆議院の本会議や各種委員会は、ほとんどみんなスト
ップしている。

自民党議員が予備選挙の運動で、地元に帰って、国会に出てこない
からだ。

 その結果どういうことになるか。

 4月26日(木)に総裁が決定、4月27日か連休明けの5月7日
に首班指名で首相が決まる。
それから内閣改造で新大臣が決まる。
そして、また所信表明演説。
それに対する代表質問。

委員会で法案審議が始まるのは5月14日の週から。

このように1ヶ月も国会が空転しても、会期末の6月25日は動か
せない。7月29日に参議院選挙があるから。


 さらに、法案は、衆議院と参議院の両方を通さないとダメなので、
6月に入ってから衆議院で法案を通しても、参議院で通す時間がな
いので、衆議院での法案審議は、5月末か6月上旬で終わり。

つまり、5月14日に厚生労働委員会が、再開し、実質2,3週間し
か審議できない。
おまけに、委員会の定例日は週に2日なので、今後、この通常国会
では、合計4〜6日しか法案審議ができないのだ。

 しかし、私の属する総務委員会と、厚生労働委員会では、法案が
10本以上も、まだ残っている。
だから、この通常国会では、残るすべての法案を通せないので、
優先してどの法案だけ通そうか、という議論が始まっている。


しかし、法案は1つ1つ必要性、緊急性があるから審議しているの
であり、成立が遅れると国民生活や経済に多大な悪影響を及ぼす。

たとえば、情報通信関連の法案も成立が遅れれば、国際競争に立ち
遅れてしまう。


 議員になって9ヶ月。いかに日本の国会が機能していないかを痛
感している。

「こんな国会じゃ、いくら一人一人の国民が、あくせく汗水垂らし
て働いても、日本の経済も落ち込むのだ。肝心の国会が内輪もめで
遊んでるんだから」と感じる。

でも、こんな情けない政治を許しているのも有権者である。
是非、今年、政権交代を果たしたい。


 でも、本当にそうでしょ。

1月31日の通常国会からは、新しい坂口力厚生労働大臣と、片山
虎之助総務大臣が実質上、仕事をし始め、3月から本格的に委員会
での議論が始まって1ヶ月あまりで、国会は空転。

もし、4月末の内閣改造で、また大臣が変わったら、私はもう怒り
狂います。

おまけに、参議院選挙があるので、8月には内閣改造で、また新し
い大臣。
昨年7月から1年に3人も大臣が変わったら、国会でしっかり議論
できるはずないでしょう。


 大臣は会社で言えば、社長。
社長が1年に3回も変わる会社が倒産しないはずがありません。
「大臣の椅子をたらいまわししたほうが、選挙に有利」という考え
はもうやめてほしい。


 私のメールマガジンの読者は、おそらく、福祉関係者が多いと思
いますが、私は議員になって9ヶ月。
痛感するのは、福祉以前の問題。

「国会で福祉の議論を力いっぱいずるぞ!」と私は、必死になって
選挙を戦い、国会にたどりついた。が、国会は落ち着いて福祉の議
論などするところでなく、権力闘争、自民党の派閥争いの場。

これじゃあ、福祉も良くならないし、景気も良くなりません。

 政権交代し、首相は、選挙の間(任期期間)は3,4年変えない、
大臣も変えない、という形で腰をすえて、大きな改革を断行しない
と、本当に、日本の国は、つぶれます。


 さて、話は高齢者福祉に移ります。
国会、つまり、委員会や衆議院本会議が、ストップしている間にも、
私たち民主党は、懸命に政策の勉強や、5月の来たるべき委員会で
の法案への質問の勉強に励んでいます。


 9時までの厚生労働部会の次は、民主党の介護保険ワーキングチ
ームの会合。
私が座長で、中村哲治議員が事務局長。今日は、中村議員の代理で
阪田朋子政策秘書が参加して下さった。


 今日のテーマは、介護保険施設(特別養護老人ホーム、老人保健
施設、療養型病床)の現状と今後のあり方。
厚生労働省の貝谷介護保険課長をはじめ、5人の担当者からヒヤリ
ングと議論。

 私は、「厚生労働省が考えておられる『新設の特別養護老人ホー
ムの全室個室化』は、是非、推進してほしい」と発言した。

これについては、個室化のかわりに、住居費4〜5万が、自己負担
に上乗せされるので、特別養護老人ホームの自己負担が月10〜12
万くらいになると予想される。
そのため、住宅補助や住宅手当を制度化し、低所得者でも特別養護
老人ホームに入れるようにする必要がある。

 民主党議員からは、
「グループホームをもっと推進すべき」
「特別養護老人ホーム、老人保健施設、療養型病床の一元化はどう
するのか、役割分担は」などという意見や質問が出た。

詳しくはキリがないので報告できないが、介護保険1年で、
「介護保険施設の実態調査(A4で4ページ)」が厚生労働省から
今日発表された(4月19日の朝刊に載ると思う)。

関心のある方は、FAX番号を明記をうえ、私にメールを
yamanoi@yamanoi.net ください。FAXで送ります。

 10時からは議員の定期健康診断。
医務室に行くと、私の前が、自民党の馳(はせ)浩議員(プロレス
ラー)。筋肉りゅうりゅう。
「馳先生は健康そうですね。健康診断は大丈夫でしょう」と尋ねる
と、「まあ、心が不健康ですから」と笑っておられた。
その前は、自民党の山崎拓議員。総裁選挙で大変な時期に健康診断
とは余裕だなと思った。

 私は、少し太ってきた。「カロリーが高いので、好物のアイスク
リームは控えるように」と言われた。 30分で終わる。

急いで、医療事故のワーキングチームへ。日本医師会の方から、
医療事故防止の取り組みについて、ヒヤリングと議論。

12時からは事務所で海野秘書と打ち合わせをしながら昼食。
1時からは、スウェーデンの新聞dagens nyheterの取材。民主党の
政権構想について。
私の秘書、浅野明子さんがスウェーデン語を話せるので、記者のdisa
さんを国会に案内。


 1時半にタクシーに飛び乗り、東(ひがし)君と共に東京駅へ。
東君は元やまのい事務所スタッフだったが、このたび、菅直人幹事長
の随行秘書として採用が決まり、その挨拶に来てくれた。

「菅さんの随行秘書になれば、みんながペコペコしてくれるが、
それで勘違いで偉そうにするな」
「口が固い東と言われるようになれ。ペラペラと情報を流すと信用
されないぞ」と偉そうにアドバイス。がんばってほしい。

 ちなみに、鳩山由紀夫代表の随行秘書の宮田康則君も元やまのい
事務所のスタッフであった。

民主党の両幹部の随行秘書が、ともにやまのい事務所出身というの
は光栄だ。自分の事務所出身の同志が、活躍する姿を見るのは何よ
りも嬉しい。


 2時の新幹線で京都へ。4時半から会合で挨拶。民主党への支援
を訴える。
そのあと、1時間半、京都事務所の宮地君、須永君と「松井孝治さ
んを応援する」打ち合わせ。

6時から7時まで、さきほど挨拶した会合の懇親会。
酒をつぎながら、「松井孝治さん支援」のお願いをしてまわる。

 そのあいだ、ホテルのフロントに頼み込んで、このパソコンのバ
ッテリーを充電。
7時10分の新幹線で今、再び、東京に向かっています。

 また、9時半から東京で参議院選挙の打ち合わせの会議がある。


 このようなメールマガジンを書くと、
「山井は、選挙のことばかり」とお叱りを受けるかもしれない。

確かに、私が大学講師を辞めて、政治活動を志した5年前、多くの
仲間から叱られた。
「汚い政治なんか、やめとき。山井さんは、福祉研究者が似合って
いる」と言われた。

 確かに議員になって福祉現場から遠ざかるのが悲しい。しかし、
今日のメールマガジンにも書いたように、「福祉を良くするには、
しっかり福祉が議論できる国会に変える必要がある」という確信を
私は持っている。


 もうすぐ新幹線は東京駅に着くので、メールマガジンもひとまず
ここで終わります。
過去数日の報告は後日書きます。

 名古屋を過ぎて予想通りバッテリーが切れたので、40分間は新
幹線の洗面所にコンセントをつないで、ずっと立ったままパソコン
を打ちました。
こんなことだから、肩が痛むのです。でも、バッテリーが切れたら
、この方法しかないのです。やはり、モバイル生活は重労働と改め
て痛感。
 これからも宜しくお願い申し上げます。
                  やまのい和則 拝


追伸:
3月30日の厚生労働委員会質問、「グループホームの夜勤問題につ
いて」の議事録が出来上がりました。ホームページ
(http://member.nifty.ne.jp/yamanoi/gijiroku/kokkai/010330.htm)
に載せましたので、良かったら見てください。
グループホームのあり方について、非常に激しい論争になりました。

☆やまのい和則の「軽老の国」から「敬老の国」へ☆
    (2001/04/18現在 読者数 1282)


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