やまのい和則の
     「軽老の国」から「敬老の国」へ


            第125号(2001/04/12)


 メールマガジンの読者の皆さん、こんばんは。今日は、情けない
国会の現状を報告します。

 今は4月12日(木)午前1時。もう寝ようと思ったのですが、
メールマガジンで怒りを発散しないと眠れそうにないので、手短に
今日の報告を書きます。

 昨日のメールマガジンで、「しじゅう肩」で右肩があがらなくな
ったと書いたら、事務所のスタッフから、「それはパソコンの打ち
すぎじゃなくて、重いかばんの持ちすぎ」と言われた。

確かに、愛用のIBMのB5のTHINK PADパソコンにバッテリー、
コンセント、さらにザウルス、そして、本や資料の山を入れて、い
つも歩いている。

“国会一、かばんが重い議員”と呼ばれている。

ITも結局は、肉体労働である。しかし、このようにパソコンを持
ち歩いているから、メールマガジンをどこででも空いた時間に発行
できる。


 さて、今日(11日)は朝8時から若手議員の勉強会に顔を出し
て、すぐに民主党の厚生労働部会に出席。

そこで、大きなショックがあった。

 今後の、衆議院厚生労働委員会の、日程についてだ。

このメールマガジンでも何度も書いたが、この通常国会では法案審
議ばかりで一般質疑がほとんどないので、介護保険から1年経って
も、その介護保険についての総括の質問ができない。

そこで、私はかねてから一般質疑をすべきだと主張し、衆議院厚生
労働委員会の理事である民主党の先輩議員も、その方向で、自民党
と委員会日程を協議して下さっていた。

そして、念願の一般質疑が来週火曜日17日と決まったというのだ。

しかし、しかしである。

自民党の総裁選挙が始まったため、明日以降の委員会は、ほとんど
ストップする見通しだという。

「山井さん、せっかく来週に一般質疑が決まったんですが、総裁選
挙のため、来週は審議がなしになるでしょう」と先輩議員に言われ、
私は、大きなショックを受けた。


 さらに、このメールマガジンでも書いたように企業年金法案を、
いま、厚生労働委員会で私たちは議論しており、私は、この法案の
担当なので、必死で勉強をし始めているところだ。

来週にも、私が質問することになっていた。

 しかし、これも総裁選挙で、首相も変わり、大臣も変わるかもし
れないので、審議はストップらしい。

「では、いつまで企業年金法案の審議が、延期されるんですか?
私は、次、いつ質問するのですか」と、先輩議員に尋ねた。

「来週は委員会はおそらく止まる。26日に自民党の総裁が決まっ
ても、26日、27日は、所信表明演説などだけで、終わるだろう。
すると、連休に入り、谷間の5月1日、2日も国会は事実上休みで、
国会が再開するのが5月8日火曜日くらい。でも、厚生労働委員会
が動き出すのは、5月15日くらいでしょう」とのこと。


 今日が4月11日なので、なんと、ほぼ1か月間、国会は事実上
ストップするのだ。

こんなことでいいのか?

景気対策や雇用対策、構造改革など待ったナシの今日、総裁選挙で、
1ヶ月の政治空白。

この国の景気が回復しないはずだ。国会が機能していない。


 民主党の厚生労働部会で、ホームレスについて議員立法の法案に
ついて、鍵田節哉議員と私が説明。

日本の歴史上初の、ホームレスについての法案を、民主党が提案す
るのだ。ホームレスの方々の自立を支援する内容で、仕事のあっせ
ん、住居の確保、医療を受ける権利などを、明記するものだ。

 10時から医療事故についての研究会に参加。 
 11時からは朝日新聞社の取材。

「国会議員になって一番驚いたことは?」という質問に、

「国会の委員会がしばしばストップして、休みが非常に多いこと。
あきれています。こんな休んでばかりいたら、一般企業なら、とっ
くに倒産ですよ」と答えた。


 午後1時から衆議院の厚生労働委員会。
企業年金法案の審議。しかし、委員会室に行って驚いた。半分くら
いが空席。特に、自民党席は20人くらい委員がいるはずなのに、
6人くらいしかいない。たとえば、田中真紀子さんもこの委員会だ
が欠席。小泉さんの応援で、委員会どころじゃないのだろう。


 さすがに、質問中の金田誠一議員が、
「こんなガラガラの状態で審議をして意味があるんですか」と坂口
厚生労働大臣を批判する。

 なぜ、自民党議員はいないのか。
その1つの理由は、自民党議員は、委員会室の外の廊下の長いすに
腰掛けて、他の派閥の議員と、総裁選挙についての、情報交換に励
んでいる。あるいは、総裁選挙についての会合や、情報交換に走り
回っているのだ。

それだけではない。総裁選挙がスタートするので、自民党議員は、
今後、地元に帰って、予備選挙対策をし、自分の地元の票を、自分
の派閥の意向どおりに、まとめねばならないのだ。

もう国会の空気は、総裁選一色で、年金法案の審議どころではない。

 夕方以降は、若手議員との勉強会。


 それにしても、通常国会は、中盤にさしかかり、ここから必死で
委員会で、法案を議論しようという時に、総裁選挙のため1ヶ月間
の政治空白は痛すぎる。

そして、5月中旬に、新しい首相のもと、国会が正常化しても、も
う参議院選挙の直前で、議員の頭は選挙一色になり、6.月25日の
会期末まで40日くらいしかない。

 まさしく、「この通常国会は何だったのか?」ということになる。

本当に情けない。こんなことでは私たちは税金泥棒になってしまう。

 もちろん、多少、来週も委員会が開かれるかもしれないが、実質
の審議は1ヶ月間ストップのようである。


 おまけに、参議院選挙が終われば8月、すぐに9月の自民党総裁
選挙に向かって、また、派閥間の争いが起こる。

自民党が、参議院選挙に惨敗すれば、すぐに首相は交代だ。こんな
コロコロ首相が変わるのは、世界の恥だ。

IT革命や、構造改革に象徴されるように、日本は世界の流れから
取り残されてしまう。

 こんな政治でいいのか。また、後日、その後、国会がどうなった
かは報告させて頂きます。


 話は少し福祉・介護に移ります。

先週、厚生労働省は、車椅子やベッドに、痴呆症などの入居者を、
縛り付ける、「身体拘束」の取締りを強化する通知を出しました。

特に、身体拘束が日常化している悪質な施設は、介護保険の、指定
取り消しもありうる、という内容です。

これについては、私は昨年8月4日の初めての厚生委員会の質問で、
「身体拘束をする悪質な施設は、介護保険の指定を取り消すべきだ」
と主張していました。

この通知の内容は、ご参考までにホームページに載せてあります。
http://www.yamanoi.net/grouphome/siryou/s_01/010406zero.htm


 また、4月13日金曜日の朝9時半から10時半まで、議員会館で、
民主党の介護保険ワーキングチームの会議を行います。

今回のテーマは、低所得者対策。

厚生労働省の介護保険担当者からヒヤリング。
「保険料、利用料についての低所得者対策」、さらには、
「今後、特別養護老人ホームなどを、個室化するかわりに、特別養
護老人ホームの家賃や食費は、自己負担にする」、と厚生労働省は、
2002年度をメドに検討しているそうだが、その際の、低所得者対
策についても、話を聞きたいと思っている。

 介護保険にも様々な問題があるが、低所得者対策が大きなひとつ
の問題点だと思う。


なお、この介護保険ワーキングチームは傍聴可能です。ご希望の方
は、私の国会事務所TEL03-3508-7240までお電話ください。

以上、総裁選挙での国会の情けない現状を報告して、私も眠ります。
           やまのい和則 拝

☆やまのい和則の「軽老の国」から「敬老の国」へ☆
    (2001/04/12現在 読者数 1268)


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