やまのい和則の
     「軽老の国」から「敬老の国」へ


            第124号(2001/04/11)


 メールマガジンの皆さん、こんにちは。
ご無沙汰して申し訳ありません。ご無沙汰の理由はいろいろありま
すが、最大の言い訳は、右肩があがらなくなり、パソコンが打ちづ
らくなったのです。

 その原因を考えるに、新幹線の中など、不自然な姿勢で長時間パ
ソコンを打っていたので肩を痛めたのか、あるいは、単に「しじゅ
う肩」(私は39歳)なのか、疲れで肩こりになったのか、よくわか
りません。

 そこで、今は、議員宿舎でちゃぶ台に向かい正座をして、パソコ
ンに向かって、そろりそろりとキーボードを打っています。


 この高輪議員宿舎のロビーは、今日も新聞記者さんでごった返し
していた。ここには、亀井さんも、小泉さん、麻生さんという首相
候補が住んでいる。野中さん、古賀さんも住んでいる。

私は1106号室だが、この議員宿舎のどこかの部屋で今も総裁選挙
についての生々しい話がされているのだろうか。


 総裁選が始まるので、国会の審議はしばらくストップしそうだ。
この不景気なときに、こんなのんきでいい加減な国会でいいのだろ
うか。


 過去3日間の報告をします。
 4月8日(日)
午後からの介護保険シンポジウムに先立ち、午前中に2ヶ所の特別
養護老人ホームを、元通産省研究官の松井孝治さんと玉置一弥衆議
院議員と一緒に訪問した。

 最初の訪問は、城陽市にある特別養護老人ホーム「ひだまり」。
3年前に完成。居室は、個室か二人部屋だ。

 痴呆症のお年寄りなどは、個室にすると痴呆が進むケースがある
という。しかし、一般的には、二人部屋は人気がないとのこと。

 個室に住むある男性と話をした。
「テレビや冷蔵庫が居室にほしい。トイレに歩いて行くのが遠い」
と言っておられた。


ここのデイサービスは、日曜日でもやっている。そういう時代にな
ったんだと痛感。

この日のデイサービス利用者は、8人。
「特に、家で商売などをしていて日曜が休みでない家庭には日曜の
デイサービスは好評」と聞く。確かに、日曜が休みでない仕事も最
近増えている。


 私はかねてから、デイサービスで、ショートステイもすることが
できないかと思っている。晩、デイサービスセンターが空いている
のがもったいないような気がするので。


 「ショートステイ20ベッドのうち、平均6.7ベッドしか埋まら
ず、多くが空いている。しかし、特別養護老人ホームに、2ベッド
しか転用できないのは困る」と理事長さんから話を聞く。
実際、特別養護老人ホームは50人待ちで2年以上待たないと入居
できない。

 逆に、私の知っている東京の江戸川区の特別養護老人ホームは、
ショートステイが足りず、問題になっている。

かなり地域差がある。

 この「ひだまり」の3階はケアハウス。
介護保険が導入されてからは、ケアハウスで弱った人は、優先的に
2階の特別養護老人ホームに、移れるようになったとのこと。

しかし、その反面、外部の方はますます特別養護老人ホームに入居
しにくくなる。

 さらに、「特別養護老人ホームの入居者が病気になって入院する
と、入院中の介護報酬が入らないので経営が苦しい」と理事長さん。

また、「介護保険になって、特別養護老人ホームも選ばれる立場に
なったので緊張する」とのこと。


 次に、宇治市笠取の特別養護老人ホームを訪問。
ここは、4月1日に開設したところ。まだ、10人しか入居してお
られない。自然の中にあるので裏庭にはしいたけ畑やパターゴルフ
場もある。

 ここは、50人の定員に100人が殺到してもう満員。
改めて、介護保険後、施設への入居希望が多いことを痛感した。


 午後の介護保険シンポは、おかげさまで170人も来て下さり、
盛況でした。メールマガジンの読者の方も12人も来て下さり感激
でした。


神戸市須磨区の「あいハート須磨」の畑野守施設長さんは、施設運
営の立場から、話をしてくださった。

松井孝治さんは、「厚生労働省が、すべてを決める今のやり方は、
おかしい」と発言。地方分権と行政改革にかける、熱い思いを聞せ
てもらった。

また、会場からは、「介護保険で低所得者が利用しずらくなった」
と介護家族の方から、発言があった。


 この日の4月8日の読売新聞の一面トップは、
「特別養護老人ホームは2002年以降、個室のユニット型しか認め
ない。そして、住居費(家賃と食費)は自己負担」とのニュース。

これから大きな議論になる。


 これは、スウェーデンと同じ流れ。

スウェーデンでは1990年頃から特別養護老人ホームや「施設」で
はなく、「在宅」つまり「介護付き住宅」となり、その変わり、
個室でキッチン・シャワー付きが条件になった。

 そして、家賃と食費は自己負担。

ただし、これでは低所得者が特別養護老人ホームに、入居できなく
なるので、家賃補助や家賃手当て制度がスウェーデンにはあり、所
得が低いからといって特別養護老人ホームに入居できないことはな
いようになっている。

 日本でも同様の、所得者対策が必要。

 今は特別養護老人ホームの自己負担は月6万円くらいだが、家賃
と食費は4〜5万円の上乗せになるだろうか。


 私は、このように日本の特別養護老人ホームも「介護付き住宅」
として「在宅」サービスとなれば、まさに、グループホームと同じ
位置付けになる。

そして、低所得者向けの、住宅補助や住宅手当制度が、できれば、
グループホーム(現在平均入居費用、月12〜15万円位)にも低所
得者が入居できるようになり、相対的にグループホームのニーズは
急増するであろう。


 話は飛ぶが、グループホームは増えるのはいいが、劣悪なグルー
プホームも増えて、私は頭が痛い。

劣悪そうだとわかっていても、今の制度では、書類が揃えば、都道
府県はグループホーム開設を拒否できない。このあたりを厳しく
せねばならない、と私は思う。


 4月9日月曜日
 京阪のくずは駅で7時から8時まで街頭演説とチラシまき。表が
松井孝治さんのチラシ。裏が玉置一弥議員と私の国会報告。

 一緒にチラシをまいていた玉置事務所スタッフ田辺勇気君から
「長州力と小川直也が5月5日に対戦する」と聞く。
実は、私は格闘技ファンである。

私の隣で、「デイリースポーツです」とイチローや新庄のニュース
が載っているデイリーニュースの号外が配られている。
そちらのほうをみんなとっていく。

 その後、新幹線で東京へ。
夕方からは「再選セミナー」。
「選挙の神様」と呼ばれる上田清司衆議院議員を講師に、国会活動
と地元活動の両立のための方法を聞く。

マジメにコツコツと活動することの大切さを聞く。


 4月10日火曜日
 朝から企業年金法案について。
民主党の議員6人で、厚生労働省と国税庁の担当者からレクチャー
を受ける。
難しくて頭が痛くなる。しかし、金田議員から、「山井君、委員会
質問1時間頼みますよ」と言われる。

大変だ。必死で勉強せねばならない。

厚生関係は介護と医療と年金が3本柱。やはり、すべて勉強せねば
ならない。

 今後の厚生労働委員会の審議の予定も議論。
しかし、自民党の総裁選挙のために、しばらく委員会はストップし
そうだ。

ちょうど通常国会もエンジンがかかってきたときに、このような政
治空白をつくるなんて許せない。

 その後、総務委員会に出席し、電波法の審議。同僚の中村哲治議
員が鋭い質問を連発。29歳なのにITに強く素晴らしい政治家だ。

 1時からは、衆議院本会議。
同僚の伴野豊議員がJR関連の法案について扇千景国土交通大臣に
質問。15分すべて暗記して堂々と衆議院本会議で演説。

伴野議員は41歳で、国鉄が雇用した最後の社員。国鉄出身でこの
法案の質問をするのだから、心がこもっている。

質問の最後に、
「自民党の皆さんに言いたい。森首相に対してそうしたように、自
分たちで首相に選んでおいて、すぐに自分たちでひきづり降ろすよ
うなことは、次の首相にはしないで下さい」と訴えた。

私たちは拍手。自民党からは「お前なんかに言われる筋合いはな
い!」とヤジが飛ぶ。

 その後、新幹線で京都へ。講演をして、パーティーに冒頭出席、
2時間半滞在でまた、とんぼ帰りで東京へ。

講演は本来は「介護保険」のテーマだったが、総裁選挙で混乱する
国会の現状があまりに情けないので勢い余って、「こんないい加減
な国会でいいのか」との話が中心になってしまった。


 以上、これ以上打つと、肩が痛くなるので止めておきますが、
最後に、また、情けないお願い。

 来たる4月17日(火曜日)午後6時から、ホテルオータニで、
民主党のパーティーがあります。参議院選挙に向けた民主党の資金
集め。チケットは1枚2万円。私を含め1年生議員のノルマは20
枚。私は、まだほとんど売れていません。

 以前に書いたように、民主党京都のパーティー券売りで疲れきっ
たため、民主党本部のパーティー券売りはあきらめていたのです。

 当日は、立食パーティーで、鳩山代表、菅さんはじめ、すべての
民主党国会議員が勢ぞろい、そして、野党の党首も来るでしょう。

 非常に高いですが、もしご関心のある方は、ご一報ください。


なお、パーティーとは別ですが、国会見学はいつでも、うちのスタ
ッフが案内させて頂きますので、希望者はお気軽にご一報ください。

明日もスウェーデン人が国会見学に来ます。スタッフの浅野明子さ
んはスウェーデン語が話せる国会唯一のスタッフなのです。

 長いメールマガジンにお付き合い下さり、有難うございました。
                  やまのい和則 拝


追伸 1
 資金集めパーティーのお願いなど、「何をアホなことしてるんだ」
とお叱りを受けるかもしれませんが、議員の赤裸々な日常を包み隠
さず知ってもらうのが、このメールマガジンの趣旨ですのでお許し
ください。

駅での街頭演説、介護保険シンポジウム、年金法案の質問、また明
日はホームレスの法案づくりの会議など。何でもありの毎日です。


追伸 2
今日のニュースでNHKに初の女性役員が誕生したことを知った。

実は、3月16日の総務委員会でのNHK予算審議で、
「NHKに、女性役員がいないのはおかしい!」と私が質問し、
NHK海老沢会長が、「前向きに検討します」と答弁したのだった。
まあ、私が質問したからではないでしょうが、少し嬉しいです。

 なお、このNHK予算について、の総務委員会の質疑の模様が、
4月15日(土)午後1:50〜3:00、NHKテレビ放映されます。
その中で、私の質疑も3分くらい放映されるそうです。良かったら
見てください。
           やまのい和則 拝

☆やまのい和則の「軽老の国」から「敬老の国」へ☆
    (2001/04/11現在 読者数 1252)


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