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   やまのい和則の
     「軽老の国」から「敬老の国」へ

     - Yamanoi Kazunori Mail Magazine -

            第55号(2000/10/20)

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皆さんこんにちは。前号の続きです。
「国会議員とは?」を考えた。
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毎日、多くの方々と会う。
陳情という形であったり、勉強会であったり。
国会まで来るのは、大きな組織や団体の幹部の方が多い。

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その方々が国会、つまり、「永田町」に来る理由はただ1つ。
「予算をつけてほしい」「予算を増やしてほしい」である。

そして、そのお願いの見返りの多くが選挙の際の“票や金”。

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今日来られた「小規模共同作業所の要望」のように、まったく
見返りのない陳情も、もちろんある。

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頼むほうは大きな組織になればなるほど、
「うちの業界の願いを国会で反映してくれ。そのかわりに、選挙
の際には応援しますよ。しっかり代弁してくれたら、その分しっ
かり応援しますよ」という構図だ。

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私は、そのような“票や金”で動かされないように努めている。

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私は、福祉が専門であり、利益誘導的なことはほとんどない。
私を純粋に、カンパなどで、応援して下さっている多くの方々に、
私は、感謝している。

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皆さんは、ジェラルド・カーチス(アメリカ人の日本政治学者)
を知っておられるだろうか。

カーチスが、日本の国会議員に密着して研究し、日本の政治につ
いて20年前に書いた、名著のタイトルは

「予算ぶんどり」。

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リアルなタイトルだが、最近、この言葉を実感する。

政治とは予算のぶんどり合戦なのだ。特に国会は・・・。

そして、業界が、予算をぶんどるために、政治家に出す見返りが
“票とカネ”なのだ。選挙に勝ちたいという政治家の心理を突い
た「予算のぶんどり合戦」なのだ。

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そして、その票とカネほしさに「赤字国債を乱発して、公共事業
をバラマキ、業界に利益誘導する」今の政治を私は許せない。

他の先進国で、「選挙対策」として公共事業をこれだけ乱発し、
債務をふくらませている国があるだろうか。

こんな政治を一日も早く変えねばならない。

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私は、多くの業界の声や、個人的な陳情を、毎日、聞く。
確かに話を聞けば、みんな困っている。深刻だ。

介護問題が専門の私は、このメールマガジンに書いているように、
国会議員になれば、介護だけの狭い分野だけではダメなので、
厚生行政を中心に、多くの勉強会に出る。どの問題も深刻だ。

国家財政に制限がないなら、すべての問題に私は予算をつけたい。
本当にすべての業界が不況で苦しみ、働いている方も苦しんでお
られる。しかし、限られた財源しかも未曾有の厳しい財政状況だ。

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そんな中で、私は、国会に陳情にも来られない方々の声を、
選挙の際に票もお金も出せない方々の声こそ代弁したいのだ。

私には信念がある。

「最も政治の力を必要としている人は、往々にして政治の力を持
たない。そのような弱い立場の方々の声なき声を代弁するのが
本当の政治だ」。

逆に言えば、政治力を持った人々の声を代弁することは、誰でも
できるし、誰もがやる。そんな政治をするのなら、特に、今の
時期に、私が国会議員になる必要なんかない。

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私が学んだ松下政経塾の塾長である故・松下幸之助師は、いつも

「政治家になるなら、新しい政治家を目指せ。ただ年齢が若いだ
けで、今までと同じような政治家になるのなら、日本は良くなら
ない」と。

松下塾長の言う「新しい政治家」とは、
「自分の専門分野や政策をしっかり持って、官僚任せにしない政
治家」
「目先の選挙だけにとらわれず、国家百年の大計を持ち、見返り
を求めない政治家」だと私は、理解している。

政治とは見返りや打算であってはならない。

「選挙に有利だから、この問題に取り組む」というのはおかしい。
困っている人がいる。泣いている人がいるから、その問題に取り
組むのだ。

たとえ選挙で不利であっても、困っている人を救うためなら、
その問題に取り組むのが本当の政治ではないか。

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10年前、私はシンガポールの老人ホームで1ヶ月実習をした。
その時、シンガポール建国の父と言われるリーカンユー前首相の
スピーチを聞いた。

"Politician must be priest!"。

「政治家は聖職者でなければならない。政治は祈りだ」と。

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政治は無償の愛である。見返りを求めない愛である。
見返りを求める行為は、ビジネスの世界でやればよい。
それで解決できない問題を政治が担うのだ。

私がねたきりや痴呆症の問題に、国会で取り組むのは、全国の
250万人の寝たきりや、痴呆症のお年寄りや、そのご家族には、
業界団体がないからだ。
その方々は、最も困っているにもかかわらず、国会まで
「予算ぶんどり」の陳情に来られないからだ。

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私の尊敬する城陽市会議員の畑中完二さんは、
「尽くして尽くして尽くし損の気持ちで政治をやりたい」という。
素晴らしい言葉だ。

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私の高校の恩師である三浦俊良先生は、
「山井さん、社会のぞうきんになってください。社会のぞうきん
になって、自分が汚れても、社会をきれいにする生き方をしてく
ださい」と何度も私に言った。

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故・松下幸之助師は「国会議員は9割は国のことを考えて欲しい。
地方のことは地方議員に任せるべきだ。しかし、今の国会議員は、
9割を、自分の選挙や、自分の地元のことばかり考えている」と
いつも嘆いておられた。

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声なき声を代弁したい。これは、私だけではなく、与野党を問わ
ず、すべての国会議員は、そのような願いを持っているのかもし
れないが・・・。
           やまのい和則 拝

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