。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆ やまのい和則の 「軽老の国」から「敬老の国」へ - Yamanoi Kazunori Mail Magazine - 第55号(2000/10/20) 。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆ 皆さんこんにちは。前号の続きです。 「国会議員とは?」を考えた。 . .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 毎日、多くの方々と会う。 陳情という形であったり、勉強会であったり。 国会まで来るのは、大きな組織や団体の幹部の方が多い。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. その方々が国会、つまり、「永田町」に来る理由はただ1つ。 「予算をつけてほしい」「予算を増やしてほしい」である。 そして、そのお願いの見返りの多くが選挙の際の“票や金”。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 今日来られた「小規模共同作業所の要望」のように、まったく 見返りのない陳情も、もちろんある。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 頼むほうは大きな組織になればなるほど、 「うちの業界の願いを国会で反映してくれ。そのかわりに、選挙 の際には応援しますよ。しっかり代弁してくれたら、その分しっ かり応援しますよ」という構図だ。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 私は、そのような“票や金”で動かされないように努めている。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 私は、福祉が専門であり、利益誘導的なことはほとんどない。 私を純粋に、カンパなどで、応援して下さっている多くの方々に、 私は、感謝している。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 皆さんは、ジェラルド・カーチス(アメリカ人の日本政治学者) を知っておられるだろうか。 カーチスが、日本の国会議員に密着して研究し、日本の政治につ いて20年前に書いた、名著のタイトルは 「予算ぶんどり」。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. リアルなタイトルだが、最近、この言葉を実感する。 政治とは予算のぶんどり合戦なのだ。特に国会は・・・。 そして、業界が、予算をぶんどるために、政治家に出す見返りが “票とカネ”なのだ。選挙に勝ちたいという政治家の心理を突い た「予算のぶんどり合戦」なのだ。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. そして、その票とカネほしさに「赤字国債を乱発して、公共事業 をバラマキ、業界に利益誘導する」今の政治を私は許せない。 他の先進国で、「選挙対策」として公共事業をこれだけ乱発し、 債務をふくらませている国があるだろうか。 こんな政治を一日も早く変えねばならない。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 私は、多くの業界の声や、個人的な陳情を、毎日、聞く。 確かに話を聞けば、みんな困っている。深刻だ。 介護問題が専門の私は、このメールマガジンに書いているように、 国会議員になれば、介護だけの狭い分野だけではダメなので、 厚生行政を中心に、多くの勉強会に出る。どの問題も深刻だ。 国家財政に制限がないなら、すべての問題に私は予算をつけたい。 本当にすべての業界が不況で苦しみ、働いている方も苦しんでお られる。しかし、限られた財源しかも未曾有の厳しい財政状況だ。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. そんな中で、私は、国会に陳情にも来られない方々の声を、 選挙の際に票もお金も出せない方々の声こそ代弁したいのだ。 私には信念がある。 「最も政治の力を必要としている人は、往々にして政治の力を持 たない。そのような弱い立場の方々の声なき声を代弁するのが 本当の政治だ」。 逆に言えば、政治力を持った人々の声を代弁することは、誰でも できるし、誰もがやる。そんな政治をするのなら、特に、今の 時期に、私が国会議員になる必要なんかない。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 私が学んだ松下政経塾の塾長である故・松下幸之助師は、いつも 「政治家になるなら、新しい政治家を目指せ。ただ年齢が若いだ けで、今までと同じような政治家になるのなら、日本は良くなら ない」と。 松下塾長の言う「新しい政治家」とは、 「自分の専門分野や政策をしっかり持って、官僚任せにしない政 治家」 「目先の選挙だけにとらわれず、国家百年の大計を持ち、見返り を求めない政治家」だと私は、理解している。 政治とは見返りや打算であってはならない。 「選挙に有利だから、この問題に取り組む」というのはおかしい。 困っている人がいる。泣いている人がいるから、その問題に取り 組むのだ。 たとえ選挙で不利であっても、困っている人を救うためなら、 その問題に取り組むのが本当の政治ではないか。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 10年前、私はシンガポールの老人ホームで1ヶ月実習をした。 その時、シンガポール建国の父と言われるリーカンユー前首相の スピーチを聞いた。 "Politician must be priest!"。 「政治家は聖職者でなければならない。政治は祈りだ」と。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 政治は無償の愛である。見返りを求めない愛である。 見返りを求める行為は、ビジネスの世界でやればよい。 それで解決できない問題を政治が担うのだ。 私がねたきりや痴呆症の問題に、国会で取り組むのは、全国の 250万人の寝たきりや、痴呆症のお年寄りや、そのご家族には、 業界団体がないからだ。 その方々は、最も困っているにもかかわらず、国会まで 「予算ぶんどり」の陳情に来られないからだ。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 私の尊敬する城陽市会議員の畑中完二さんは、 「尽くして尽くして尽くし損の気持ちで政治をやりたい」という。 素晴らしい言葉だ。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 私の高校の恩師である三浦俊良先生は、 「山井さん、社会のぞうきんになってください。社会のぞうきん になって、自分が汚れても、社会をきれいにする生き方をしてく ださい」と何度も私に言った。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 故・松下幸之助師は「国会議員は9割は国のことを考えて欲しい。 地方のことは地方議員に任せるべきだ。しかし、今の国会議員は、 9割を、自分の選挙や、自分の地元のことばかり考えている」と いつも嘆いておられた。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 声なき声を代弁したい。これは、私だけではなく、与野党を問わ ず、すべての国会議員は、そのような願いを持っているのかもし れないが・・・。 やまのい和則 拝 |