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   やまのい和則の
     「軽老の国」から「敬老の国」へ

     - Yamanoi Kazunori Mail Magazine -

            第49号(2000/10/13)

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 今日は3つのトピック。
1、10月12日の日経の記事。
2、いい加減なグループホームの実例。
3、グループホーム利用者の家族の声。

1と3は、私へのメールをご本人の了解をいただいて、転載させ
ていただきます。

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日経新聞の10月12日朝刊 記事より、抜粋。
「介護NPOの家賃など補助 千葉・柏市」

千葉県柏市は今月から、高齢者介護を手がけるNPO(非営利組
織)やボランティア団体に対する補助制度を始めた。

事務所の家賃のほか、痴ほう症の高齢者が共同生活を送るグルー
プホームなどを実施する場合の住宅改造費も補助する。

介護保険の枠外で活動する団体を支援することで、サービス基盤
の充実を図る。

家賃の補助は一ヶ月当たり五万円が上限。
住宅改造では、五百万円を限度にかかった経費の半額まで、補助
する。

対象は日帰りで介護を受けるデイサービス、訪問介護、グループ
ホームのいずれかを一年以上実施している団体。

介護保険の指定事業者、市からほかの補助金を受けている団体な
どは対象外となる。

市は千六百万円の経費を予算計上済み。

家賃補助は十団体、住宅改造は二団体を想定している。
 以上ですが、とても参考になる事例だと思います。

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次は知人からのメールです。

グループホームに、私の知り合いが、働いていたのですが、
1か月でやめました。そのグループホームは、社長の自宅と、
グループホームが同じで、デイの利用者を、風呂に入れようとし
たら、社長が入っていたり、社長は普段から、グループホームの
居室で、寝ていたり、よく県も認可した、と驚いていました。

儲かるかもしれないと、他業種から参入してくる所も、要注意で
あると知らされました。

また、他の地域で、特養や老人病院に入れないお年寄りを、
グループホームに入れてもらおうとする家族が多く、住みなれた
地域でというグループホームの良さは生かせてないようですね。

日本の場合、グループホーム・特養・老人病院の役割がはっきり
区別できておらず、業界全体で、業務のすみわけというより、
顧客の奪い合いに、走ろうとする傾向が、強いのが問題でしょう。

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以上が私へのメール。頭の痛い話です。

グループホームは本当にピンからキリまで。
都道府県もほとんど質のチェックをしていません。

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 次のメールは介護している女性からです。

 私の母は、 自宅から車で10分弱という好条件のグループホー
ムに入居していながら、どうしてもホームと考え方が合わず、
10月初めに片道45分ほどかかるホームに引越しさせました。

 新しいホームはNPO法人による経営で、この9月に開所した
そうですが、すでに4人の入居者がいました。

入居当初 母は知らない人が沢山いる所に連れて来られて とても
混乱したようです。毎晩 電話をかけてきては「今から帰るから」
と言いはって私を困らせていました。

前のホームを出る時に 主任さんが「せっかく落ち着いてきたと
ころだったのに 今新しい所に行って慣れるかしら」と言ったの
が耳に残っていて、とても不安になりました。

しかし やがて電話の向こうから聞こえて来る母の声が明るくな
ってきて、電話のかかって来ない日が増えてきたのです。

3週間を過ぎた頃、施設長から写真入りの手紙が届き、まだ混乱
が続いているもののそれなりに変化をしてきているので心配しな
いように という報告を頂きました。

1ヶ月たったところで「もう会いに来ても大丈夫ですよ」と電話
を頂き、早速会いに行ってきました。私の顔を見るなり母は涙を
見せましたが、私が帰る時には追って来るようなこともありませ
んでした。

 その後も 時々母からの電話はありますが、心配する私に施設長
は、「誰もが通る道ですから心配いりません。あなたはお母さん
の介護から開放されて下さい」とおっしゃって下さいました。
自宅で父の介護をしている私にとって、こんなに頼もしく有難い
言葉はありません。

先日は 送られてきた請求書の中に、9月の介護評価と10月の介
護目標も同封されていました。ここならまかせてておけば大丈夫
と私も心から安心しました。

月間スケジュールによると、週1回は歯科、月1回は内科の訪問
診療を受け、音楽療法やアニマルセラピーのボランティアも毎月
来て下さるようです。料理教室や入居者の誕生日会と楽しそうな
催しでいっぱいです。

今はまだ そういった催しを楽しむ余裕のない母ですが、いつの
日か笑顔で私を迎えてくれる日が来る事を願っています。

もし 今もまだ以前のグループホームにいたなら、私は この夏以
降急速に弱って入退院を繰り返している父をかかえて 週2回は
母を入浴させる為にグループホームに通う生活を続けていたのだ
ろうと思います。

私のように良いグループホームにめぐり会えた人はラッキーです
が、頭を悩ませている家族はたくさんいると思います。

私としては不適格なグループホームは自然淘汰されていくように
なってくれれば と思いますが、世の中そううまくはいかないの
でしょうね。

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以上が私のいただいたメールです。

「失敗しないグループホームの選び方」という本でも書かねば、
という気になります。グループホームはピンからキリまでです。

ご指摘のように特別養護老人ホームが満員だから、どこでもいい
から遠くてもいいから、悪くてもいいから、グループホームに入
れる、というようなことにならないように、グループホームの質
のチェックが必要です。

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また、グループホームについて、いろいろご意見や体験をお寄せ
ください。もし、メールマガジンに転載する場合には、事前にお
伺いして匿名にしますので、決して、勝手に転載したりはしませ
ん。

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今日は、これから、民主党の介護保険をより良くするプロジェク
トチーム(私が事務局長)の会合。厚生省の方々と介護保険につ
いて意見交換。

単独型グループホームへの建設補助が来年からNPOやシルバー
ビジネスにも出るように要望しますが、難しいようです。

まあ、頑張ります。また、後日,報告します。
           やまのい和則 拝

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