。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆ やまのい和則の 「軽老の国」から「敬老の国」へ - Yamanoi Kazunori Mail Magazine - 第47号(2000/10/10) 。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆ メールマガジンの読者の皆さん、連休をいかがお過ごしでしょ うか。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 私は、10月8日は、 午前中から昼過ぎまで、自衛隊の宇治駐屯地での記念式典に参加。 午後は、7日の「山井和則を囲む会」のお礼の挨拶回りや、電話 かけとお礼状執筆。久しぶりに午後10時まで事務所に。 500通の礼状に一筆を入れ始めたが、100通であきらめた。 支持者の方に会うと、 「福祉だけでなく、京都南部のこともしっかりやってや」の声、 「他の分野はいいから、福祉だけは熱心にやってちょうだい」と いう声もある。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 今日、本当は、倉敷で行われていた「ユニットケア・シンポジウ ム」に参加する予定があった。 これは、老人ホームを、ユニット型(7〜10人)に区切るケア で、老人ホームの中でグループホームケアをすることを意味する。 非常に効果があがっており、そのシンポジウムがあったのだ。 私は、それに参加したいと考えていた。しかし、当選してからは、 ほとんど、地元にいないので、週末には、出来る限り地元にもど るように調整しています。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 今まで、このメールマガジンでのべているように、福祉をライフ ワークとする私ですが、議員になった以上は、様々な課題や地元 の問題にも、当然取り組まねばなりません。 福祉だけというわけにはいかないのです。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 10月9日(体育の日)は、先日、民主党で私が事務局長として まとめた「介護保険への7つの提言」を持って、以前からアドバ イス頂いた方々のところに報告にいく。 短時間のつもりだったが、ついつい長話になった。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. まず、老人ホームに併設するケアマネージャーお二人と会う。 「このままでは、ケアマネージャーは過労死します。 介護している家族と会うにも、晩の7時や、日曜・祭日にしか会 えないケースが多い。残業の連続で、利用者一人一人に十分な対 応ができない。結局、一人一人の利用者に丁寧に対応することは できない」とのこと。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 「一人のケアマネージャーが50人も担当するのは無理」と。 私は、「担当できる上限を30人にすべきだ。それで。ケアマネー ジャーが食べていけるように介護報酬の引き上げが必要だ」と。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. ただ、「介護報酬の引き上げは是非とも実現して欲しい。 しかし、3年後と予定されているので、ケアマネージャーのケア プラン作成の介護報酬だけを引き上げるのは難しいのでは?」と 聞かれた。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. しかし、私は思う。 過ちを改むるに憚ることなかれ、という言葉もあるように、この ままではケアマネージャーが本来の役割を果たせない、つぶれて いく人も出て行くとわかっているのに、 「3年後と決まっているから」という理由で、問題を放置するの はおかしいと思う。 逆に、介護報酬をあげると、ケアマネージャーが今勤務している 施設や事業者から独立してしまう。それを施設や事業者は嫌がる のではないかという声もあった。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 「この介護保険への7つの提言に対して、多くの現場の方の声を これから聞いてまわり、よりよい提言に練り上げたい」と私が言 うと、 あるケアマネージャーさんは、 「でも、山井さん、現場の声を聞けば聞くほど、介護報酬をあげ ろという話になり、それは結局、保険料のアップにつながります よ。だから、私たちも介護報酬はあげてほしいけれど、それを言 うと保険料があがって負担が増えてしまうというジレンマに苦し んでるんですよ」と言った。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 確かにそうだ。この問題は低所得者への減免措置や、低所得者の 年金問題ともからんでくる。介護保険も突き詰めれば財源の問題 になる。現場は介護報酬アップを願い、サービスを利用しない人 は、当然、保険料アップを嫌う。この利害調整が難しい。 私は、ケアマネージャーの代表を厚生省の審議会のメンバーに入 れることが必要だと思うが、ケアマネージャーの全国規模の団体 がまだ日本には立ち上がっていない。それがまず必要になるであ ろう。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 次に、宅老所を訪問した。 ここは民家を改造して4人のお年寄りが生活している。 デイサービスはやっていない。 そして、今のところ、行政からの補助はゼロ。 老人ホームを辞めた、女性職員おふたりが始められた。 「日本ではお年寄りや弱った人を、町外れの施設に放り出してい る。これはおかしい。住み慣れた地域で暮らせるようにすること が必要!」と、宅老所の職員さんは言う。 そのためには、大規模な施設でなく、グループホームや宅老所が 必要だ。 職員さん曰く。 「何も特別なことはしてないんです。当たり前のことをしている だけです。 “いっしょにパンを買いに行こうか” “一緒に散歩しようか”、 と言って、外にでかけることも多いです。 この当たり前のことが50人,100人の大きな施設では難しいの です」 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 今の入居者4人のうち一人の95歳の女性が晩に眠れず、落ち着 かないというスタッフは、その女性の隣の居間で寝たりしている。 「夜中に寂しがるので、そういうときは、私は同じ布団に入って、 狭いベッドの上で抱き合って添い寝をするんです。そうすれば、 お年寄りも落ち着きます。結局、お年寄りは一人だと寂しいんで す」とスタッフは言う。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 痴呆症は「人恋しい病」とも言われる。 添い寝と言えば、私も経験がある。 ある宅老所を訪問したとき、私は居間で寝ることになった。 隣の布団には92歳の痴呆症の女性が寝ていた。 夜中二時ごろ、その女性がトイレに立ったのはよかったが、帰っ てきたら、なんと私の布団に入ってくるではないか。 何か人の気配がすると思って目を醒ましたら、隣に寝ていたはず のおばあさんが私の布団に入ってきていたのだった。ビックリし た。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. あとで聞いた話だが、そのおばあさんは、すぐに人の布団に入る 常習犯で、スタッフが、 「山井さんを隣に寝かせば、きっと夜中に山井さんの布団に行に 違いない」と予想して、私を隣に寝かせたのであった。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. その922歳の女性は、痴呆症になったため、94歳の夫が介護 疲れで、宅老所で暮らすことになった。 その女性もやはり、人間のぬくもりを求めていたのだろう。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 「補助金が行政から出ればもう一人雇えるんですけどねえ」と スタッフは言う。 今は2人で交代で、4人の入居者の介護をしている。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. さて、政治の話に戻るが、今は国会が審議拒否になっている。 国会が動き出せば、私の所属する厚生委員会も動き出し、 私が介護保険について質問することになるかもしれない。 そう思うと、緊張する。厚生大臣への質問の二回目。 8月4日の厚生委員会での質問は、デビューというか顔見世の 初質問だったが、今回は介護保険についての本格的な議論だ。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. しかし、私は悩む。 いくら真剣に厚生委員会で質問しても、いまの津島厚生大臣は 12月で交代。 1月からはまた新しい大臣。 その厚生大臣も下手をすれば、来年の参議院選挙の後、内閣改造 で交代。 いまの厚生省の課長さんもそろそろ交代時期。 いくら議論しても、相手がこんなにころころ変わっては、議論が 積みあがらない。 3年後、5年後の介護保険の見直しをにらんで、 「福祉の責任者は誰なんだ!」と叫びたくなる。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 結局、 問題は先送り。 先延ばし。 介護保険の改革も先送り。 介護現場の声は国会には届かない。 そんなことにならないように精一杯頑張りたい。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 10月9日の午後は夕方まで、マイクを握っての街頭演説。 福祉を良くしたいと願うならば、政権を交代させねばならない。 そのためには、福祉の政策を練ることと同時に、絶えず、皆さん に訴え、選挙に勝たねばならない。 晩、東京へ移動。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 10月10日は、一日中、民主党のNPOについての、様々な打ち 合わせの会合や、介護保険のサービス事業者の方々からのヒヤリ ングがある。 国会審議には参加しないであろう。 4つ会合に出席して、また夕方、京都に戻る。 お世話になった方の退任パーティー。 そして、京都に2時間滞在して、最終でまた東京に戻る。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 水曜日(11日には朝8時から厚生部会があり、厚生省の方々と の打ち合わせがあるので、火曜日の晩には東京に戻らねばならな い。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 相変わらず、慌しい一週間が始まる。これからが本番。 国会も早晩、正常化するであろう。 しっかり介護保険や福祉の政策づくりに励みたい。 やまのい和則 拝 (注・PC故障で一日遅れの発行となりました。 お詫びいたします・メルマガ担当) |