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   やまのい和則の
     「軽老の国」から「敬老の国」へ

     - Yamanoi Kazunori Mail Magazine -

            第47号(2000/10/10)

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メールマガジンの読者の皆さん、連休をいかがお過ごしでしょ
うか。

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私は、10月8日は、
午前中から昼過ぎまで、自衛隊の宇治駐屯地での記念式典に参加。
午後は、7日の「山井和則を囲む会」のお礼の挨拶回りや、電話
かけとお礼状執筆。久しぶりに午後10時まで事務所に。
500通の礼状に一筆を入れ始めたが、100通であきらめた。

支持者の方に会うと、
「福祉だけでなく、京都南部のこともしっかりやってや」の声、
「他の分野はいいから、福祉だけは熱心にやってちょうだい」と
いう声もある。

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今日、本当は、倉敷で行われていた「ユニットケア・シンポジウ
ム」に参加する予定があった。

これは、老人ホームを、ユニット型(7〜10人)に区切るケア
で、老人ホームの中でグループホームケアをすることを意味する。
非常に効果があがっており、そのシンポジウムがあったのだ。

私は、それに参加したいと考えていた。しかし、当選してからは、
ほとんど、地元にいないので、週末には、出来る限り地元にもど
るように調整しています。

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今まで、このメールマガジンでのべているように、福祉をライフ
ワークとする私ですが、議員になった以上は、様々な課題や地元
の問題にも、当然取り組まねばなりません。

福祉だけというわけにはいかないのです。

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10月9日(体育の日)は、先日、民主党で私が事務局長として
まとめた「介護保険への7つの提言」を持って、以前からアドバ
イス頂いた方々のところに報告にいく。
短時間のつもりだったが、ついつい長話になった。

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まず、老人ホームに併設するケアマネージャーお二人と会う。
「このままでは、ケアマネージャーは過労死します。
介護している家族と会うにも、晩の7時や、日曜・祭日にしか会
えないケースが多い。残業の連続で、利用者一人一人に十分な対
応ができない。結局、一人一人の利用者に丁寧に対応することは
できない」とのこと。

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「一人のケアマネージャーが50人も担当するのは無理」と。
私は、「担当できる上限を30人にすべきだ。それで。ケアマネー
ジャーが食べていけるように介護報酬の引き上げが必要だ」と。

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ただ、「介護報酬の引き上げは是非とも実現して欲しい。
しかし、3年後と予定されているので、ケアマネージャーのケア
プラン作成の介護報酬だけを引き上げるのは難しいのでは?」と
聞かれた。

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しかし、私は思う。
過ちを改むるに憚ることなかれ、という言葉もあるように、この
ままではケアマネージャーが本来の役割を果たせない、つぶれて
いく人も出て行くとわかっているのに、
「3年後と決まっているから」という理由で、問題を放置するの
はおかしいと思う。

逆に、介護報酬をあげると、ケアマネージャーが今勤務している
施設や事業者から独立してしまう。それを施設や事業者は嫌がる
のではないかという声もあった。

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「この介護保険への7つの提言に対して、多くの現場の方の声を
これから聞いてまわり、よりよい提言に練り上げたい」と私が言
うと、
あるケアマネージャーさんは、
「でも、山井さん、現場の声を聞けば聞くほど、介護報酬をあげ
ろという話になり、それは結局、保険料のアップにつながります
よ。だから、私たちも介護報酬はあげてほしいけれど、それを言
うと保険料があがって負担が増えてしまうというジレンマに苦し
んでるんですよ」と言った。

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確かにそうだ。この問題は低所得者への減免措置や、低所得者の
年金問題ともからんでくる。介護保険も突き詰めれば財源の問題
になる。現場は介護報酬アップを願い、サービスを利用しない人
は、当然、保険料アップを嫌う。この利害調整が難しい。

私は、ケアマネージャーの代表を厚生省の審議会のメンバーに入
れることが必要だと思うが、ケアマネージャーの全国規模の団体
がまだ日本には立ち上がっていない。それがまず必要になるであ
ろう。

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次に、宅老所を訪問した。

ここは民家を改造して4人のお年寄りが生活している。
デイサービスはやっていない。
そして、今のところ、行政からの補助はゼロ。

老人ホームを辞めた、女性職員おふたりが始められた。
「日本ではお年寄りや弱った人を、町外れの施設に放り出してい
る。これはおかしい。住み慣れた地域で暮らせるようにすること
が必要!」と、宅老所の職員さんは言う。

そのためには、大規模な施設でなく、グループホームや宅老所が
必要だ。
職員さん曰く。
「何も特別なことはしてないんです。当たり前のことをしている
だけです。
“いっしょにパンを買いに行こうか”
“一緒に散歩しようか”、
と言って、外にでかけることも多いです。
この当たり前のことが50人,100人の大きな施設では難しいの
です」

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今の入居者4人のうち一人の95歳の女性が晩に眠れず、落ち着
かないというスタッフは、その女性の隣の居間で寝たりしている。

「夜中に寂しがるので、そういうときは、私は同じ布団に入って、
狭いベッドの上で抱き合って添い寝をするんです。そうすれば、
お年寄りも落ち着きます。結局、お年寄りは一人だと寂しいんで
す」とスタッフは言う。

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 痴呆症は「人恋しい病」とも言われる。

添い寝と言えば、私も経験がある。
ある宅老所を訪問したとき、私は居間で寝ることになった。
隣の布団には92歳の痴呆症の女性が寝ていた。

夜中二時ごろ、その女性がトイレに立ったのはよかったが、帰っ
てきたら、なんと私の布団に入ってくるではないか。

何か人の気配がすると思って目を醒ましたら、隣に寝ていたはず
のおばあさんが私の布団に入ってきていたのだった。ビックリし
た。

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あとで聞いた話だが、そのおばあさんは、すぐに人の布団に入る
常習犯で、スタッフが、
「山井さんを隣に寝かせば、きっと夜中に山井さんの布団に行に
違いない」と予想して、私を隣に寝かせたのであった。

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 その922歳の女性は、痴呆症になったため、94歳の夫が介護
疲れで、宅老所で暮らすことになった。
その女性もやはり、人間のぬくもりを求めていたのだろう。

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「補助金が行政から出ればもう一人雇えるんですけどねえ」と
スタッフは言う。
今は2人で交代で、4人の入居者の介護をしている。

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さて、政治の話に戻るが、今は国会が審議拒否になっている。

国会が動き出せば、私の所属する厚生委員会も動き出し、
私が介護保険について質問することになるかもしれない。

そう思うと、緊張する。厚生大臣への質問の二回目。
8月4日の厚生委員会での質問は、デビューというか顔見世の
初質問だったが、今回は介護保険についての本格的な議論だ。

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しかし、私は悩む。
いくら真剣に厚生委員会で質問しても、いまの津島厚生大臣は
12月で交代。

1月からはまた新しい大臣。
その厚生大臣も下手をすれば、来年の参議院選挙の後、内閣改造
で交代。
いまの厚生省の課長さんもそろそろ交代時期。
いくら議論しても、相手がこんなにころころ変わっては、議論が
積みあがらない。
3年後、5年後の介護保険の見直しをにらんで、

「福祉の責任者は誰なんだ!」と叫びたくなる。

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結局、
問題は先送り。
先延ばし。
介護保険の改革も先送り。
介護現場の声は国会には届かない。

そんなことにならないように精一杯頑張りたい。

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10月9日の午後は夕方まで、マイクを握っての街頭演説。
福祉を良くしたいと願うならば、政権を交代させねばならない。

そのためには、福祉の政策を練ることと同時に、絶えず、皆さん
に訴え、選挙に勝たねばならない。
晩、東京へ移動。

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10月10日は、一日中、民主党のNPOについての、様々な打ち
合わせの会合や、介護保険のサービス事業者の方々からのヒヤリ
ングがある。
国会審議には参加しないであろう。
4つ会合に出席して、また夕方、京都に戻る。
お世話になった方の退任パーティー。
そして、京都に2時間滞在して、最終でまた東京に戻る。

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水曜日(11日には朝8時から厚生部会があり、厚生省の方々と
の打ち合わせがあるので、火曜日の晩には東京に戻らねばならな
い。

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相変わらず、慌しい一週間が始まる。これからが本番。
国会も早晩、正常化するであろう。
しっかり介護保険や福祉の政策づくりに励みたい。
            やまのい和則 拝

(注・PC故障で一日遅れの発行となりました。
                    お詫びいたします・メルマガ担当)

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