。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆ やまのい和則の 「軽老の国」から「敬老の国」へ - Yamanoi Kazunori Mail Magazine - 第21号(2000/05/26) 。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆ メールマガジンの読者の皆様へ 580人の方にこのメールマガジンは読んで頂だいています。 本当に有難うございます。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. さて、グループホームのホームページがまだ、一部工事中のた め、グループホームのメールマガジンもまだ発行していません。 申し訳ございません。 グループホームのホームページが本格にスタート次第、グルー プホームのメールマガジンもスタートします。しばらくお待ちく ださいますように。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. ただし、グループホームのホームページでは、一部の原稿と掲 示板はオープンしています。私も初めて掲示板をつくってみまし た。のぞいてみてください。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 5月24日に、大阪府池田市のNPO法人の招きで、グループ ホームの講演をしました。 講師紹介で「やまのいさんはネコが好きだそうです」という紹 介があり、驚くと、「ホームページのプロフィールに書いてあり ました。好物は、たこ焼きと漬物でしょう」と言われました。 ホームページの影響力に、改めて脱帽しました。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 今回の講演は80人。この法人は、池田市初のグループホーム を単独型二階建て9人のグループホームを1階、2階に2つつけ るツイン型として、来年にオープン予定。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. スライドで、日本やスウェーデンのグループホームを説明。 それに比べて、老人病院の痴ほう病棟は・・・・・と話す。 スライドでは、 目もうつろに長い病院の廊下を歩く痴呆性高齢者、 睡眠薬で寝かされる痴呆性高齢者、そして、 柵をつけられ病院のベッドの上にひもで縛り付けられる痴呆性高 齢者の姿。 何人もの方が、ハンカチで目をおさえておられる。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. ある病院での実習の時。 あるお年よりは、紐でベッドに縛られていた。私の手を握って、 「先生、このひもほどいてください。家に帰りたいんです」と訴 えた。実習生の私は、「風邪をひいておらるので、もう少し我慢 してください」と、うそをついた。 その方は、その晩、「大きいのが出そうなので、トイレに連れて 行ってください」と、私の手を握って離さない。 しかし、その50人の痴呆病棟では、夜勤スタッフは3人で、 トイレ誘導は無理でした。 その方は、その後、拒食症になり、2か月後に亡くなられた。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 「この方にとっては、柵をされ、縛られ、トイレにも連れて行 ってももらえず、こんな境遇に対する唯一の抗議の方法が、食事 拒否だったと思います」。 「“私はこれでも尊厳ある人間なんだ。こんな虐待をされて生 きていけるか”。この方の最後のプライドが、食事拒否につなが ったと思います」と。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 多くの方は、ハンカチで目頭をおさえられる。私も不覚にも講 演しながら、涙をふく。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. なぜだ、なぜなんだ。 なぜ、日本では痴ほう病棟という形で、痴呆性高齢者を病院に 入れているんだ。 欧米では、痴呆性高齢者は、病院に入れても医療費がかさむだ けで、本人にも良くないと、グループホームケアやユニット型老 人ホームが当たり前になっている。 しかし、日本では、痴呆病棟に多くの痴呆性高齢者が、なお入 院している。 私は、過去10年以上、痴呆性高齢者向けグループホームを日 本で普及させる運動をしてきた。 今回、紹介したような、グループホームで、生活していれば、 もっともっと人間らしく暮らせるはずの痴呆性高齢者が、病院の ベッドで縛られている姿を見るのは、もう耐えがたい苦痛だ。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 先日、丹羽厚生大臣が「身体拘束ゼロ作戦」を発表し、今、述 べたようなベッドにひもで痴呆性高齢者を縛ることや、椅子に痴 呆性高齢者を縛ることを、ゼロにすると、記者発表した。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 一歩前進である。が、反面。 いまさら、何を言ってるんだ。もう10年以上前から、大熊一 夫さん、大熊由紀子さんをはじめ、多くの方々がこの「縛り」の 問題を指摘しつづけてきたではないか。 なぜ、対応がこんなに遅いのか。そのために、この10年間に どれだけ多くの痴呆性高齢者が、涙を流し亡くなっていったこと か。 「人員が増えない以上、縛るなといわれても、危険を防ぐために は・・・・・」。 施設や病院側のコメントです。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. もっともである。 私としては、絶対に拘束は禁止すべきだと思う。 しかし、人員配置をもっと厚くしなければいけない。 そのためには、施設や病院でもグループホームケアをできるよ うにせねばならないと思う。 そのNPOは、池田市で日本のモデルとなるようなグループホ ームをつくってくれると信じている。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 追伸 昨日、5月25日付け日経新聞夕刊の、生活情報面に、痴呆性高 齢者向けグループホームの、特集記事が出ました。 「グループホームが増えない」という主旨でした。 私も取材を受けましたが、素晴らしい記事だと思います。ご関心 のある方は読んでください。 「痴呆ケアの切り札であるグループホームがなぜ増えないのか」 について 「介護報酬の低さ、単独型への建設補助のないこと、在宅扱いで 自己負担が高い」などとの、問題点がきっちり書いてあります。 やまのい和則 拝 |