。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆ やまのい和則の 「軽老の国」から「敬老の国」へ - Yamanoi Kazunori Mail Magazine - 第20号(2000/05/23) 。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆ 5月23日は、大阪のプロテスタントの教会に招かれ、グループ ホームの講演をさせて頂いた。 賛美歌を共に歌い、牧師さんの話を聞き、また、時田勝也さん の素晴らしいピアノ演奏とバリトンの歌を聴き、慌しい中に至福 のひとときを過ごさせていただいた。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 私が福祉に志した原点が、実は、キリスト教に関係ある。 私は信者ではないが、学生時代に福祉施設でボランティア活動 をしているときに、出会ったのが三浦綾子さんの「塩狩峠」の、 本だった。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 主人公の青年が、自らの命を捨て、列車の乗客を救った物語だ が、22歳の時に、私はこの物語を読み、泣いた。 「愛に生きる」とは、何と素晴らしいかと思った。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. この本の表紙の裏には、 「一粒の麦、地に落ちて死なずば、一粒の麦のままである。 しかし、死んだなら豊かな実を結ぶであろう」と、聖書の一節が 書かれている。私は、この言葉を何度も見つめた。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 当時、私は大学院で、バイオテクノロジーを研究していたが、 学生時代のボランティア活動を通じて、福祉の世界にのめりこん でいっていた。 そんな時、出会ったこの本。「福祉に生きよう」と思った。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 「化学会社には就職しない。福祉に生きたい。福祉施設の子供 たちや寝たきりのお年寄りのために生きたい」と言ったら、母が 目をまんまるにして、「和則、何を急にキリストみたいなことを 言ってるの。あなたは庶民の子なのよ、何を大それたことを、言 うの」と言ってびっくりした。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. この時の裏話を今日、教会で話すと、皆さん爆笑しておられた。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. その後、縁あって私は、旭川の三浦綾子さんのご自宅を、訪問 する機会があった。 分不相応なことでしたが、松下政経塾の上甲晃塾頭(当時)の 訪問に、便乗させていただいた。 お目にかかった時の感動は、言葉では言い表せない。 口述筆記をされているご主人、三浦光世さんもいらした。 私はひとこと、 「塩狩峠を読んで、福祉に生きようと決意しました。塩狩峠は私 の人生を決めた本です」と言うと、三浦綾子さんは喜んで下さり、 「塩狩峠」の本に「神は愛なり」とサインしてくださった。 その後、残念ながら、三浦綾子さんはお亡くなりになられた。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 今日、プロテスタントの教会を訪れ、ふと自分の20年前の原 点を思い出した。 このような私的なことを、メールマガジンに書くのはおかしい かもしれませんが、福祉の情報ばかりでなく、私の自己紹介を今 回はさせて頂きました。 山井和則 拝 |