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   やまのい和則の
     「軽老の国」から「敬老の国」へ

     - Yamanoi Kazunori Mail Magazine -

            第13号(2000/05/05)

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 メールマガジン読者の方、いつも私の拙いメールマガジンを読
んでくださり、有難うございます。
 まず、今日も「痴呆性高齢者向けグループホーム」の話題から。

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 グループホームのサービス評価について。

「痴呆性高齢者向けグループホーム」は、
「小規模で家庭的で痴呆をやわらげる効果」があるが、
一歩間違うと「密室でいい加減な介護」になりかねない。

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 私にも苦い経験がある。今から6年前、
サンフランシスコで「ボーディングケア」と呼ばれる形態を訪問
したことがあった。
これは、アメリカではやっている方法で、
「住宅地の民家でお年寄りを5〜6人預かり、そこに住み込みの
メイドを2人くらい雇うというケア」。
「グループホームに似て非なるもの」と言えようか。
あるアメリカ人の入居者であるおばあさんは、「ここに居るだけ
でぼけてきそうだわ!」と寂しげにつぶやいた。

「グループホームと似たような形態だが、これでは逆ではないか」
と私は思った。スタッフは賃金の安い移民労働者で、私が訪問し
た2日間にも、たびたびお年寄りをどなりつけていた。
生活リハビリも何もない。ほったらかし。

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 日本のグループホームはこんなことにはならないとは思うが、
危険性はないではない。
そんなことへの対応として、宮城県の長寿社会政策課は、このた
びグループホームのサービス評価指針をつくった。
内容はここでは詳しくは紹介できないが、外山義先生などをはじ
めとするメンバーが練ったものだけに、
素晴らしいものだ。
さすが、「福祉に強い浅野知事」の宮城県と感動した。

 でも、この評価基準を見て、考えた。よく考えれば老人ホーム
でも同様の評価が本来は必要ではないか、と。

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もう1つ政治とグループホームのトピック。

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今日、5月5日の日経新聞の朝刊で、民主党の衆議院選挙の公約
についてでていた。
【介護基盤の整備】とりわけ
【5〜9人規模の痴呆性高齢者向けグループホーム】を
【小学校に1つ(2万5000ヶ所)整備する】と出ていた。
これは、私が頼み込んで入れてもらった政策だ。

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「人里はなれた地価の安いところに大きな老人ホーム」を建てる
のでなく、
「住み慣れた地域に5〜9人規模のグループホーム」をつくれば、
「痴呆になったり、身体が弱って」も、
「地域のお茶飲み友達や家族と関係が切れない」。
「人間の愛を、もっとも必要とする人生の最後に」、
「はい、さよなら。地域とは健康な人だけが住むところよ」と言
わんばかりに、
「まちはずれの老人ホームに引っ越させる」今までのやり方は、
「人間愛に欠ける」のではないか。
これは、そこで働いている職員さんの問題ではなく、
「制度が問題」。

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「老いを地域で支える社会の実現のため」にも、グループホーム
が増えてほしい。

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「政党がグループホームに関心」を持ち、そして、
「新聞が、政党の公約としてグループホームを大きく取り上げる
時代」になったことが嬉しい。

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なお、
5月8日と25日に「グループホームの講演会」を奈良で開催。
また、5月12日には大阪で私の勉強会。
詳細は、私の「福祉のホームページの講演案内」を、参照してく
ださい。

いつも長いメールマガジンですみません。
                                          山井和則 拝

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