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   やまのい和則の
     「軽老の国」から「敬老の国」へ

     - Yamanoi Kazunori Mail Magazine -

            第5号(2000/04/01)

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「メールマガジン」を発行して、嬉しいのは、いろんな反響が、
すぐに返ってくること。

先日の「良い施設を、探しているおじいさんの話」については、
早速「空いている老人保健施設があるよ」と、アドバイスのメー
ルが来た。有り難うございました。

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 また、「スウェーデンと日本の福祉の違い」や、「参考にできる
点」の問い合わせのメールも来た。

 スウェーデンと日本との最大の違いは住居の広さ。

私は2年間、留学したが、スウェーデンは世界一住居が広く、
質が高い。

スウェーデンの話をすると、
「スウェーデンと日本は比べられない」と
意見が出るが、私は「老人福祉は国によって大きく違わない」と
思う。

国は違っても、同じ老人なのだから、理念は同じ。

実際、日本の介護保険は、
「1992年のスウェーデンのエール改革」という「福祉大改革」を
かなりモデルにしている。
また、スウェーデンの「痴呆のグループホーム」も、
結局は、日本でも「定着する」であろう。

必要なサービスは両国で変わらない。

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 ただ、大きな違いがあるとすれば、「サービス整備のスピード」
の違い。
スウェーデンは、
「老人ホームのグレードをアップさせて、老人集合住宅にする」
と決めたら「すぐ実行」。
「グループホームが痴呆ケアの切り札」とわかったら、
「すぐに普及」させる。

それに比べ、「日本の遅い」こと。
「老人ホームの個室化の論議はもう10年以上」やっているのに、
一向に進まない。今でも「町外れに四人部屋」の老人ホームが新
築されている。

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こんな【軽老の国】は、先進国で日本だけです。
情けなくて、悲しくて涙が出る。

 だから、私は、居ても立ってもいられず、福祉の研究者であり
ながら、「国政を目指して政治活動をしている」のです。

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 私が、初めて老人ホームで実習したのは、26歳のとき、熊本県
の老人ホームでした。
そのときのショックは、拙著「体験ルポ・世界の高齢者福祉」岩
波新書(岩波60選)、に書いています。

 その時、1か月間、家に泊めてもらって、お世話になったのが、
私の松下政経塾の仲間、香山祥一、真理子さん夫妻です。
このお二人のおかげで、私は26歳という非常に遅いスタートで
すが、老人福祉の勉強を始めました。

 その私の大恩人である、香山真理子さんが4月16日投票の、
熊本参議院選挙を、現在、戦っておられます。当選を切に願っ
ています。

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 なお、スウェーデンのエーデル福祉改革や、福祉政策、政治に
ついては、拙著 【スウェーデン発 高齢社会と地方分権 ー福祉
の主役は市町村 】(ミネルヴァ書房 1994年)、をお読み下さい。

 また、スウェーデンの福祉について、もっとも充実しているの
は、私の師匠、スウェーデン在住30年の奥村芳孝さんのホーム
ページ http://home.swipnet.se/okumura/ です。
是非、のぞいてみてください。

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山井 和則(やまのい・かずのり)

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