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   やまのい和則の
     「軽老の国」から「敬老の国」へ

     - Yamanoi Kazunori Mail Magazine -

            第3号(2000/03/29)

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先日、私の講演を聞いてくださった女性の方から、相談の手紙が
来た。

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私は講演の際には、事務所の電話、住所、メールアドレスなどを
常に資料の中に入れてお渡ししています。そして、

「介護などでお困りの時にはお気軽にご連絡ください。難しい相
談には乗れませんが、簡単な相談にはのれますし、難しい相談の
場合は適切な窓口を紹介します」と言っている。

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 あまり連絡は来ないが、それでも、「困ってるんです」と連絡
がある場合は時々ある。
正直言って、不勉強な部分も多く、私も忙しい。

が、うちの事務所のボランティア・岡本さんは、病院の相談員を、
40年間されていた方なので、岡本さんに教えてもらいながら、
可能な範囲で情報提供や相談にのることにしている。

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 これは困っている人の役に立つというだけでなく、自分の勉強
である。
研究者は評論家であってはならない。実際のケースに本当に役立
てるのか、自分が試され、制度の問題点も学ばされる。

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 今回の相談は、90歳のお父さんが脳梗塞で倒れ、半身麻痺。入
院中だが、そこも退院を迫られている。

柔道三段で今までは病気一つしたことのなかったお父さんは「死
にたい。死にたい!」と叫んでいるそうだ。
 相談は、よい病院を紹介してほしい、ということ。

「病院か?」と岡本さんはつぶやいた。

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「療養型病床(老人病院)」か「老人保健施設」か「特別養護老
人ホーム」か、医療を必要とすれば「療養型病床」だが、「特別
養護老人ホーム」のほうが居心地はよい。

 本当は「特別養護老人ホーム」がよいのだが「特別養護老人ホ
ーム」が満員なので、「療養型病床」に入らざるを得ない場合が
多い。
これが日本の問題です。こんな問題を介護保険で解決せねばなら
ない。

 医療が必要な人は「療養型病床」に、「特別養護老人ホーム」
でよい人は「特別養護老人ホーム」にと、ニーズによって施設を
選べるようにすることが「介護保険」のねらいだ。

それを実現するには、保険以外に公費(税金)で、「特別養護老
人ホーム」を増やすための、建設予算を大幅に増やすことが必要。

そうでなければ、いつまでたっても「特別養護老人ホーム」は待
機者の列で、選べない。

「よい施設は満員で入れないが、悪い評判の悪い施設は空いてる
よ」という情けない状況になるだろう。

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 私は、「いい加減な特別養護老人ホームは、入居者が集まらず
倒産する」時代が来なければ「高齢者福祉」はよくならないと思
う。
 今日、感じたことを書きました。ご意見あればお聞かせくださ
い。
              山井和則(やまのい かずのり)

(お詫び:昨日発行のナンバーは、第2号でした)

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