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   やまのい和則の
     「軽老の国」から「敬老の国」へ

     - Yamanoi Kazunori Mail Magazine -

            第3号(2000/03/28)

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老人ホームで講演会

3月27日、滋賀県のある老人ホーム主催の講演会で講演。
参加者は120人。
 嬉しかったのは施設長さんが、はじめの挨拶の中で
「大きな施設で、廊下を痴呆の老人に歩き回ってもらうのが、い
いケアだとは自分にはどうしても思えない。いずれは“グループ
ホーム”が必要だと思う」と、自分の施設の現状をあえて批判し
ながら「グループホーム」への期待を語ってくださったこと。

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私は毎年、多くの講演をしていますが、自分の講演や本の影響で
「グループホーム」が実現されることに、感謝感激です。
「グループホーム」の講演であれば、私は全国どこへでもボラン
ティアで駆け付けます。

それは、「グループホーム」は勉強ではなく【 運 動 】だから。

「グループホーム」が1か所できれば、その地域、その施設での
“痴呆性高齢者”を見る目が、変わるのだ。

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この日の講演では、介護保険の話は半分にして、残りはスライド
を使って「グループホーム」の話をした。
参加者の中には看護学生さんもいた。「グループホーム」の話に
なるといつも若者の目が輝く。

昨日、出版されたばかりの「グループホームの基礎知識」も沢山
売れ、施設長さんも買ってくださった。この「グループホーム
の基礎知識」を読んでもらい、ここでグループホームができれば、
私としてはもうそれだけで、本を書いた意味があった。

この施設長さんには、グループホームの解説VTR(私が出演した
グループホーム解説のテレビ番組)もプレゼントして、ぜひとも、
グループホームを具体的に考えてもらおう。

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今まで私は「グループホーム」の本を4冊書いた。
その内容の違いを説明したい。

 最初は、「スウェーデンのグループホーム物語」

これは「スウェーデンのグループホームの産みの親」と言われる
バルブロベックフリス博士の著(1987年出版)を、近澤貴徳君と
私とが、2年がかりで翻訳。

 世界初の「痴呆向けグループホーム/バルツガーデン」のルポ。
特に、私は「あとがき」に、本書を日本で出版した理由は、
「日本の劣悪な痴呆病棟」と「スウェーデンのグループホーム」
のあまりの落差にある、と怒りをぶちまけた。

「グループホームのバイブル」であり、私が「グループホームを
ライフワーク」にしたのは、この本の影響。

 出版のとき、3社の出版社にあたったが、
「グループホームなんか日本で増えるはずないでしょ」
「こんな夢みたいな本は日本では売れない」
「スウェーデンの夢物語」などと、編集者から言われ、涙した。
1993年のこと。「自分で売りあるきますから」と、ふたば書房に
泣きつき出版。

過去7年間にグループホームの講演を500回くらいして今までに
7000冊売れた。私の人生目標は10万冊売ること。
そうすれば、この本が日本で10万人に読まれたら、
日本の痴呆ケアは根本的に変わる。世界一になる。

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次は、1994年に出した「グループホームケアのすすめ」は、
残念ながら絶版。
 日本のグループホーム研究者、6人で書いた「日本初のグルー
プホームの本」。
 とってもよい本だが、今やまぼろし。
 鳩山邦夫さんがこの本を読んで、グループホームに関心を持た
れ、ファンになり、その後、私と共著を出すまでになった。

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 「グループホーム入門」、鳩山邦夫さんとの共著(1999年)。
鳩山さんと一緒に4ヶ所のグループホームを訪問し、そのルポも
交えて、グループホームの最新情報を満載。判りやすく良書。

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 そして、今回出版の「グループホームの基礎知識」

 グループホームの具体例は少ないが、
「最新介護保険のメニューとなったグループホームの最新情報」
「厚生省のグループホーム関係の通達」
「グループホームケアのポイント」
「グループホームとは」、について書くとともに、
「“痴呆ケアの切り札であるグループホーム”が増えないのは制
度が悪いからであり、このままではグループホームは絵に書いた
餅だ」と、批判。
「グループホームの立ちあげ方」から、
「グループホームの計画手順」、
「将来のグループホーム25000個所の夢」まで書いた。

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 「グループホームの基礎知識」というタイトルですが、
内容は「グループホーム運動に命をかける山井和則の叫び」とい
うところです。

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 シャープのザウルスでこの長文を書いたので疲れました。また、
今回も本の宣伝、自己宣伝になりましたが、お許しください。

 本について詳しくは、私の福祉のホームページ
http://yamanoi.wao.or.jp/ をご覧下さい。
 
             山井 和則(やまのい・かずのり)

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