東洋大師

2003年10月12日(日) 9日目
海部駅
<写真1 海部駅>
・・・明徳寺東洋大師へ 14.9km ・・・

 三連休初日の10月11日(土)夕刻、自宅を出発。宇治西ICから高速道路に入った。今年4月から京滋バイパスが大山崎JCTで名神高速道路とつながったので時間短縮できる。
 阪神高速が渋滞しているようなので吹田JCTから中国道に入り、神戸JCTを経て明石海峡大橋へ。
 淡路島を通過し、鳴門海峡を渡り、高速道路の終点である鳴門ICで降り、国道11号を徳島市内へ向かった。
 夕食は、国道沿いの一億という店で回転寿司を食べた。
 今晩は宿の予約ができず、車中泊なので、国道55号から少しそれるが、スーパー銭湯「えびすの湯」に立ち寄った。今回、車なのでこんなことができる。

 入浴後、国道55号及び県道24号を南下。立江や桑野、そして星越峠を経て日和佐町へ。さらに南下。
 海部町に着いたのは、午後11時半をまわっていた。
 夏、海部駅で見かけた足を痛めた猫が心配だったので、海部駅に行った。駅のトイレは開放されているが、駅舎は閉められている。
 いない。あたりを見回したがやはりいない。
 猫探しはあきらめ、車を国道から少し離れた空き地に停め、ここで車中泊とした。時刻は午前0時をまわっていた。

 10月12日(日)翌朝、携帯のアラームを5:30にセットしたが、起きたのは6:40だった。既に明るくなっていたが、雨が激しく降っている。雨なのでやめようかと、ふと思ったが、思い直し、昨夜購入したパンを車内で食べた。
 車で、海部駅<写真1>に向かい、トイレを借りた。猫はやはりいなかった。
 車は駅近くの大型スーパーの駐車場に停めさせてもらうことにした。
 レインウェアを着用し、スーパー駐車場7:12を出発。歩き始めた。
川をさかのぼるように国道を西に向かった。雨の中、早朝から釣りをしておられた。

 8:30道の駅宍喰<写真2>到着。たくさんの車が停めてある。サーファー達<写真3>が大勢来ているようだ。
 さらに南下。水床トンネルに入る。8:55トンネルを出る<写真4>と高知県東洋町との標識があった。通算9日目にしてようやく高知県入りした。雨はさらに激しくなってきた。

 9:15甲ノ浦の白浜海岸到着。広い駐車場があり、きれいなトイレ棟もあったが、ここには誰もいない。国道の電光標識<写真5>を見ると「高知県東部大雨注意報発令」とあった。10:00相間トンネル通過。

 10:20東洋大師<写真6>到着。通夜堂に入り、ザックから納札や数珠などを取り出した。
 このとき、カメラレンズに異変を見つけた。レンズがどんどん曇って来たのだ。さっきは異常なかったのだが、おかしい。
 とりあえず本堂でお参りをし、納経してもらった。
 通夜堂に戻って見ると、レンズの曇りは進んでいたが、境内や滝の方も撮影した。
 通夜堂に戻る。レンズはますます曇ってきた。昨日購入したおにぎりを2つと、ちくわを食べながら、レンズの曇りが回復するのを待ったが、曇りはとれなかった。

   東洋大師
道の駅宍喰
<写真2 道の駅宍喰>
宍喰海岸のサーファー達
<写真3 宍喰海岸のサーファー達>
水床トンネルを出る
<写真4 水床トンネルを出る>
高知県東部 大雨注意報発令
<写真5 高知県東部 大雨注意報発令>
東洋大師
<写真6 東洋大師>
・・・鹿岡へ 20.7km 合計35.6km 累計223.7km・・・

  ★東洋大師→法海上人堂★

 東洋大師での撮影はあきらめ、11:00出発。野根の集落を通過。街道沿いの町並みや沿道の花など撮りたいものがたくさんあったが、レンズは曇っている。
 僕には遍路道中を記録に残し、多くの人に伝えたいという望みがある。(少し言い過ぎか?)
 レンズなんとかならないものかと思いながら歩いた。
「野根まんぢう」が売られていた。いい幟だ。撮ろうとファインダーをのぞいても、まだ、レンズが曇っているのではっきり写らない。
 カメラ店があった。インスタントカメラを買おうかと思ったが、誰もいない。通過してしまった。

 11:17野根川を渡る<写真7>。川に二人入っておられる。橋も上にも人がおられた。話しかけた。
 「何が捕れるんですか?」 「あゆ」と一言、返事を頂いた。写真に収めたい。たぶんダメだろうとカメラレンズを見ると、曇りはとれていた。願いが通じたのだろうか?

 橋を渡ったところには「あゆ橋」という店があった。僕の渡った古い橋は、あゆ橋というのだろうか?
 雨も上がり、晴れ間も見え、夏のような雲<写真8>も出てきた。
 遍路道は、国道55号に合流し、さらに南下。

 11:47ごろごろ浜休憩所到着。地元のご老人がベンチに座ってラジオを聞いておられた。
 挨拶をし、話をした。しかし、わからない言葉や言い回しがあって半分ほどしか通じなかった。
 ごろごろ浜<写真9>は、確かにゴロゴロと波の力で擦れ、ぶつかり合う石の音がした。
 ここでは、ビデオムービーも撮り、11:55出発。

 いよいよ何もない道に入った。ひたすら歩き、法海上人堂に12:45到着した。


  ゴロゴロ浜ムービーへ
あゆ橋にて
<写真7 あゆ橋にて>
雲
<写真8 雲>
ごろごろ浜にて
<写真9 ごろごろ浜にて>
二人連れ
<写真11 二人連れ>
法界上人堂
<写真10 法海上人堂>
室戸市へ
<写真12 室戸市へ>
  ★法海上人堂→佐喜浜町★

 下のベンチに座って水を飲みながら休憩していると、二人連れがやって来られた。一人は歩き、もう一人は自転車を押している「ガイジン」だ。
 挨拶をすると、フランクに話をして来られた。「ガイジン」さんは、フランスご出身で、今回、自転車で京都府長岡京市から和歌山港を経て四国入りされたそうである。今日で四国5日目。
 もう一人は、千葉県からの学生さんで今日が8日目。通されるらしい。
 お二人とも荷物が大きい。今日は、牟岐から歩いてきたそうである。
 二人に先に行ってもらい<写真11>、13:17ここを出発。また雨が降ってきた。フードをかぶった。

 13:50室戸市<写真12>に入った。しばらく歩き、14:20小さな峠らしき所で自販機のペットコーラを購入し、手持ちのパンを食べながら休憩した。

 14:38入木川<写真13>を渡る。このあたりの川は、護岸工事をしていない。川が海に、自然なままに流れ込んでいた。

 15:30頃佐喜浜の町<写真14>に到着。久しぶりの町だ。戻りのバスとこの先のバス停を確かめるため、近くのバス停に入った。
 このあたりのバス停は、屋根付きベンチ付きの立派なものが多い。野宿もやろうと思えばできそうだ。
 16:08犬<写真15>がいた。後ろ足で立っている。可愛い。でも食べ物は、もう何もなかった。
入木川
<写真13 入木川>
佐喜浜町内
<写真14 佐喜浜町内>
立つ犬
<写真15 立つ犬>
★佐喜浜町→鹿岡★

 16:30頃、佐喜浜の町並みを抜け、再び海岸線へ<写真16>。
 陽は西に傾き、雲は赤みを帯びて来た。鳥<写真17>が岩から飛び立とうとしている。巣に戻る時間なのだろう。雨は上がったが、風が強くなってきた。海は荒れている<写真18>。

 夫婦岩<写真19>が見えてきた。今日は夫婦岩近くのバス停までと決めたので、今日の歩きもあと少しだ。
 16:52民宿尾崎前を通過。17:05民宿とくます前を通過。17:30夫婦岩通過。バス停が見あたらないので、もう少し先まで歩くことにした。もうあたりは薄暗い。

 バス停「荒神橋」17:40到着。バスを待った。17:55発だ。ソテツの木<写真20>があった。南国らしい風景だ。
 バス停立て札は室戸岬行き側にしかない。甲ノ浦方面に戻るので、バス停立て札の反対側で待った。
 定刻を少し過ぎてバスが来た。手を挙げて乗る意志を示した。しかしバスは、僕を避けて走り去ってしまった。
 唖然とした。

 しばらく途方に暮れたが、次のバスの出発時刻を調べ、ザックからメモ帳を取り出し、バス会社へ電話連絡しようとした。
 陽はとっくに暮れていて、ランプを灯さないとメモ帳の文字は、読めなかった。携帯電話のバッテリーも残り少ない。
 幸いなことに、バスはちょうど1時間後にあった。
 バス会社に携帯電話で、「次のバスに乗るので、バス運転手にバス停で止まるよう」連絡することをお願いした。

 バスが当てにならないので、ヒッチハイクを試みた。もし、車が止まってくれれば、バス会社にキャンセルの電話をすればいいと思った。
 しかし、こんな暗い中、止まってくれる車はない。のども渇いてきた。手持ちの食料もない。じっとしていても仕方ないし、バス停前の民家の犬が吠えてうるさい。相当怪しげな人物に見えるのだろう。

 もう少し歩くことにした。鹿岡第三、第二、第一、もう少し行けそうだが、今度のバスは、早めに来るかも知れない。
 118.8kmポストで18:45鹿岡第一のバス停に引き返した。
 あたりは真っ暗で民家の窓や戸からもれる光と僕のヘッドランプの光が届く範囲しか見えない。
 道路がカーブしているのでカーブの外側に立ってバスを待った。
定刻から少し遅れてバスが来た。今度は止まってくれた。バスの運転手は、連絡を受けていた。

   鹿岡バス停
再び海岸線へ
<写真16 再び海岸線へ>
鳥
<写真17 鳥>
荒れる海
<写真18 荒れる海>
バス停「荒神橋」にて
<写真20 バス停「荒神橋」にて>
夫婦岩
<写真19 夫婦岩>
運転手さん
<写真21 運転手さん>
・・・車中泊・・・

 バスに乗り込んだが他に乗客はいない。ここまで空の大型バスが走ってきたのだ。二人だけなので自然と運転手さんと話をした。
 この運転手さん<写真21>、大阪羽曳野のご出身で、数年前に高知に来られたそうである。普段からバスに乗るのはお年寄りばかりで、若い人(僕はそうとも言えないが・・・)は、まず、乗らないそうである。
 確かに、若そうな人が、一人立っていても乗るとは思えず、避けて通ろうと思うのも無理もないかなぁと思った。
 この国道55号は、さるや鹿、いのしし、ハクビシンなんかも出ると話された。
 また、この時期、たくさんのお遍路さんがおられて、先日は、スケボーでまわっている人を見かけられたそうである。これは、初めて聞いたことなので、僕もさすがにへぇ〜と唸ってしまった。
 運転手さん、今夜は甲ノ浦の宿舎でお泊まりで明日朝一番のバスに乗務されるということで、お疲れ様です。

 バスは、ほぼ定刻の19:31甲ノ浦に到着。次は19:35発阿佐海岸鉄道、甲ノ浦駅<写真22>19:35発の汽車に乗り換え、海部駅へ向かう。
 一両編成のこの汽車、乗客は最初、僕一人だったが、唯一の中間駅、宍喰で一人乗って来られたので、乗客は二人となった。
 終着の海部駅で汽車を降り、車を停めてあるスーパー駐車場に向かった。ようやく車に乗り込み、ホッと一息つけた。

 汗だくだ。夜遅いのでダメかも知れないが、道の駅「宍喰温泉」に向かった。外来入浴受付は、夜8時までだった。夜8時を10分ほどまわっていたが、入れてもらえた。
 お風呂には、他に二人入っておられた。少し塩辛い温泉で暖まり、冷水シャワーで足の筋肉をほぐした。夜9時近くまで入浴した。
 次は食事だ。この先、甲ノ浦方面には暖かいものを食べさせてくれる店がないかも知れないので、海部方面に戻ることにした。
 ここに来る途中、コンビニ横にラーメン屋を見かけたから。しかしこの店の灯りは消えていた。
 もう少しもどると「ミツ輪」というすしやが開いていた。
 ここで鍋焼きうどんと、にぎりを少し握ってもらった。

 今夜は夫婦岩駐車場で車中泊と思っていたが、思わぬアクシデントでもう少し歩いたので、明日、車を停めておく所を探しがてら、室戸岬の方に向かって車を走らせた。
 岬までは残り10km余り、結局、岬の駐車場まで来てしまったので、ここで車中泊とした。
甲ノ浦駅にて
<写真22 甲ノ浦駅にて>
ミツ輪
<写真23 ミツ輪>
2003.10.11(土)の会計 金額 2003.10.12(日)の会計 金額
高速道路 宇治西→鳴門 8150円 納経料 300円
夕食 回転寿司一億 1260円 ペットコーラ・ファンタ 250円
えびすの湯 600円 高知東部交通バス 鹿岡第一→甲ノ浦 1130円
コンビニ 明日の朝食・昼食他 945円 阿佐海岸鉄道 甲ノ浦→海部 270円
ペット茶、海部にて 150円 道の駅宍喰温泉 400円
11105円 夕食 ミツ輪 1500円
コンビニ 明日の朝食・昼食他 664円
4514円
合計 15619円
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2003年10月17日 記


           
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