12.焼山寺

2003年4月19日(土) 3日目
焼山寺へ
<写真1 焼山寺へ>
・・・十二番焼山寺へ 12.3km ・・・

   ★藤井寺→長戸庵★

 4月19日(土)十一番藤井寺山門前7:30到着。山門前で老父から「山に行くんじゃなぁ」と聞かれ、「はい」と答えた。


 昨日金曜日の夕刻京都を発ち、JR舞子駅から高速バスで徳島入り、夕食は駅近くの「はなや食堂」でミックスフライカレーと和風気まぐれサラダを食べた。そして、サミットプラザのカプセルルームで宿泊。今朝は5:30起き、5:55サミットプラザを出発し、JR徳島駅6:15発の阿波池田行きの汽車に乗り、JR鴨島駅6:52着。駅前の商店街を抜けて前回打ち終えた藤井寺に到着した。


 山門をくぐり、納経所前のベンチでザックを降ろし、白衣を纏った。そして本堂と大師堂で久しぶりに般若心経を唱えた。


 7:45藤井寺を出発<写真1>。山道に向かう。登路沿いにはミニ八十八カ所のお堂があった。山門を出なかったので、ずっと聖域内にいるような感じがした。山道<写真2>を登り始めてすぐ、展望のいいところに出た。少し前を歩いておられた方と、僕とほぼ同時に登り始めた方の三人で十番切幡寺はどの方向か話をした。 ガスがかかっていてよく見えない。山の山腹あたりでガスが濃い。三角形の尖った山のあたりだろうと見当をつけた。さらに登ると屋根とベンチがある端山休憩所に8:10着いた。ここは柵がしてあったので眺望がよくなかった。


 この先、水飲み場があったが、水は涸れていた。先を急ぎ、赤い幟のある長戸庵<写真3>に9:05到着した。大きなザックを担がれた二人連れの方々と、僕とほぼ同時に藤井寺を出発された方が休憩されていた。山桜<写真4>が咲いていた。僕は般若心経を読経したあと歩き出した。
遍路道
<写真2 遍路道>
長戸庵
<写真3 長戸庵>
長戸庵の山桜
<写真4 長戸庵の山桜>
 
   ★長戸庵→柳水庵★

 少し登り、眺望の開けたところ<写真5>に出た。ずいぶん登ったことがわかる。このあと緩やかに上り下りをしたあと<写真6>、最後はぐっと下り、10:15柳水庵<写真7>到着。自分を含めて十人のお遍路さんがおられた。ここが焼山寺までのおよそ半分の地点である。


 昨夜購入したパンを食べた。ここでも山桜<写真8>がきれいだ。木々や花々の写真を撮った後、10:40出発。
切幡寺を振り返る
<写真5 切幡寺を振り返る>
道しるべ
<写真6 道しるべ>
柳水庵の山桜
<写真8 柳水庵の山桜>
柳水庵
<写真7 柳水庵>
 
つづら折れのへんろ道
<写真9 つづら折れのへんろ道>
   ★柳水庵→一本杉庵★

 次は一本杉庵を目標に歩いた。一本杉庵へは途中から道が階段状になりつづら折れ<写真9>になっていた。十歩ほど歩いては足を止めて休んでおられる人がおられた。「足を止めて休まないで済むようにゆっくり歩いた方がいいですよ」と、声を掛けたりしながらゆっくり登った。


 一本杉庵への最後の階段が見えてきた。階段の下から見上げると大きな杉の木を背に菅笠をがぶっておられるお大師様<写真10>がおられた。階段を上り一本杉庵に11:30到着した。


 四人ほどお遍路さんが休んでおられた。僕は筋肉が冷える前にここを発った。
一本杉庵にて
<写真10 一本杉庵にて>
 
   ★一本杉庵→焼山寺★

 左右内への下り途中、焼山寺からの鐘の音が聞こえた。焼山寺の位置は確認できなかったがここから300m程下らなくてはならないらしい。山道を下りきった谷には畑や民家<写真11>があり、生活のにおいがした。僕とほぼ同時に藤井寺を出発し先を歩かれておられた方が休んでおられたので、この方と話しをした。この方は岡山で単身赴任をされている男性で、去年はバスでお四国を一巡されたそうである。


 左右内川の橋を12:20に渡り、再び山<写真12>に入った。30分ほど林の中を登り、林道<写真13>に出た。そこにちょうど、頃合いの石があったので休んだ13:00。心配していた雨がパラパラ来た。しばらくして岡山からの方が来られた。最後の林道は、この方とご一緒した。10分程で駐車場からの道と合流。焼山寺から駐車場に戻られる団体のお遍路さんたちがおられた。「こんにちは」とか「ご苦労様です」とか声をかけてこられた。バス3台分(100人)ぐらいおられた。


 参道は時計回りにまわり込み、焼山寺山門<写真14>への階段下に13:20到着した。柳水庵でパンを食べただけだったので、お腹がすいていたが先に本堂<写真15>、大師堂、納経所とまわった。
 焼山寺納経所では「自動車ですか、歩きですか」と尋ねられた。「歩きです」と答えた。自動車の方からは300円の駐車料を徴収されていた。


 納経所で職場上司のT氏から頼まれていた御影帳2000円を購入。僕もここで数珠を買おうと思っていた。奥のお一人が本紫檀といわれたのでそれにした。3800円。そのあと、うどん屋でうどん200円を食べた。林道の石で休んでおられた大きなザックを担がれた若い男性も食べておられた。この方はシュラフ持参、通しでまわられるようであった。

  12焼山寺
左右内へ
<写真11 左右内へ>
再び山道へ
<写真12 再び山道へ>
林道と合流
<写真13 林道と合流>
焼山寺本堂
<写真15 焼山寺本堂>
焼山寺山門
<写真14 焼山寺山門>
 
焼山寺石段下
<写真16 焼山寺石段下>
・・・ホテル四季の里へ 9.7km 合計22.0km・・・

 焼山寺を14:00に出発。雨は相変わらずパラパラ降っているが、汗をかいているので大したことはない。そのまま歩いた。山門をくぐり階段を下りた<写真16>。大日寺まで22.7kmとある。下りだ。
 焼山寺の山桜は散りそめだった。下り途中で雨がきつくなってきたので、ザックカバーを付けて帽子をかぶった。レインウェアまでは必要なかった。


 車道と合流してすぐ杖杉庵に14:30着いた。お大師様と衛門三郎氏の像<写真17>があった。お二人には帽子がかぶせられていた。像は等身大でなく大きいので帽子はお手製なのだろう。


 果樹園の中を下った。山道にところどころ露出している岩は、濡れていて滑りやすい。道が車道と合流して間もなく「おへんろ駅」<写真18>に15:05着いた。「こっちこっち」とお遍路さんから手招きを受けた。アメ湯の接待があるのでということだった。のど乾いていたので2杯頂いた。ここには5人の歩き遍路さんがいた。世間話のあと5人はほぼ同時に15:12出発した。


 歩き出してすぐ植村旅館方面との別れ道に着いたが、そちらに向かわれる方はなかった。一人はつじ荘、一人はさくらや旅館、一人と二人連れはなべいわ荘。そして僕はホテル四季の里だった。つじ荘に泊まられる方に聞くと同行二人別冊で四季の里は、奥に位置しているようだったので敬遠したそうである。別れ道を過ぎて道の左手にある桃の木が満開<写真19>だった。白い花の中に赤い花の枝が混じっていた。さし木だろうか。見事なバランスである。


 なべいわ荘前に到着し、ここで泊まられる方々を見送って先に進んだ。つじ荘とさくらや旅館の方々は先に行かれている。なべいわ荘を過ぎたところでまた別れ道に出た。地図で確かめようとしていたら軽自動車が止まった。窓を開けどこに行くのかと聞いて下さり、神山温泉への道を教えてくれた。そして「乗っていくか」と聞いてくださったが、「ありがとうございます。歩きたいですので。」と伝えた。


 左右内川に沿って下った。長い道のりに感じた。鮎喰川の橋を渡り三叉路<写真20>に16:05出た。右へ行けば剣山、左は徳島。左に折れ、寄井の集落に入った。さくらや旅館の前を通り旧街道を進む。地元の小中学生が挨拶をしてくれる。寄井を過ぎ、バス停に着くたびにバスの路線や次のバス停名を確かめながら歩いた。いよいよ今日の長い車道歩きも終わりに近づいてきた。神山温泉への分岐を右に折れ、ようやく神山温泉の町に入った。さらに街道を右に折れ、つじ荘が、その奥に明日香が、さらにその向かいにようやく保養センターとホテル四季の里があらわれた16:55。

  ホテル四季の里   
杖杉庵の像
<写真17 杖杉庵の像>
おへんろ駅
<写真18 おへんろ駅>
桃満開
<写真19 桃満開>
三叉路
<写真20 三叉路>
 
・・・ホテル四季の里にて・・・

 ホテル四季の里<写真21>の駐車場にはたくさんの車が止まっていた。改装工事中だったのでホテル横手から入りチェックインした。吹き抜けのいい感じのロビーである。部屋は203号ツインルーム<写真22>であった。部屋に着いてやっと一息。まず金剛杖を洗って立てかけ、靴を脱いでスリッパに履き替え、ホテルの浴衣に着替えてからベッドに倒れ込んでしまった。ベッドで「よく歩いたなぁ」と独り言をつぶやいてしまったが、「よく歩きましたねぇ」と言い直した。

 夕食は18:00〜20:00だったのでとりあえず温泉に向かった。保養センターが改装中だったのでホテルの大浴場に入った。ぬるりとしたいいお湯である。誰もおられない。頭と体を洗っている時一人入ってこられた。広い湯船をほぼ独占し、お風呂のジェットを足の筋肉に当てほぐした。

 部屋に戻ると19:00を過ぎていた。部屋のポットでお茶を入れ、2杯飲み干すとようやく空腹感があらわれたので、夕食<写真23>を食べに行った。夕食会場は隣の建物の地下である。見たところ一人の人はおられなかった。2人から4人のグループが主で、歩きらしき人はおられなかった。

 夕食後、ホテルのロビーで新聞を読んだ。そのあと部屋でTVを付けたら「ぼくの魔法使い」という帯ドラマをやっていた。少し見ていたがまた風呂に行った。今度は一人入っておられた。その方が上がると入れ替わりに一人入ってこられた。部屋に戻りTVのニュースを見た。明日も気圧の谷や前線、日本の南海上にある台風2号の影響などで天気は良くないようである。
しばらくして眠たくなり、外の様子も確かめず寝てしまった。
ホテル四季の里
<写真21 ホテル四季の里>
ツインルーム
<写真22 ツインルーム>
夕食
<写真23 夕食>
 
2003.4.18(金)の会計 金額 2003.4.19(土)の会計 金額
京阪バス 醍醐新町→山科駅 210円 JR 徳島→鴨島 440円
JR 山科→舞子 1620円 ペット茶 150円
高速バス 舞子→徳島 2900円 納経料 300円
はなや食堂 1082円 数珠 3800円
パン、行動食他 858円 うどん 200円
サミットプラザ宿泊代 3500円 ファンタグレープ 100円
コーラ 150円 ドリンク 120円
10320円 マッハ 120円
5230円
合計 15550円
 
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2003年4月27日 記


           
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