四万十川下田へ

2004年2月12日(金) 18日目
京阪特急
<写真1 京阪特急>
・・・四万十川下田へ 29.0km 累計490.7km・・・

 ★高速バスにて四国入り★

 2月12日(木)夕食後自宅を出発し、京阪宇治駅に向かった。京阪宇治線普通電車20:21発の中書島行きに乗車。中書島駅で乗り換え、20:45発の淀屋橋行き特急<写真1>を待った。
 特急は定刻に出発し座席に座った。デジカメのバッテリーが消耗していたので、ザックから予備のバッテリーを取り出し入れ替えたが、画面が出ない。こちらのバッテリーは完全に消耗していた。
 高速バスにはAC電源ぐらいあるだろうし、なければ、携帯電話のカメラもあるので、まあいいかと思ったが、不安は残った。


 京阪特急は、21:22淀屋橋駅に到着。階段を上り地上に出て御堂筋を北へ向かった。今夜乗車する高速バス(しまんとブルーラーナー)は、京都駅八条口を出た後、あべの橋を経て東梅田を最後に高速入りする。
 僕は御堂筋の西側を歩いたがバス乗車場は、道路の東側だった。道路は地上で渡れないので地下道を経由し、21:40東梅田バス乗車場に到着した。
 ちょうど新宿行きのカジュアルツインクル号が出るところだった。乗客の荷物はトランクに預けられ、ほぼ満席の様子。新宿まで4800円の激安バスらしい。
 しばらく待つと、宿毛・中村行きの高速バス<写真2>が来た。荷物は車内に持ち込むようだ。乗客は全部で5人。バス乗車場でこのバスを待ち、ここから乗り込んだのも5人だったので、京都からここまでこのバスは空だったようだ。


 バス運転手さんにAC電源のことを聞いてみたが、その装備はなかった。バスにはトイレがあり、お湯や水も出てセルフでお茶やコーヒーなどが飲めるが利用する人はおられなかった。
 僕はガラガラのバス車内<写真3>の三列シート中央に座りリクライニングシートを倒した。角度で30°ぐらいまで倒せるが、フラットとはならない。上向きに寝ることはできても横向きにはなれないので窮屈感はある。
 淡路島のSAでの休憩後、23:00発車前に運転手さんがバスカーテンを閉めてまわられ消灯となった。車内はかなり暗い。前回の高知港行きのフェリー二等船内より暗い。僕はすぐ寝た。バスは途中2時間ほど運転手さんの仮眠もあり停車したらしいが、夢の中だった。

      
しまんとブルーライナー
<写真2 しまんとブルーライナー>
高速バス車内
<写真3 高速バス車内>
 ★土佐佐賀駅から喫茶やすらぎへ★

 翌2月13日(金)朝5:50目覚めると、高速バスは車内灯がつけられ、道の駅あぐりに到着していた。運転者さんも含め誰も車内におられなかったので、僕も降り、トイレに向かった。前回、年末遍路の時にも立ち寄ったところだ。まだ夜は明けておらず、広い駐車場はガランとしていた。
 僕は自販機で暖かい缶コーヒーを購入しバス車内に持ち込み、手持ちのパンとともに食べた。高速バスは道の駅あぐりを6:00発。外は暗くてほとんど見えない。バスのヘッドランプに照らされているところだけが見えた。


 6:25土佐佐賀到着。運転手さんに土佐佐賀駅の方向を聞き、前回打ち終えた佐賀土佐駅<写真4>まで戻って身支度をした。
 駅には汽車が止まっていた。何人か乗っておられた。年末、土砂崩れのため土佐くろしお鉄道は不通となっていたが復旧していた。
 身支度をしている間も、車で送ってもらったり自転車で駅まで乗りつけた地元の学生服を着た生徒らが汽車に乗り込んでいった。


 6:37歩き出した。土佐佐賀の旧道を南下し伊与木川を渡り、6:55横浜で国道バイパスと合流。土佐西南大規模公園の入口あたりで、7:05雲の切れ目から昇ってきた朝日<写真5>を見た。今日も朝日が昇る前からの行動となった。
 土佐白浜の白浜海岸<写真6>を通過。進行方向である南の方角には、下弦の月が出ていた。左半分が輝く半月だ。大方町に入り、8:12井の岬トンネルを過ぎたところに井の岬温泉の看板があった。温泉つきモーニングサービスで740円。昨夜風呂に入れなかったので、少し気が傾いたがやめた。


 伊田トンネルをくぐり有井川を渡ったところにイオン水ペットボトルのお接待<写真7>があったので一本有難く頂いた。ありがとうございます。
 そしてお腹も少しは空いてきたので土佐上川口陸橋の先の喫茶やすらぎに8:55入った。モーニングセット<写真8>を注文し、デジカメのバッテリーを充電させてもらった。
      
土佐佐賀駅
<写真4 土佐佐賀駅>
朝日
<写真5 朝日>
白浜海岸
<写真6 白浜海岸>
喫茶やすらぎにて
<写真8 喫茶やすらぎにて>
イオン水のお接待
<写真7 イオン水のお接待>
松原大橋
<写真9 松原大橋>
 ★やすらぎから喫茶四馬路へ★

 喫茶やすらぎを10:00に出発。デジカメバッテリーの一本は、フル充電となった。これで心配はない。心おきなく写真が撮れる。
 海岸づたいに歩き、10:40車道と分岐した。競走馬の厩舎があったが、ここにいる馬はサラブレッドではなさそうだった。松原大橋<写真9>を10:51に渡り、入野松原<写真10>に入った。そう大きくない松林の間を歩いた。ランニングしている若者が数人おられた。同じ顔を何度か見たので周回されているようだ。
 左手には太平洋が広がっていて、サーファー<写真11>もおられた。


 円形の宿泊施設やレストラン休憩所を過ぎ、サッカーコートの横を通り車道と合流した。遍路道立て札に従い、11:50蛎瀬橋を渡り、小さな丘を超え、田ノ浦に到着した。小さな漁港だ。
 田ノ浦郵便局の前では、おばさんが小魚を天日干し<写真12>されていた。「何という魚ですか?」と尋ねると「コベラ、タイノコ、キビナゴ」と答えて頂いた。また、「食べていいよ」とおっしゃたのでお接待に預かった。半生でいい塩加減。美味だった。


 また歩き出した。車一台が通れるほどの狭い道が続いた。道の両脇には、ブロック塀で囲まれた古い家があった。道を歩きながら、30年ほど前に高橋洋子さんが出ていた「旅の重さ」という映画を思い出した。
 この映画は、家出同然に四国を歩きまわり、最後には小さな漁村で魚の行商をしている男と暮らすようになるストーリーだった。
 その映画に出てきたような小さな漁村や狭い道と古い家。ちょうどこんな風景だったと記憶している。


 田ノ浦の集落を過ぎ、バス待合所<写真13>の先で遍路道は大きな車道と合流し、海から少し離れた。そして、12:55スナック喫茶四馬路に到着した。
入野松原にて
<写真10 入野松原にて>
サーファー
<写真11 サーファー>
天日干し
<写真12 天日干し>
バス待合所
<写真13 バス待合所>
 ★四馬路から四万十の宿へ★

 スナック喫茶四馬路<写真14>には、50歳代ぐらいの男性二人が食事をされていた。お二人は漁師のようで、パチンコの話しもされていた。漁に出られない時はよく通っておられるようだ。
 僕はもう一本のデジカメバッテリーを充電させてもらい、新聞や雑誌を読みながらオムライスを食べた。

 四馬路を13:45出発した。単調な車道を歩き、13:55中村市<写真15>に入った。さらに単調な車道を歩き、14:10双海分岐到着。別冊地図によると、ここを右折すると四万十川大橋を経て国道321号に至るようだ。
 地図を見ているとおばさんに呼び止められた。「お遍路さん、パンでも食べていかんね。」
 さっき食べたばかりでお腹はいっぱいだったが、お接待を断ることはいけない。「はい、ありがとうございます。」と言っておばさんの方に行くと、店<写真16>の中に案内され、サンドイッチと唐揚のパックとバナナ3本を手渡された。
 思いがけないお接待に驚いてしまった。こんな僕にこんなにたくさんのお接待をして頂けるとは!
 おばさんは、歩いている人を見かけるとお接待しているのだとおっしゃられた。お礼を言っていると近所のおばさんらしき方が来られ、その方と話しをされ、僕には「気をつけて」と声をかけて頂いたので出発した。
 お接待というものが日常になっていると実感した。

 ひたすら南に向かった。陽は西に傾き、アスファルト照り返しが眩しい。14:45道は二股に別れていた。別冊地図によると金浜というところのようだ。地図の赤色に従って直進した。
 道沿いは畑が続いた。このあたりは高台になっていて大きな川もないようだ。陽光に畑の緑<写真17>が輝いていた。
           
スナック喫茶四馬路
<写真14 スナック喫茶四馬路>
中村市入り
<写真15 中村市入り>
陽光と畑の緑
<写真17 陽光と畑の緑>
双海の商店
<写真16 双海の商店>
四万十の宿
<写真18 四万十の宿>
 ★四万十の宿にて★

 今日の歩きもあと少しになった。15:14「四万十いやしの里」への道路標識に沿って左折。平野川に架かる神浦(しぐら)橋を渡り、15:24「四万十の宿」<写真18>に到着した。道路の反対側には、土佐西南大規模公園の「オートキャンプ場とまろっと」があった。

 今回の宿は、旅の窓口で予約した。予約時は17:00頃到着予定としたが、予定よりかなり早く着いた。
 チェックインして部屋に案内して頂き、荷物を下ろして金剛杖を清め立てた。部屋はベッドの洋室<写真19>で設備が新しくとても清潔な感じがした。
 着ていたものを洗濯しようと思いフロントに電話したが、洗濯機はなかった。
 僕は、部屋に用意されていた浴衣に着替え、「四万十いやしの湯」へ向かった。ここには温泉の他、薬湯(長壽湯)や海水を40℃ほどに暖めた海水露天風呂、サウナ、とても冷たい水風呂などがあった。
 しかしここの温泉はここで湧き出ているものではなく、井の岬温泉から運んでいるものだった。

 温泉から上がり部屋でゆっくりしたあと、18:10夕食を食べにレストランに向かった。ホテルの宿泊棟<写真20>には灯りが点され綺麗だった。レストランでは「山川海膳」<写真21>を注文した。
 今回旅窓予約でコーヒークーポンが付いていたので、夕食後ホテルのカフェバー菩提樹でホットコーヒーを頂いた。
 部屋でくつろいだあと、もう一度温泉に浸かり、BS放送でやっていたNHK紅白歌合戦の再放送を見ながら眠ってしまった。

     四万十の宿
洋室
<写真19 洋室>
ホテル宿泊棟
<写真20 ホテル宿泊棟>
山川海膳
<写真21 山川海膳>
2004.2.12(木)の会計 金額 2004.2.13(金)の会計 金額
京阪 宇治→淀屋橋 400円 缶コーヒー 120円
高速バス
東梅田→土佐佐賀
8800円 喫茶やすらぎ
モーニングセット
400円
9200円 昼食四馬路オムライス 500円
夕食山川海膳 海風 2100円
コーラ 150円
3270円
合計 12470円
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2004年2月21日 記


           
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