28.大日寺 〜 30.善楽寺

2003年11月24日(月) 13日目
道の駅やす駐車場
<写真1 道の駅やす駐車場>
・・・二十八番大日寺へ 8.5km・・・

 11月24日(月) 朝6:00起床。まだ暗い。奈半利線夜須駅の待合いに人がおられた。野宿のお遍路さんだと思い、話しかけると、霊場師と名乗られる方だった。お話を聴かせて頂き、お接待させて頂くと小さな御札の入った納札を下さった。
 今日は区切りの三日目。天気も今のところ問題ない。道の駅やす駐車場<写真1>を6:50出発した。

 香我美町に入り、無人島長平の像<写真2>前7:08到着。長平は、今から220年程前、嵐で遭難し、太平洋上の鳥島に流されるが、仲間と共に流木で船を造り、12年後、奇跡的な生還を果たした人物である。
 「如何なる難儀辛苦に遭遇しても挫折することなく、希望を捨てず、果敢に立向う奮闘的精神・環境の激変にも適応し克服してきた創造的生活力・更に共同生活の重要性など、苦難の生活を耐えぬいた壮絶無比なる長平の生きざまを師表としたい。」と讃えられていた。   ***像前の看板より一部引用***

 7:17赤岡町入り、A・MAX前通過。7:38野市町に入り、旅館かとり前通過。7:55高知黒潮ホテル前の三叉路<写真3>(幟立)到着。右への県道に入りたいが、横断歩道がない。車の切れ目で横断した。地元商店が建ち並ぶ道を行く。右(北)へ曲る標識を見逃したらしく少々遠回りしたが、龍馬歴史館前を経て、遍路道に入り、石段を上った。

 大日寺山門<写真4>前には、8:28到着。ここでおとつい中山峠で出会った方と東京練馬からのCさんに再会。僕はほんの挨拶をしただけだが、お二人はしばらくお話をされていた。
 本堂と大師堂<写真5>でお参りし、納経所へ向かった。納経所へ立派な門をくぐる。庭園も立派な造りだ。


     28 大日寺
無人島長平の像
<写真2 無人島長平の像>
黒潮温泉前三叉路
<写真3 黒潮温泉前三叉路>
大日寺山門
<写真4 大日寺山門>
大日寺境内
<写真5 大日寺境内>
・・・二十九番国分寺へ 9.0km 計17.5km・・・


 大日寺を8:50出発。すぐ下の土産物店の駐車場からは高知市内<写真6>がよく見える。石段を下り、民家もあいだの道を通り、広い車道と合流し、物部川の戸板島橋<写真7>を9:20渡った。ひとり歩き同行二人別冊によると、この少し先に接待所があるようだが、わからなかった。刈り入れの済んだ田んぼ<写真8>が印象的だ。

 田んぼの脇道で一人のお遍路さんが休憩されていた。横浜からのEさんだ。しばらく一緒に歩きながらお話を聴かせて頂いた。今回、三巡目で去年も同じような時期に来られたということだ。
 去年は、高知国体とそのあとのパラリンピックで宿の確保が大変だったらしい。
 地元もおばさんとも話をした。去年の国体の時は、この辺りの民家(おばさん宅も)で選手達を3、4人ずつ民泊させたらしい。その時、警察署から鍵をするようにお願いされたらしい。それまでは、このあたりでは家にあまり鍵をされなかったということだ。

 コスモス<写真9>が綺麗だ。Eさんによると、去年はもっとすごかったらしい。僕はデジカメで撮影したが、Eさんは、写メールされていた。カメラは荷物になるので二巡目から持ち歩かなくされたらしい。





 土讃線の踏切を渡ったところの「おもてなしステーション」<写真10>があったので休憩した。10:27到着。
 Eさんからコーヒー粉のお接待を頂いた。以前は、コーヒー粉なども置いてある接待所が多かったが、最近は、おへんろのマナーが悪くなり、置かれなくなってきたこと。また、用意してあるコップや湯飲み茶碗も洗わないでそのままにして出て行ってしまうものもいることなども話された。
 また、Eさんは、主な遍路道は歩き、距離の長い国道などは公共交通機関を利用して27日でまわるプランを作られていて、その計画書を見せてもらった。今回はその実践をしていると話された。

 Eさんは今日はゆっくり歩かれるということなので、先に出発した。僕と入れ替えで逆打ちされてきた方が「おもてなしステーション」に入られた。しかし、300mばかり歩いたところでさっき聞いたばかりの「湯飲み茶碗も洗わないで・・・」という言葉を思い出した。僕も湯飲み茶碗を洗うのをすっかり忘れてしまったのだ。引き返し、10:50再出発した。

 少し歩いて交通量の多い車道と合流し、右折した。へんろ石まんじゅう店前、巨峰農園前を経て、11:12国府橋を渡り、11:20国分寺山門前<写真11>に到着。本堂・大師堂とお参りし、納経所へ向かった。このお寺も納経所やその庭園<写真12>も立派だった。


      29 国分寺
大日寺下より高知市内
<写真6 大日寺下より高知市内>
物部川を渡る
<写真7 物部川を渡る>
刈り入れが済んで
<写真8 刈り入れが済んで>
コスモス
<写真9 コスモス>
おもてなしステーション
<写真10 おもてなしステーション>
国分寺納経所庭園
<写真12 国分寺納経所庭園>
国分寺山門
<写真11 国分寺山門>
柿の木
<写真13 柿の木>
・・・三十番善楽寺へ 7.0km 計24.5km・・・


 国分寺を11:40に出発。すでに葉っぱのなくなった柿の木<写真13>にまだたくさんの実がついていた。広い田んぼの中の一本道は緩やかに曲ったり、角を曲ったりしていた。11:55国道32号線をくぐった先の橋は工事中だった。向こうから一人の女性が歩いて来られた。逆打ちしておられた。「国分寺まであとどのくらいですか?」と訊かれたので、「田んぼの中の道を、道なりに2kmほどです」と答えたが、少し多い目に答えてしまった。

 別冊地図によると道は二手に別れる。僕はそのうち旧道らしき方を歩いた。車はほとんど通らなかった。旧道沿いの民家<写真14>には石垣が、積まれていた。台風時には、国分川が増水することもあるのだろう。
 12:18高知医科大学前と通過し、12:25蒲原橋を渡り、また旧道に入った。お腹が空いてきたところで12:35スーパーなかがわを発見。隣にニューやすらぎ<写真15>というお好み焼きの店があった。
 店に入り、お好み焼きを焼いてもらってる間に、おにぎりとお茶を買いにスーパーに入ったが、おにぎりは売り切れだった。カレーパンとお茶を購入した。

 店のおばちゃんは、香川県までしか行ったことがないと言っておられた。店には、一日に何人か日本全国から来られるお遍路さんが立ち寄られるそうだ。そのお遍路さんたちと話すのが楽しみだとおっしゃておられた。
 しかし、昨日(11/23)報道されていたニュースの「南国市の女子高校生が自宅で子供を産み、殺害した事件」のことを残念そうに話されていた。昼食後ここを13:00出発。



 民家やアパートの立ち並んだ先に、刑務所の塀が丘の上に見えた。13:20県道384号線と合流し、少し上って逢坂峠を越え、13:25南国市から高知市に入った。遍路道は、一宮墓地公園で左に折れ、階段を下った。高知市内<写真16>が望めた。住宅街の中を通り、県道384号線を横断し、30番善楽寺に13:47到着。本堂<写真17>、大師堂<写真18>、納経所とまわった。

 納経帳をザックにしまっている時、昨日の赤野休憩所でご一緒した熊本からのDさんから声を掛けられた。僕は今日のこの先で”打ち終え”だが、Dさんは今回の区切りで宿毛まで行かれる。天気予報では、今日は朝からぐずつくとのことだったが、ここまでは、恵まれた。
 この先の天気の安定と旅のご無事を言葉にしてDさんと別れ、14:05善楽寺を出発した。


     30 善楽寺
旧道沿いの民家
<写真14 旧道沿いの民家>
ニューやすらぎ
<写真15 ニューやすらぎ>
一宮墓地公園より高知市内
<写真16 一宮墓地公園より高知市内>
善楽寺本堂
<写真17 善楽寺本堂>
善楽寺大師堂
<写真18 善楽寺大師堂>
・・・JR土佐一宮駅へ 1.3km 合計25.8km 累計335.6km・・・

 遍路道は、一宮神社<写真19>の参道を経て、県道384号線に出た。神社前の交差点が工事中だったので、ひとつ北側の信号<写真20>で横断した。遍路道の標識<写真21>は、竹林寺へ「川沿い右折」だが、直進し、駅に真っ直ぐ向かった。

 JR土佐一宮(とさいっく)駅<写真22>に14:30到着。駅前のスペースには自転車がたくさん止めてあった。今回はここで”打ち終え”なので菅笠、白衣、輪袈裟をはずした。
 地元の高校生たちが、駅ホームのベンチで座って列車を待ちながら、話しをしている。メールのやりとりもしているようだ。どこにでもある風景。日常へ戻った感じがした。

 乗車する後免方面の列車は14:45発だった。階段を上り、向かい側のホームで列車を待った。定刻通りに来た一両編成の列車に乗り、後免駅<写真23>で奈半利線に乗り換えて、15:22夜須駅に到着した。

 自動車内で着替えをしてから15:40出発。国道55号線から32号線を経て、南国ICに向かった。南国ICの手前のガソリンスタンドで給油もした。空が暗くなってきたが、夕暮れの時刻には少し早い。雨が今にも降り出しそうになってきたのだ。
 南国ICより高知自動車に入り、連続するトンネルの途中から雨が降ってきた。予報通りだが、今回、僕は歩きの間、雨に見舞われずにすんだ。

 雨の中、先を急ぎ、瀬戸大橋経由で帰京したのは午後9時半を過ぎていた。

     JR土佐一宮駅
一宮神社
<写真19 一宮神社>
一宮神社付近
<写真20 一宮神社付近>
竹林寺へのへんろ道
<写真21 竹林寺へのへんろ道>
後免駅にて
<写真23 後免駅にて>
JR土佐一宮駅
<写真22 JR土佐一宮駅>
2003.11.24(月)の会計 金額
納経料3寺 900円
お茶、カレーパン 224円
お好み焼き 300円
JR土佐一宮→夜須 750円
三木SA カツカレー 680円
缶コーヒー 120円
高速道路 南国→宇治西 10450円
ガソリン代 800km 5740円
19164円
合計 41287円
累計 190949円
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2003年12月6日 記


           
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