第五十九回  "イギリスって疲れるんです。なぜかって・・・"
  



前回アンダー23サッカー日本代表の
アテネオリンピックアジア予選の話を
書きましたが、
この一ヶ月の間に日本ラウンドが行われ、

危なかったものの見事日本はアテネオリンピック
出場権を得ました。


A代表はドイツワールドカップアジア予選で
シンガポールと戦い
アウェイとはいえ
格下であるにも関わらず大苦戦!

薄氷を踏む思いで何とか勝利を得ました。
まあ、両方とも何とか勝ったので良しとしましょうね。

さてさて、スウェーデンに帰った私たちを
待っていたのは
「夏休み」を北欧で過ごそうと
やってきた友人や家族の訪問でした。

友人も突然やってきて、我々を驚かせました。
驚くのは驚くのですが、
日本人の友人の訪問は大歓迎!

なぜって、懐かしいだけではなくって
色んな情報が入手出来るからです。

だって、日本のニュースなんて入ってきませんからね!

突然やって来るのも情報というか、
事前の連絡がなかったからです。

今ならインターネットでメールをやりとりすれば
簡単に連絡が安価に取れますが、
当時はまだまだ普及していなかったので、

主なやりとりは国際電話と国際郵便という事になります。


郵便もなれないと非常におっくうなので
本当に手紙も来ませんでしたね。
留学しているもの同士がアメリカとスウェーデンで
国際郵便をやりとりしていても、
日本からはなぜかなかなか郵便も来ない、

友人に手紙を出しても返事が来ない…。

こういう、寂しい思いをしたものです。

          


 ●ウエストミンスター寺院●
そして家族では、今回8月の最後に家内のお父さんが
一人で訪問されることになっていました。
昨年はお母さんもご一緒でしたが、
今回は都合によりお父さんだけ…

英会話もあまり得意でないと
おっしゃっていたお父さんが一人で
東京からスウェーデンまでの飛行機の長時間の旅!
これって結構勇気がいる行動であるはずです。
マルメのホーバークラフトのポートに
お父さんの顔を見つけるまでは、
それは、ドキドキしたのを覚えています。

約2週間の滞在ですので、
ゆっくりと案内しようと言うことになりましたが、
折角ヨーロッパに来られたのだからと
今回はイギリスに(我々も行ったことがなかったので)
ご案内しようと言うことになりました。

ルンドはもちろんですが、
マルメやヘルシンボリといったスコーネの街や
古城を案内しゆっくりとした時間を
過ごして頂いたつもりです。


●ピカデリーサーカス●
そうそう、得意の「ガラスの大国」へも
もちろんご案内しましたよ!
道中は森を抜けていき、湖を通って、
なかなか情緒があるドライブになりますからね。
これは、我々の得意なお客様案内コースでした。

そして最後にイギリス旅行をセットしました。
ヒースロー空港で我々はスウェーデンへ、
おじいちゃんは成田へという算段です。
例によって妙に飛行機慣れした我々家族は
コペンハーゲンからヒースロー空港へ着きました。

パスポートコントロールがあって、
係官と話をしますよね。
ココで今でも語りぐさになっている会話があります。
ヒースロー空港の係官にスウェーデンに住んでると
伝えると、
「おまえはスウェーデン語のリズム、
アクセントの英語をしゃべる」
と妙なお墨付きを頂戴しました。


●バッキンガム宮殿●
イギリスでは地下鉄を利用したり、
テムズ川の船に乗ったり、
歩いたりして色々と見て歩きました。

ところが…不思議なことに
イギリスではとても疲れるのです。
今までの2週間、3週間を使っての
自動車の旅よりずっと行程は楽なはずなのに…
なぜなのか分析してみますと…
目に入るものは全て読んでしまう、
アナウンスも会話も、一生懸命聞いて
理解しようとしている自分たちに気がつきました。

当たり前ですがイギリスは英語の国。
目に入る文字も、耳からはいる言葉も全て英語。
スウェーデンでは案内板も看板も
読むのではなく見ていたんですね。
耳からはいるスウェーデンの人たちの会話も、
さらりと流していたのだと解りました。
それを、一生懸命に聞いて見て…疲れるわけです。




  ●大英博物館●
大英博物館にももちろん行きましたが、
約1時間しか時間がなくとても残念でした。
つい先日まで神戸で
「大英博物館展」をやっていたので、
是非見に行きたいと思っていましたが
見のがしてしまいました。

本屋さんには長時間滞在し、
英語の専門書を買い込みました。
パブには行きたかったけれど、
子供がいるので入れてもらえませんでした。

イギリスの食べ物は本当にお世辞にもおいしいとは
思えないものが多かったなー。
フッシュアンドチップス、
正直これもあまりほめられたものではないとおもいます。
最近日本マクドナルドが
フィッシュマックデイツパーなるものを発売しましたが、
これは、なかなかおいしいですよね。

要所要所は見たものの、
やはり大英帝国の歴史や文化に触れるには
(食文化は別です)とても時間がなく家内と
「また必ず帰ってこよう」と誓い合いました。

まだ、残念ながら実現していませんが…。


 ●タワーブリッジ●
あっという間に時間が過ぎて帰国の日になりました。
空港まではタクシーを利用することにしました。
例の「ロンドンタクシー」に乗りたかったのに、
残念ながら普通のタクシーでした。

おじいちゃんと空港でお別れして、スウェーデンへ…。
みちるやはるなも二週間一緒に過ごすと
ずいぶんおじいちゃんになれてきますが、
丁度その頃にお別れになるのです。

9月がやってきました。
帰国まで後4ヶ月の予定です。
そろそろ、準備しなくっちゃ。