第五十五回  "アムステルダムの明と暗"
  

  








12月になりましたね〜。
今年の日本は妙にあったかい日が続いています。

そうそう、一緒にルンドで過ごした友人から
メールが来ました。

「今ルンドにいる」って…。
思わず懐かしいものを「送って」と
リクエストしてしまいました。

何をリクエストしたかって?
まず、ゾエガのコーヒー(スコーネロースト)、
それからアンクルベンのお米(いわゆる外米)
それと、シロップです。


何でかって?
スウェーデンのコーヒーは前にも書いたかな〜
寒い国ですから全部輸入です。
多くの日本人のかたがたには評判が悪いのです。
たき出したようで濃くって苦くってまずいって。
でもそれに慣れるとこれがこくがあって
"おいしいもの"に変化するのです。


スコーネロースとは文字通りスコーネ地方で
好まれる焙煎
という事だと思うのですが、
さらに焙煎が強いのです。

一度癖になるとやめられません。

アンクルベンのお米はラトコ直伝の
ユーゴスラビア料理

「パプリカのお米とミンチ詰め」に必要なんです。

過日、家内が東京で良質のパプリカが手に入る
お店を発見したので、
是非手に入れておきたかった
ってわけです。

シロップは毎年作っている
「ペッパコッカ」を作るには欠かせない材料です。

  ここは、ひとつお願いしようということになったわけです。
  それで、メールをやり取りしていると横からみちるがリクエスト、「車の形のグミ」がほしいって。
  最近輸入食品店でドイツやスウェーデンでよく見かけた「クマのグミ」はよく見かけるように
  なりましたが、なぜかこの「車のグミ」は見ないです。
  でも、はるなもみちるもなぜか「車のグミ」がお気に入りなんです。
  乳白色で透き通ってないんです。
  もし、このグミを売っているお店に心当たりがある方がおられましたら、
  ご一報ください。早速送ってくれたとのメールが届きましたので、
  今から楽しみです。スコーネローストはアドベント期間なので
  「クリスマスパッケージ」もあったってことで送ってくれたようです。
  そういえば、クリスマス期間はそんな特別なパッケージがあったっけ
  と家内と懐かしく話しました。

  ついつい、前置きが長くなってしまいました。
  今回はアムステルダムでしたよね。

  
  ●りんごのマークの
   可愛いホテルだったのですが・・・
前に大都市では本当に何度も何度も
痛い目にあっている我々、つとめて大都市は
避けて通っていたのですが、今回ばかりは避けられず、
観念しアムスに入ることにしました。
そして、夕刻までには十分に時間に余裕を持って、
中央駅にあるツーリストインフォメーションに行きました。

家族4人であること、車があって駐車場がいること、
でも車があるので街の中心部でなくてもかまわない
といいました。すると、インフォメーションのお姉さんは
あるホテルを紹介してくれました。
チョッと郊外になるけれど、セントラムにもバスで一本だし
駐車スペースもあるしファミリーにもピッタリのホテルだと。
地図を片手に家内のナビゲーションでホテルにチェックイン!
リンゴのマークの可愛いホテルでした。

フロントもお姉さんばかりでソフトな感じ、
我々の部屋は3階だったと思うのですが
階段しかなくかなり急な階段をスーツケースを
引っ張り上げたように記憶しています。
共同のシャワーしかない部屋が中心だったようですが、
我々の部屋はバストイレつきのチョッとリッチな部屋でした。
その後、バスでセントラムに行きまだ日も高く
時間もあったのでカナルトリップ(運河めぐり)の遊覧船に
のりました。
   
   ●運河めぐりの遊覧船に乗りました
アムステルダムが運河の町といわれるゆえんが
わかったような気がします。
なんとなくこの町の概観が
解った様な気がしました。
それから、マダムタッソーの蝋人形館にも

足を伸ばしました。夕食をダム広場の端っこにある
中華料理店で済ませ
ホテルにもどり、大都市での
"おだやか"な一日が終わりました…。

ところが…夜中、
まだまだ起きる時間じゃないはずなのに…

ドンドンドン、ドンドンドンとあっちの部屋といわず、
こっちの部屋といわず、
ドアを叩く音で目が覚めました。
男性が走り回りなんやらどなっています。

気配をうかがうと、だんだん我々の部屋に
近づいてきます。
ついに、我々の部屋の戸が
ドンドンと…でも幸か不幸か言葉が分かりません。

つたない英語でしかも声も震っていたような気がしますが
「言ってることが解らん」と反応したとたん、
今度は"Help me!!""Help me!!"
って英語で叫び出しました。

「ドアを開けてくれ」「助けてくれ」
と確かに聞こえるのですが、
夜中にそんなことを
言われておいそれと開ける訳にもいきません。


 ●アンネフランクの像の前で
そして、程なくすごい水しぶきの音が…
もしかして火事でも起こったのだろうか?!
なにより、これはすごい事件です。
とても、恐ろしい事に巻き込まれてしまった
という恐怖はものすごいものでした。
直ぐに逃げた方が良いの?
それとも部屋からでない方が良いの??
非常口はどこ???
私と家内は大混乱!!
何分ぐらいこの騒動が続いたのか…正直解りませんが、
子供たちは何もなかったかのように
この間中ぐっすりと寝ていました。

静かになったのを見計らって火事ではない事を再確認して
再度眠りにつきました。
翌朝、可愛いお姉さんばかりだったフロントには
頑強なお兄さんが複数で座っており、
誰のものか解らない荷物がホテルの玄関に放置されていました。
そして、朝食時にげっそりとした宿泊者たちが集まったところで
オーナーからの説明がありました。
よく聞くと、どうも麻薬中毒者が泊まっていて
幻覚状態で消火栓まで開いて大暴れしたというのが
その真相のようでした。あ〜〜〜こわって、真剣に思いました。
同時に「昨日の宿泊は無料だよね!」って
家内とアイコンタクトを送りあったのですが、
こんな事は日常なのか?
そういうありがたい申し入れはありませんでした。

         


●アルクマールのチーズ市
それから私たちは、眠たい目をこすりながら、
元気いっぱいの娘達を連れてみどころを押さえようと
市内観光に出かけました。ゴッホ博物館、国立美術館、
アンネフランクの家、西教会等々を見て回りました。
そうそう、ここで不思議なものを見つけました。
四葉のクローバーのたね?!
思わず買って帰って育てたら確かに四葉が出てきました。
それと、コロッケの自動販売機??
自動販売機ってヨーロッパではあまり見かけません。
治安の問題なのかな?
でも、オランダではなぜかコロッケの自販機がありました。
それが意外とおいしいんです。
チョッとはまってしまいました。

昨夜は眠りが浅かったのでしょうね、
グッスリ眠って翌日はチーズ市で有名なアルクマール、
キンデルダイクの風車等を見学しました。
まさに、オランダという、イメージどおりの風景でした。

オランダの明と暗を見た思いがしたアムステルダムでした。