第五十三回  "屋根のない博物館"    


    ●どうです。この眺め!!
10月に入って急に寒くなってきました。
今年は本当に「良い季節」無かったですね〜。
稲の生育も悪いようで、不作が予想されています。
風邪をひかないように注意して下さいね。

告白します。

ヨーロッパの国々の中で
どこが一番良かったですか?と聞かれたら、

私はベルギーと答えます。
(スウェーデンはもちろん「別格」です)

行っていない国もあるので、もちろん偏見に満ちた
勝手な意見である事は
ご容赦下さい。

でも、それくらい私にとっては特別な国、
また行きたい国です。

その中でも、ブルージュは本当にステキな街です。
ブリュッセルを出て、
その目的地はゲント、ブルージュです。

今回の旅行の目玉と言っても良いかもしれません。

ゲントやブルージュって皆さん、ご存じですか?
ゲントは「青い鳥」の作者、メーテルリンクの故郷
としても知られて
いますが、おとぎ話に出てくるような
街です。
ゲントでは「フランドル伯の城」
に立ち寄りました。
どうです、この眺め!!
煉瓦造りの家々、鐘楼、教会、
本当に美しい街並みです。

しかし、これで驚いちゃあいけません。


●ブルージュは橋がたくさんある町です。
ブルージュは「橋」という意味で文字通り
「橋」の多い町というか運河に囲まれた街なんです。
従って、街の内部に入るには「橋」を渡らなければ
入れない訳で、橋が沢山あるわけです。

歴史的には文書の記録にもブルージュは
9世紀ごろから残っているそうで、
ヨーロッパでも有数の古い街といえます。
かつては水運を通じて北海ともつながり、
ハンザ同盟の町として毛織物の交易で栄えたそうで、
その頂点を15世紀頃に迎えています。

次第に水位が変化したため大きな船が入れなくなり
陸の孤島となり中世以来時の流れを止めてしまった
街です。中世がそのまま残る市街の美しさは素晴らしく、
絶品です。本当に中世にタイムスリップしたような感じが
します。ブリュッセルのグランブラスで感動し今度は
ブルージュで感激しました。
別名、「中世の運河の都」「屋根のない博物館」
と言われるゆえんです。
  
  ●ブルージュのシンボル鐘楼
海を隔てておとなりはイギリス人なので
イギリス人の観光客がとても多いそうです。
それにしても、その日のブルージュの街は、
驚くほど人が多い気がして不思議でした。
例によってツーリストインフォメーションで
宿を決めようとして解りました。翌日が
ブルージュシティーマラソン(正式名称は知りません)
の日だったのです。

街の中にはそのせいか?宿が無く、
車で15分ほど離れたところにある宿を紹介されました。
問題なく行き着いてチェックイン!
街を散策に帰ってきました。町の中心部には車で入れず、
周囲に駐車場があり車をおいて散策と相成りました。

先ずは、運河を船で観光しました。
ぐるーっと運河を船で回りますが、
それでこの街の大きさ、概要がつかめました。
親子4人徒歩で充分観光できることが解りました。



●鐘楼を上ると中の鐘をみることができます。
ブルージュのシンボルは、この街を取り巻く運河と鐘楼です。
83メートルの鐘楼には366段の階段で登れますので、
例によってみちるを背中にのぼりました。
途中で47個の鐘をみることができます。
カリヨンコンサートが定期的にあって、
自動演奏装置の仕組みがみられるようになっています。

マルクト広場には鐘楼とともに市庁舎があります。
夕日を浴びたブルージュの市庁舎もとってもステキです。
(冒頭の写真をご覧ください。)

歩き疲れて夕食をと言う時間になりました。
マルクト広場の周りはカリヨンの音を聞きながら
ゆっくりできるオープンカフェやレストランが
たくさんあります。私たちもその日の夕食は久しぶりに
ゆっくりと、そしてチョッとおしゃれで贅沢に
マルクト広場に面したレストランと決めていました。

ベルギーで是非食べようと思っていた
「ムール貝のワイン蒸し」をこのシチュエーションで
絶対に食べようと思ったからです。
バケツ一杯のムール貝をむしゃぶるように食べて
大満足でした。本当にベルギー料理はおいしいです。
失礼な言い方になるかもしれませんが
「田舎風フランス料理」という雰囲気で
ソースもおいしく何といっても安いのです。
おまけに量も多い!! ステキです。


  前にも書きましたがスウェーデンで外食は高くってできません。
  外食はバーガーキングかマクドナルド、せいぜいデパートのカフェでした。
  そのギャップからか、本当に至福の時をベルギーで過ごしました。
  (チョッとオーバーかな)

  そうそう、マクドだって違うんですよ。
  ベルギーではポテト(フレンチフライって言わないと通じません)
  になんとマヨネーズが付いてきます。もちろん無料です。
  味もおいしくってサイズだって、LLL位あります。
  (このマヨネーズ国境を越えるとついてこなくなります。)
  面白いですよね、食習慣って。

  明日はアントワープを見に行ってオランダに入ります。
  オランダは思い出したくない、
  でも忘れられない想い出が一杯あります。

  次回はそのお話しを。