第四十七回  "発表会と・・・"


●みんなおそろいのチュチュと
手にリボンをつけて踊りました。
 
両親とのヨーロッパ周遊の旅も今日で終わり。
我々は一足先にドゴール空港に向います。
なぜって、実は今日は
はるなのバレーの発表会なんです。

スタッドパーケン(市中公園)内にある体育館で
午後3時開演です。


はるなは週一回、バレーを習いに行っていました。
当時、ルンドでもスイミング、バレー、ピアノ、
柔道、サッカーや
乗馬といった、
いわゆる"おけいこごと"をする子供達はいましたが、

日本のように加熱していなかったと記憶しています。

はるなのバレーにしても、
なが〜いクリスマス休暇、夏休みと、
実に
気楽?気軽??に楽しんでいました。

30〜40人が一クラスで
なんと"ピアノの生演奏"つきのレッスンで

一ヶ月130SKr(当時のレートでも3400円)でした。
その発表会の朝我々はまだパリのホテルで
朝食を取ってるってわけです。

両親にお別れを言って、
はるなは発表会の健闘を誓って、
いざ空港へ…。

時間がギリギリなので、
コペンハーゲン空港からはSASのマルメへの

ホーバークラフトをブッキングしていました。
知る人ぞしる、このSASのホーバークラフトは
船?なのに
フライトナンバーが振られている
立派で不思議なフライト?なのです。


チケットはドゴール空港からコペンハーゲン
(エアーフランス)経由

マルメ行き(SAS)ということになります。
それで、ドゴール空港のエアーフランスのブースで
チェックインしようと
すると…。
「そんなフライトはない」と
チェックインさせてくれないのです。


      
  ●原っぱには黄色いタンポポや
白いツーザンローズが咲みだれます

数々のトラブルを乗り越えてきた我々です。
簡単には引き下がれません。
英語で一生懸命説明するのですが…
ノンノンとフランス語で返事。


SASに聞いてくれ、このフライトはあると
必死で説明を繰り返しますが、

運悪くエアーフランスの出発ゲートと
SASの出発ゲートは
離れていて要領を得ません。
電話等で色々と連絡してようやくOKをもらったのは
搭乗開始直前でした。


その間に、とんでもない"ケンカ"を目撃しました。
空港のロビーで日本人の新婚カップルとおぼしき
カップルが真剣にやりあっているのです。
成田離婚なる新語を聞いていたので
"あっ、これだ!!"と思い、
こちらの方も気になって仕方ありません。

ワーワーと英語や日本語でまくし立てる日本人で、
ゆっくりと旅の余韻に浸っている方々には
本当にご迷惑だったと思います。


●両親たちには本当はこの頃にきて欲しかったのにな・・・
なんとか飛行機に搭乗し、
ホーバークラフトに乗り継げました。

コペンハーゲンでの乗り継ぎ時間は約15分。
あっという間にマルメに着いてしまいました。
預けた荷物を受け取ろうと思うと…
乗り継ぎ時間不足でまだ荷物はコペンにあるとのこと。

発表会には間に合ったと胸をなでおろした瞬間に
一難去ってまた一難。

どうしよう…すると
「お時間をお急ぎなら自宅まで届けます」

との嬉しいお言葉。
よろしくとお願いし、早速ルンドへ、
めったに乗らないタクシーで
フィエリエベーゲンを目指します。

着くやいなや、早速スタッドパーケンへ、
発表会の集合時間には
"予定通り"の滑り込みセーフ!!

  はるなはこんな数々のトラブルを乗り越えての発表会だなんて知りもせず、
  生き生きとお友達と一緒に楽しそうに踊ってくれました。
  バレーの発表会なんていうと、とてもたいそうですが、
  これもスウェーデンの学芸会と同じで事前の練習や打ち合わせも全くなし。


いつもと違うところは、普段の練習着に
みんなおそろいの
かわいいチュチュをつけて、
手にリボンを付けたところでしょうか?

ちなみに今回のダンスのテーマは
「アンデルセン」だそうです。


あーつかれた、だって本当に朝ご飯をパリで食べて
飛行機でスウェーデンに帰って発表会をしたのですからね!

本当にインターナショナルでしょ。
あのころは、そんな無謀なことがへっちゃらで
できてしまった私たちでありました。

それから、約2週間、
昨年より一ヶ月以上遅れはしましたがようやくルンドに春がきました。

原っぱには黄色いタンポポや白いツーザンローズ(1000の花びらをもつ
バラという意味だそうです)がこんなに咲きました。
両親達には本当はこの頃来てほしかったのにな…。