第二十六回  「雪遊び」


  "スウェーデン風クリスマス"バス旅行から帰ったら、
  今度はユーゴスラビア人のおじいちゃん、
  おばあちゃんが(ラトコとアナの事です)
  "ユーゴスラビア風クリスマス"のお祝い
  に招待してくれました。

  実は家内はこの時、「熱」があってパーティーを辞退したかった
  のですがそうもいきません。折角の機会ですものネ!
  ちょっと「おめかし」して2階のセベリン家へ。
  珍しく「ネクタイ」なんかしめていますネ。
  日本ではスーツやジャケット、ネクタイは日常ですよね。
  しかし、スウェーデンの人って本当にカジュアルです。
  医者だってジーパンにポロシャツその上に白衣みたいな人がほとんどです。
  ネクタイやジャケットはめったに身につけません。
  特別なパーティーやクリスマスパーティーくらいでしょうか?
  そういう時は「ドレスアップ」します。髪の色、肌の色、
  目の色にあわせたコーディネイトなど、みんなとってもおしゃれです。
  でも、見た目が第一、化繊のペランペランのジャケットやネクタイが安く売られていました。
  もちろんクオリティーの高いものもあったのかもしれませんが…。

  こんなふうに今年はたっぷりとクリスマス休暇を満喫しました。
  そして新年は花火と共に友人宅で「年越しそば」パーティーで迎えました。
  日本人ですから、大晦日といったらどこにいても
  やっぱり「そば」を食べなければという事になったのです。

  そば打ちは非常に難しいです。
  例のボーベーテミョールで打つのですが、つなぎの入れ方等のノウハウが全くないので「適当」です。
  二度と同じ配合ができない?ので、時に悲惨なそばができることもありました。
  今回は、かたまりの時の色やつやは良かったのですが、
  切る段階でプチンプチンちぎれて「短〜いそば」ができてしまいました。
  短いそばは「ツルツル」って音が出せないのです。
  その短いそばでいかに上手に音を出すかってのを皆で競いました。
  音を立てて食事をするのって、日本人だけですよね。
  外国ではむしろ「お行儀が悪い」ってにらまれますよね。
  みちるはそんな環境で育ったからか?つい最近まで麺類を音を立てて食べる事ができませんでした。
  そんなそばでも皆で感動しながら食べ、年が明け、やっぱり2日からお仕事となりました。
  日本人にとっては新年のお休みがもう少し欲しいかなーってやっぱり思いました。

  そうそう、この年は珍しく雪が降り続きました。約10日間、雪が降りました。
  スコーネは風は強いけれど雪はあんまり降らないと聞いていました。
  雪って結晶のまま降ってくるって知ってました?
  ある時、雪が降ってきてふと見ると「結晶」です。いろんな形をしていますが、結晶です。
  雪印のマークのようなあの形がそのまま降ってくるのです。

  水気が全くないっていうのか、
  全く融けてないっていうのか、
  よく「アスピリンスノー」とか
  「パウダースノー」とか言いますが、
  スウェーデンの雪はまさしくその通り!
  風が吹くと本当にアスピリンのように
  粉が飛んでいくのです。
  試しにインセビンセ号に積もった雪に息を吹きかけて試したら、
  飛んでいきました。京都の雪はそんな形ではありません。
  どっちかって言うとその反対で、水分が多くってベチャベチャです。
  スキー場の雪だってそんなじゃなかったはずです。そう思います…。

  驚きと感激で東京育ちの家内は日本人の友達に電話しました。
  すると「秋田でもそうよ!」って秋田から来られているお友達から言われ、ショックを受けていました。
  でも、それくらい雪とは縁の無かった我々です。雪が降り続いたときには感激しました。
  ラトコが地下室からソリを出してきてくれました。
  「これで外出しなさい」って。

  雪が積もったらベビーカーって不便なんです。
  本当にあの倉庫って一体どうなってるんだろうと思うほど、昔のドラガンや
  ナナのおもちゃや道具がしまってあります。
  物を大事にする国民性のなせる技でしょうか?
  そこで、ソリでバンティマにもお迎えです。

  でも、ココにも落とし穴が…。
  バス乗車はベビーカーをつれていると大人一人「無料」です。
  従って、ベビーカーに子供を乗せていると後ろのドアから
  皆が手伝って乗せてくれ、しかも「無料」の特典つきです。

  ソリは…「有料」でした。
  ベビーカーが使えないから使ってるソリは有料?!なんか、変な感じですね!

     
      
●「雪だるま」の製作には苦労しました。
庭に積もった雪で
「雪だるま」を作ろうと企てました。
スノーマンは丸い玉が3つ
重なってできてますよね。
雪だるまは2つですよね。

鼻だってにんじんが尖がって
突き出てるのがスノーマン、
タドンで丸くつぶれてるのが雪だるまです。

同じものでも、大分違うのです。
"文化"があります。
我々の雪だるまをごらんあれ、
なかなかでしょう!
"雪だるま"をはじめて見た
セベリン家の人々には大うけでした。
でも、実は製作には苦労しました。


 アスピリンスノーなもので固めようとしても固まりません。パラパラと散ってしまいます。
  そこで、バケツに詰め込んで固めるという方法で何とか完成させました。
  頭がバケツをひっくり返したような形をしてるのはそのためです。
  うらのスキーラの林がはるなとみちるの臨時スキー場となりました。
  どうです、楽しそうでしょう!(二つ上の写真をご覧ください)
  雪にあまり縁のなかった我々家族にとってはちょっとエキサイティングで楽しい経験でした。

  これから、どんどん春に向かいます。年中で一番美しい季節がやってきます。
  気分は季節に先行し、期待と共にどんどん前向きになっていきます。

   
   
●小さな長靴下のピッピやロビンフッド達
バンティマでは確か「ドッキャフェスタ」
って言っていた仮装大会がありました。

皆が物語のヒーローや
ヒロインになって集まるわけです。

日本なら、きっとウルトラマンや
仮面ライダーってところでしょうが、
長靴下のピッピや
不思議の国のアリス、
ロビンフッドもいます。
お国柄でしょうね〜。