第二十五回 スウェーデンらしいクリスマスを
北欧といえば…森と湖の国、
クリスマス、サンタ、オーロラ…。
1年を経過し余裕の私たち、今年は北欧らしいクリスマスを
満喫してやろうと計画を立てました。
サンタの村でクリスマスを過ごそう。
オーロラも見てみたいな。
そうだ、フィンランドに行こう!!さっそく情報収集。
友人と一緒にオーロラがどのくらいの頻度で見られるのかまず確認しようという事になって、
キルナという街のインフォメーションに電話しました。
キルナはもう北極圏、オーロラだって見えるはずです。
すると、「毎日見られます、時間と規模の長短はありますが…」って返事です。
やっぱりこれはもう行くしかありません。
早速、ロバニエミのホテルリストを郵送してもらい予約を入れました。
クリスマスだって言うのに、意外なほど簡単に予約が取れました。
ヨーロッパでは、お盆休みはありませんし、お正月休みもありません。
夏のバケーションはスライドでとりますから、集中するのはクリスマスのはずでした。
でも、ロバニエミまではどうやって行くのということになり、早速調査!
キルナまで飛行機、そして列車というのが唯一のコース。
即、フライトをKeep…。という事になったのですが。
これが、案の定一杯でした。
マルメのフィンエアーまで皆で交渉と確認に出かけました。
しかし、直接交渉してもとにかく一杯。
どうしようもありません。
何で、冬の寒い時に路線が一杯でホテルは空いてるのって思いませんか?
実はフィンランドからスウェーデンに出稼ぎに来てる方って結構おられるのだそうです。
そういう方がクリスマス休暇に里帰りされるのだそうです。
それで納得、日本のお正月と一緒なんです、フィンランド版帰省ラッシュってところでしょうか?
![]() ●ルンドの街もクリスマスの装い |
しかし、目標を失ってしまった私たち、 でももう引き下がれません。 その足で、街の旅行社に行きました。 ルンドの街もごらんのようにクリスマスの 装いをしてイルミネーションが とってもきれいです。 家の窓には例の三角形のキャンドルが 飾られています。 物件を物色すると…。 「スウェーデンのサンタ村へバス旅行、 伝統的なクリスマスディナー付き」 って感じのパンフレットが目に付きました。 |
早速、確認するとバスでルンドから出発、ストックホルム近郊のベルグスラーゲンという街に到着、
クリスマスミサに参加し、食事も豪華伝統的クリスマスブッフェ付きだそうです。
空きを確認すると参加OKとの事で、勢いに任せて申し込みました。
未だ真っ暗なうちにバスはルンド中央駅横から発車しました。
早速乗り込んで「ヘイ!」って挨拶し周りを見回すと…。
おじいちゃん、おばあちゃんばっかり?!高齢者バスツアーって感じです。
どうしてって、もうお分かりでしょう!
クリスマスにそんなバスツアーに参加するのは、家族のいない高齢者という事になるようです。
皆、クリスマスの日は家族単位で一緒にお祝いするのが一般的だそうです。
我々異分子は、小さな子供がいることもあって高齢者の皆様にあたたかく歓迎されました。
普段はうるさく、うっとうしく思われたのでしょうが、
この時は皆様の「なごみ、いやし」にお役に立てたのではないかと思っています。
バスは真っ暗な森抜け、湖を越えどんどん進みます。
5〜6時間かかったのでしょう。
小さな街に到着しました。
雪が少し積もっています。
あこがれの「ホワイトクリスマス」です!!
教会が街の真中に美しく、堂々とたっています。
どうです、本当に美しい教会でしょう。
今晩、この教会でクリスマスミサがあるのです。
「ロマンティック」でしょ。
早速、出かけました。
こんな小さな街にこんなに人がいるのかと一杯の人で驚きましたが、
それよりももっと驚いたのはクリスマスツリーです。
なんと、本物のロウソクが何本も何本もツリーに飾ってあります。
北欧のツリーは日本のツリーのように何色もの電飾はありません。
ほとんどがロウソクのイミテーションの電球だけでした。でも、本物のロウソクを飾るとは…。
![]() ●ビール瓶がのっかっているのがわかりますか??? |
ミサが終わると夜も更け 家族の時間はオーシマイ! 若者達はパブで大騒ぎ、 翌朝の明け方まで延々と飲めや歌えの 大パーティーでした。 翌朝、前の湖に散歩に行って見つけました。 凍った湖に乗っかってるビール瓶! どうです、昨夜の喧騒を 物語ってるようじゃありませんか? そうそう、この湖完全に凍っていました。 なぜって、私が乗っても この氷割れませんでした。 |
スウェーデンの伝統的なクリスマスディナー
って言うのも気になりますよね。
「スモーゴスボード」ってご存知ですか。
いろいろな種類のハムや魚のくんせい、サケ、マス、イワシの
マリネ、そしてチーズ等が中心になります。
スウェーデン版おせち料理といった感じでした。
なぜここがスウェーデンのサンタ村なのかは結局最後までわかりませんでした。
でも我々家族がそれまでの生活ではあまり接する機会のなかった
スウェーデンのおじいちゃん、おばあちゃん達と楽しい時間がおくれました。
オーロラは残念ながら見られませんでしたが、
スウェーデンのバスツアーで高福祉国のさみしい一面を見たような気がしました。