第二十三回 日本食をスウェーデンで・・・
食生活って大事ですよね。
職業柄、高齢の方と接する機会も多いのですが、日本でも
スウェーデンでも元気な方は良く召し上がります。
環境が変わると寝られない、食べられないなんてやわな事を
言っていたら海外生活では環境に順応できません。
まさに、最初は我々もそんな事を言うひまも、余裕も持っていませんでした。
しかし…時は我々にも余裕を与え、
情報の収集と共によりクオリティーの高いものを求めるようになっていました。
なんて言うけれど簡単に言えば、次々と欲望が湧きあがってきたというか、
より良い物が欲しくなるって事でしょうか?
例えば「お米」について…。
最初に買った米は近所のスーパーででした。Riceという文字を頼りに探しました。
見つかったのはアンクルベンという米でそれがスウェーデンでは一般的でした。
でも、それはいわゆる黄色くって、細長い「長粒米」で見た目も違います。
でもこれならどこでも手に入る事が解りました。早速炊いてみると…。ゴムを焼いたような臭いが…。
最初は食べられましたが、だんだんと臭いが鼻について食べられなくなってしまいました。
これってミルク粥やサラダなんかに使うんです本当は。
ミルク粥って最初は日本人として許せないって言うか、イメージだけで受け付けなかったのですが、
数回恐る恐る口に入れると…。
あら不思議、デザートとしてなら許せるになってくるんです。
ジャムをたっぷりのせた冷たいミルク粥、懐かしいな。
他にもお米のケーキってのもありましたっけ。
そこで、次は「日本の米に近い形」をテーマに探しました。
見つけた袋には「オオム」だったでしょうか?鳥の絵が書いてありましたので、
我家では「オオムのお米」と呼ばれていました。
これは、確かにそこそこのお味で臭いも少なかったので、
後にカリフォルニア米やニュージーランド米を手に入れるまでお世話になっていました。
でも、家内はあまり食べなかったんです。
私や子供達は喜んで食べていたのに…。
なぜかって、後で聞いた話ですが、
街のスーパーのオオムのお米の売ってる棚の横にはドッグフードやキャットフードが…??
ひょっとしてオオムのお米ってオオムのえさ??
家内の食べなかったわけがようやく判明しました。
でも、そこそこおいしかったんだけどなー。
一度だれかにその正体を聞きたいと思っていましたが、追求するのが正直言って怖くって
うやむやにしたまま帰ってきました。
それはさておき、マルメの中華街に行くといろんな食材が時々手に入りました。
お米も安くておいしい「カリフォルニア米」「ニュージーランド米」がいつでも手に入りました。
時にはサツマイモ、レンコン、缶詰めのウズラのたまご、消費期限が切れかけた?カレールー、
さつま揚げやかまぼこも冷凍でしたが売っていました。また、「ハウスのほんとうふ」も手に入りました。
日本ではもうお目にかかったことはなかったのですが、非常に重宝しました。
ちょっと水の量を減らして硬めに仕上げるのがコツです。
ただ、「おでん」を作るにも「すき焼き」を作るにも「コンニャク」がどうしても見つからず、
作ることもできず困りました。最後までずーっと食べたいものの一つで
必ずどこに行ってもチェックしていましたっけ。
我々のホームパーティーは日本食をアレンジして出して みるって事も一つのテーマでした。 食材を集めて豪華に日本食パーティー! どうです、この日のメニューはスブタ、エビフライ、 ポテトサラダ、そしてチャーハン。 オマールえびのグラタン、レンコンのはさみ揚げ、 そして忘れてはいけない手作りのユーゴスラビア風ソーセージ。 |
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どうです、凄いでしょう。
その他にも、トンカツ、てんぷら、すき焼き、さばの味噌煮などをメインにしたのを思い出します。
その他、ツナやカニかまぼこを巻いた「まき寿司」、「チラシ寿司」といったおすし。
でも、貴重なのりを「Black paper」といわれて外されたのにはビックリというかもったいないって言うか、
ちょっと腹が立ちました。
手打ちうどんはもちろん、手打ちそば(家内が植物園でそばを見つけボーベーテという事を知り、
スーパーでボーベーテミョールなるそば粉を発見、打ってみました)
果てには「ういろう」まで作ってしまうようになりました。
マニアックな関東人は(家内は東京出身です)
なんとか自作で納豆ができないかって真剣に考えていました。
成功したかは存じません。だって、納豆は大っ嫌いですから。
テーブルフラワーはスウェーデンの市場で売っているお花で
日本のいけばな風の家内特製のフラワーアレンジを飾りました。
そうそう、前にお話したLUFFの催しで「いけばな教室」ってのもありましたっけ、
家内が講師として借り出されました。
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必要は発明の母ってよく言いましたよね。
欲しいもの、食べたいものは何でも工夫して探して何とか近いものをつくってしまう。
そんなパワーが我々を支えていたのかもしれません。
そうそう、これから海外に住まわれるって方にアドバイス!
是非「料理の本」をお持ちになる事をおすすめします。
その土地で手に入ったもので工夫して作れるものが料理の本を見ていると結構見つかります。
「たれ」とか「ソース」とか基本的なものが載っている本も重宝します。
手に入るもので調合していくと驚くほど「懐かしい日本の味」が楽しめます。