第二回「真っ暗な国」スウェーデン

  「北回り」てご存知ですか?当時、て言ってもまだ10年経つか経たないかですが、
   ヨーロッパへの航空ルートは北回りが中心でした。
   つまり、アンカレッジを経由してヨーロッパへ入るわけです。
   今のロシア上空を一気に飛ぶルートと比べてとても時間がかかります。
   何が言いたいかって言うと、私たちのスウェーデンへの旅は
  「1歳に満たない子と3歳の子供を連れて約20時間にも及ぶ大旅行だった。」と言うことです。

   家内は今でも「あの日のことは一生忘れない。」と何かあるたびに言います。
   それほど長くてつらーい旅だったのです。
  (機会を見つけて家内にもこのあたりは書いてもらおうと思っています。)

  現地時間の午前4時30分頃だったと思います。
   私たち家族を乗せたSASはデンマークのコペンハーゲン空港に着陸しました。
  コペンハーゲンは皆さんよくご存知でしょう。北欧の大都会として有名ですし、
  倉敷チボリ公園の本家、「チボリ公園」、人魚の像、ストロイエというショッピングアーケードも有名です。

   そんな「きらびやかな街」を予想していましたが、
   当然、早朝ですから真っ暗です。早朝だもん、当然でしょう!

  これからどこに行くのだろう、
  どんな家に住むのだろう、
  ボスはどんな人だろう、
   荷物は着いているのだろうか?
  こう言った不安でいっぱいの
  家内と私、そして何も知らない
  子供たちを乗せたタクシーは
  高速道路をひたすら走ります。

   地図ではフェリー埠頭まではそんなに距離が
   無いはずなのに…。と不安になりましたが、
  「エーイもうどうにでもなれ。」と思ったころに
   フェリー埠頭に着きました。
   着いた埠頭はヘルシンオアでした。


●ルンドグランドホテル

   後でわかったのですが、朝が早過ぎで、一番近い埠頭からのフェリーは運行しておらず、
   ちょっと?遠回りとなったようでした。フェリーに30分程ゆられると、そこは「スウェーデン」。
   私たちが約2年暮らす国です。
   でも、そんなことを考える余裕も感慨もなくまたタクシーに乗り込みました。
   走れども走れども真っ暗。7時になっても明るくなりません。
   我がボスと待ち合わせのルンド・グランドホテルに到着したのは
   午前8時頃だったと思いますが、まだ真っ暗…。
   もうお分かりでしょう、白夜の国にはその反対「黒昼?!」が存在するのです。
   8時30分頃、空はなんとなくボーッと明るくなります。
   しかしその後、水平線近くから夕日のような日がさすかと思ったら、
   もう夕方4時30分頃には真っ暗な空に星が輝いています。想像できますか?
   太陽の光がこんなにあり難いものだなんて、
   日本で生活している限りは気づかなかったと思います。
   まず最初のカルチャーショックでした。

   そうそう、「ルンド」。ここが私たちが暮らす町です。
   約1000年の歴史を誇る町で、
   町のシンボルは大聖堂(ドムシェルカン)とルンド大学病院です。

  
   
●ルンド市立公園
   町中にこんな公園があるんです。

大学町で各国からの留学生も多く、結果的には
我々にとっても過ごしやすい町であったと言えます。
首都のストックホルムとは約600kmの距離があり、
スウェーデンのほぼ南の端に位置します。
スウェーデン第三の町マルメには程近く、
買出しには後にマルメに行くことになります。

でも、そんなことは後からわかったこと。
さて私たち家族を迎えてくれた「大家さん一家」は
次回で紹介します。