第十七回 初めてのバケーション4(ロマンチック街道)
一応、メルヘン街道を縦断し
(帰りに音楽隊で有名なブレーメンに寄るつもりですが)
今度は期待のロマンチック街道に突入する予定で
進んできた今回の旅行ですが、
フランクフルトでの昨夜のダメージは
心身共に大きく我々に響いてきました。
けれども疲れきった心と体は、昨夜一晩いつもより
グレードの高い素敵なホテルですっかり癒されました。
ホテルが見つからず右往左往の車の中では
「もう、スウェーデンに引き返そうかな」(日本にではないのが進歩でしょ。)
と真剣に考えた私たちでしたが、たちまち元のポジティブな思考と活力を得た感じでした。
昨夜のゴタゴタがまるで嘘のような晴天のなか、
一夜明けたらこれまた別人のようにフレンドリーになった
フロントのお兄さんやレストランのお姉さん達に、
にっこり笑顔で"Have a nice trip!!"とかって微笑んで送り出された私達でありました。
本当はフランクフルトの街を見物して出発するつもりでしたが、正直4人とも
「早くこんな街は(フランクフルトファンの方すみません)抜け出したい。いや逃げだしたい。」
という意識が強くって、早々にアウトバーンへ乗り入れました。
このフランクフルトの"ホテル事件"以後、お昼を食べ終わり車に乗り込むと、
みちるかはるなか必ずどちらかが「今日はどこに泊まるの?」「ホテルは決まっているの?」
としつこくしつこく聞くようになり、旅の最後まで続きました。
彼女達の幼心にも相当な不安と恐怖?を植え付けてしまった、
かえすがえすも痛恨の一夜だったのでありました。
けれど、実は私達にとっては「何があってもきっと何とかなるさ!」という妙な開き直りができ、
たくましく?成長した自分達がなんとなく自慢、ちょっとエッヘンという気分でした。
今日の目的地は「ローデンブルグODT」です。
「タウバー川のほとりのローデンブルグ」という意味とのことですが、
ローデンブルグといえばここです。
ロマンチック街道の中でもフッセンのノイシュバンシュタイン城とともに最も有名なスポットです。
ロマンチック街道がルートに入った旅行ではこの2つのポイントは絶対にはずせません。
ローデンブルグって城壁に囲まれた本当に不思議なスポットです。
中世の街がポツンと取り残されたような不思議なところです。
一方で観光客の誘致?も熱心です。夕方から夜はアメリカ人や日本人で街が溢れています。
なんか、人口密度が上がったような気がするほどです。
![]() ●ローデンブルグの町並み |
そこで、ふと気がついたのですが 日本人観光客には 一定のパターンがあったのです。 華美な服装で団体行動、 しかも夕方にローデンブルグについて 朝には出発していくのです。 夜のローデンブルグのお店は 日本人でいっぱいです。 日本を旅立って以来、 初めてたくさんの日本人を見た はるなとみちるは大興奮。 はるなはその光景を見て 「日本人の行列だ!」って言って喜んでいました。 本当にそうなんです。 行列というか皆さん 団体で行動をとっているんです。 |
でも、それが日本人の観光客の安全を 守っているのかもしれませんネ。 |
それだけ大勢の日本人が来ますから当然街のレストランには「日本語メニュー」があります。
その後も、そこかしこで「日本人の行列」に出会うことがありましたが
そういう街には「日本語メニュー」があったような気がします。
日本語メニューは、スペシャル価格?であったり、
メニューの数が少なかったりだったので自信がある我々?は
見栄を張って英語のメニューを常に要求していましたが…。
前にも書きましたが、大体において日本のツアーは移動型、
ヨーロッパのツアーは滞在型です。我々の今回のツアーはその中間をめざしています。
そこで、ローデンブルグでは2泊して周りの街を見て回ることにしました。
![]() ●マルクト広場の宴会館の仕掛け時計 |
着いた日にマルクト広場の宴会館の仕掛け時計を 夜の九時に(明るいでしょう!将軍と市長さんが ジョッキでワインを空けるというストーリー だったと思います。)みて、 翌日はヴュルツブルグを見学しました。 ドイツバロックの代表的な建物レジデンツ、 マリエンブルグ要塞等をたっぷりと見て 夕方からローデンブルグの街を 時間をかけて散策しました。 マリエンブルグ要塞は城壁に囲まれた居城ですが、 ローデンブルグは街自体がすっぽりと 要塞の中に収まっているって感じでしょうか? |
とっても不思議な感じです。 |
そしてその翌日、日本人をたくさん乗せたバスが出てしまってから、我々は行動開始!
最後にもう一度ローデンブルグの街にお別れを言って、ウルムめがけて出発です。
なんでウルムかって?だって大きな街はこりごりだし、
それにウルムには世界一高い大聖堂があるって言うじゃないですか。
世界一という響きにひかれました。残念ながら外装は工事中でしたが、
てっぺんの展望台までらせん階段なんと768段をみんなで登りました。みちるはって?
もちろんパパの背中の特等席で頂上まで登ってしまいました。
上から見るとウルムの街はドナウ川のほとりにあって、
新旧混じり合った不思議な街だって解りました。
その後、街はずれの公園に水族館があるという
情報を仕入れていた私たち。早速出かけました。
公園で遊ぶとか、広場で走り回るとか、
大人にはちょっともったいないような時間の使い方ですが、
こういう息抜きがないと子供たちには移動の長い旅ってつらいようです。
滞在型のヨーロッパの人々の旅には大型犬等のペットも同行している場合が結構あります。
公園や広場での息抜きはワンちゃん達も同様で、よく夕暮れ時をともにすごしました。
翌日、一気にフッセンへ!
フッセンといえばノイシュバンシュタイン城。
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日の丸につられて (壁に書いてあったのです。) 入ったホテルは自家用車を使った 旅先での日本人がいっぱいいました。 でも、見てください。 車は国際色豊かでしょう! イタリア、オランダ、東ドイツ、 そしてスウェーデン。 色んな国で生活する日本人が 日の丸につられて 集まってきたようでした。雰囲気は 高原のペンションの感じでしょうか。 |
それぞれのお国事情や旅先での情報交換を日本語でたっぷり話せて、 またまた元気が出ました。 |
そうそう、興ざめだったのは国道沿いに日本語で「ロマンチック街道」って標識が
数100m毎に立っていたことです。これは是非止めていただきたい!
観光客誘致のためかもしれませんが、本当にしらけてしまいます。
ここにも2泊し、ノイシュバンシュタイン城はもちろん、
リンダーホフ城、ホーエンシュワンガウ城も見ました。
ノイシュバンシュタイン城は本当にすごい人で、「約2時間待ちでーす」って放送があったほどです。
人口が少ないスウェーデンでの静かな生活に慣れて来ていたのかな…。
とにかく人、人、人にとっても驚いたこと、じっと何かを待つって事が
その時とっても苦痛だったことを今思い出します。今ならディズニーランドで
スプラッシュマウンテンに2時間だって並べる私達なのに…です。
天気にも恵まれ、いよいよスイスに突入です。