第十四回 初めてのバケーション1(プロローグ)
スウェーデンからフェリーを2つ乗り換えると簡単にヨーロッパ大陸に渡れるってご存じでしょうか?
まず、スウェーデンからフェリーでデンマークに渡り、
デンマークを縦断し、またフェリーに乗ると、そこはもうドイツなんです。
「夏休みの長期休暇をどう過ごそうか?」と思案していた私達はこのルートをとってヨーロッパ大陸に渡り
インセビンセ号でドイツ、スイス等を目指そうと計画し始めました。
先に同じような旅をしてきた友人たちの話を聞いても、地図を見て行程を考えても、
ガイドブックを読んでも、期待は膨らむばかり…。
行ってみたい気持ちはどんどん大きくなるものの、なんせ我が家のメンバーは、
私たち夫婦と「1歳半のみちる」と「4歳になったばかりのはるな」です。
はたして、こんな大冒険をして良いものかどうか、不安もどんどん大きくなりました。
そこに再び渡りに舟のお休みが突然やってきました。
デンマークでスカンジナビアのペーシングコングレス(学会です)があり、
シュラーもトーマスも参加するとの事。
私も後にはそういうときの留守番をヘレンとする羽目になるのですが、
その時はまだ「見習い期間?」なので、お休みをもらえることになりました。
ヨーロッパの学会はほとんどの学会がオフィシャルランゲージ
(学会の公用語みたいなもので、発表や質問等はこの言葉でするのです)が英語ですから、
何とか解る?ので、同行する事もあったのですが、なんとスカンジナ ビアペーシングコングレスは…。
オフィシャルランゲージの項目になんと「スカンジナビアンランゲージ」と書かれていました。
スカンジナビアンランゲージなんて言葉は聞いたことも無いのですが、
スウェーデン人はスウェーデン語でデンマーク人はデンマーク語で
ノルウェー人はノルウェー語でという事のようです。
北欧の言葉はそれぞれ違うもののお互いに似通っており、
お互いが違う言葉でしゃべっても会話が成立するそうな…。そう言う意味のようです。
しめしめと思った私達は早速「情報収集」!!
このお休みの間に親も子も夏の大冒険の予行演習をすれば、
"すべてOK!"になるに違いないと思ったのです。
それにはまずフェリーを使ったドライブ旅行で行けるところを探そうということになりました。
すると、うってつけのところがありました。
デンマークの「レゴランド」です。そこはあの「レゴ」でできた色んな乗り物まであるらしい。
世界の有名な景色や建物が「レゴ」で再現されているらしい。等々の情報が直ぐに集まってきました。
行き先は直ぐに「レゴランド」と決定!
とにかく「さあ行こう」ということになり、即、街の旅行社に行きフェリーとホテルを予約しました。
今度はセベリン家には頼らず、何事も1から自力で!!
何と言っても大冒険の前のウォーミングアップなのですから。
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出発当日、入念に地図をチェックして |
●写真の建物はすべてレゴです |
街の小さなホテルに予約を取ってあったのですが、小さすぎて探すのに一苦労。
読み方も解らないデンマーク語の道路標示のアルファベットと地図を照らし合わせながら四苦八苦。
挙げ句の果てに英語で聞き聞きようやく到着。無事チェックインしました。
オーフスと言う街のオールドタウン(日本でいえば明治村ってとこでしょうか?)
イーエスコー城というお城(バラのジャムを売っていたっけ)等を見学し、
レゴランドに行きました。話に聞いたとおり、そして私たちの期待通りのとっても楽しい遊園地でした。
私たちのおすすめポイントのひとつです。
ホテルの近くにモースゴー先史博物館があるのを知り、炭化しているミイラさんにも挨拶し、
デンマークの旅の終わりにデンマーク最高峰に登る計画を立てました。
頂上では、もちろん「スウェーデン式ピクニックを!!」と、
ふもとのスーパーで食料を購入し(パンやチーズ、ハムなど)いざ出陣。
地図をひろげ、車で行けども行けどもそれらしき山は見えてきません??
山の名前は確か「ヒンメルビヤー」その意味は「天にとどく山」とか…。
見えないはずはありません。道も確かにあっているのだけれど…??
インセビンセ号が「ちょっと丘にさしかかったかな」と思った時、
駐車場がありました。「なになに」と思ってよく見ると…。
そこが頂上でした。
天にとどくっていうけれど、 たった147メートルの丘?だったのです。 そういえば、デンマークは酪農の国で 平たい国だって世界地理で習ったっけ。 その通りでした。 天にとどく山からの眺めを皆さんにも紹介しましょう、 見えますかヨットのマスト? またまた自信をつけて、 スウェーデンに帰ることになりました。 「何とかなるもんだ。」そして、 「いきあたりばったりでもとにかく旅は楽しい。」 子供たちもニコニコ満足の様子。食事だってOK! これで万全、もう大陸まで渡る自信もつきました。 |
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●「ヒンメルビヤー」からの眺め |
それから約2週間。
1990年6月の22日金曜日。スウェーデン人にとって、とっても大事な日がやってきました。
「ミッドサマー」です。「夏至祭」です。
もちろん、私たちもスウェーデンの人たちと一緒におおいにこのお祭りを楽しみました。
我々日本人の仲間とお庭でまずバーベキューをし、
その後「花の冠」(庭や公園で色とりどりの花を摘んで材料を集めました。)
をかぶってスタッドパーケン(市民公園)に繰り出しました。
ルンドの街ではスタッドパーケンには夏至祭のために用意された
立派な「メイポール」がありました。その周りの舞台で、
みんながフォークダンスを踊っていました。(一晩中躍るっていう話でしたが本当でしょうか?)
この明るさですが、なんと夜の9時30分はとうに過ぎています。
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そしていよいよ明日から、 ほとんどのスウェーデン人たちはバケーション。 ルンドに住む日本人のお友達たちもみんな それぞれ色んな計画を持っているようです。 夏休みが終わったらゆっくりと 夏の報告情報交換をすることを 約束しました。さあ、私たちも夏休みです。 今まで経験したことの無い長期休暇です。 身も心も車も荷物も… 準備はすでにバッチリです! |
●夏至祭の為のメイポール |