第二回なが〜い第一日
     はやる気持ちを抑え、セキュリティーチェックに向かいます。
実は私、なぜかよくひっかかるんです。
ボディーチェックを受けることがよくありました。
だから、今回は慎重に小銭もカギ束も
手荷物の中に入れて、ベルトも外しておきました。
そのかいもあって今回はゲートを無事通過しました。

しかし…荷物が出てきません。
そればかりか、何度もX線装置を通され、
行ったり来たりしています。そういえば、
以前クリスタルのガラスをたくさん持っていたときにも
止められたっけ。でも、今日は何も持ってないしなー
なんて呑気に構えていました。

ところが、係官に「この荷物は?」と聞かれました。

    
           ●ショッピング街●

私:「私のです。」

係官:「何かカギ束のようなものは入ってませんか?」

私:「カギ束はありますけど。」

係官:「出してください。」

私:「はい。」

係官:「これは何です?」

私:「スイスアーミーナイフです。」

係官:「これはまずいです。」

あえなく、没収となってしまいました。


実はこのスイスアーミーナイフは今回会いに行くボス、
シュラーからスウェーデンに住んでいたときに
頂戴したものです。

ボスがいつもカギと一緒につけていて、
ある時おそろいのをプレゼントしてくれました。
 以来、私も同様に必ず身につけていました。
20年近く肌身離さずもっていたものです。
今回、再会の時に何気なく「まだ使っているよ」
と見せようと楽しみにしていたのです。
残念!!

正直、めちゃくちゃテンションが下がりました。
なんで外してトランクに入れておかなかったんだろう…。
      
          ●メラーレン湖からガムラスタン●

さすがにお盆の海外旅行出発のピーク
と予想された日だけあって、空港は中も外も
人人人という様相でした。前回お話ししたように、
早く空港に着き時間の余裕を通り越し、
もう、いい加減飽きてきたんですが、
なかなか搭乗になりません。

約20分遅れで搭乗開始。
荷物のチェックイン時に「ショートコネクティングタイム」
というタグをつけられたのを確認していた我々にとって
20分の遅れは、「飽きた」を通り越してイライラへ。
あれだけ指折り数えて楽しみにしていた
折角の旅立ちなのに…
テンションダウンなんてもったいない!!
早く気持ちを切り替えなくては!!

さて、いよいよ搭乗すると、
周りには大手の旅行会社のツアー客ばかり。
ツアー客と添乗員さんに囲まれた我々は、
その漏れ聞こえる会話で初めて
「名神高速で事故、通行止め」を知りました。
朝早く迎えに来たスカイゲイトシャトルが
神々しく見えました。本当にありがとう。
もし事故の影響で乗り遅れでもしたら、
私たちは発狂していたかもしれません。
ここでようやくハイテンションとなりました。

ほどなく、飛行機は数名の乗れなかった
本当に不幸な人々を見捨てて離陸しました。
アナウンスでは30分の遅れで飛び立ったが、
11時間のフライトの間に遅れは取り戻すので、
心配なくということでした。


さもありなん。
飛んでしばらくして昼食タイムとなりました。
なぜか、メニューは親子ドン?
不思議でした。

11時間のフライトは、
頭で想像していたよりもはるかにらくちんでした。
もっともっとしんどいと思っていたのですが、
子供たちも面倒をみなくても
勝手に飲み物や食べ物もお願いするし、
泣き出す心配もないし、
自分のことだけを考えればよかったからですかね?!

ところが、飛んでる間に取り戻すはずの時間が
どうも取り戻せていないことに気がついたのは、
ヘルシンキ空港に着陸間際でした。
それでも、そんな時は飛行機から出たら
地上勤務の方が誘導してくれるはずだと安心していました。

しかし、全く何の案内もなく乗り継ぎのボードを確認すると
すでに「ファイナルアナウンスメント」になっています。

でも、待っていてくれるだろうと淡い期待を抱きつつ、
この先は国際線でゲートを移動するだけだ
と思っていたのですが、予想外…。
EUになったためなのかパスポートコントロールがあり、
セキュリティーチェックがあり、
時間はどんどんすぎて行きます。
とにかく走るしかないということで、
我々4人真剣にわきめも振らずに走りました。
エコノミー症候群もどこへやら、
11時間折りたたんでいた足にはかなりつらい距離。
後で気がついたのですが、
ヘルシンキの空港を端から端まで
走ったことになったみたいです。

    
          ●グランドホテル●


そうこうして、やっと飛行機に乗り込んだのに、
今度はなかなか出発しないのです。
これならゆっくり歩いてきたらよかったと思ったそのとき、
アナウンスがありました。
「荷物の積み込みに時間がかかっております、
今しばらくお待ちください」あ〜やっぱり走って良かった。
どうも、荷物は我々ほどダッシュ出来なかったようです。
もう少しで荷物もろとも
ヘルシンキに置き去りにされるところでした。
ヘルシンキを飛び立つと、すぐにストックホルムです。
約1時間の空の旅です。

上ったと思ったら、すぐ下りるような感じでした。
さあ、いよいよ、そして、ようやく、スウェーデンです。
ストックホルム国際空港は何度か利用したことがあります。
ゲートから荷物を受け取ってと思ったら、
一番に荷物が出てきました。
そりゃあそうです、
ヘルシンキで皆さんを長時間お待たせして
積み込んだのは我々の荷物ですから、
真っ先に出てきたんです。
荷物の検査も何もなく通関も申告なしの方に向かうと
自動ドアが、ガーッと空き、
あっさり外に出てしまいました。
あれ、入国審査ってなかったっけ??
なんだか拍子ぬけ??
我々が住んでいたころには、
スウェーデン人に対しての入国審査はほぼフリーでしたが、
我々はヴィザを持っていても
一応の審査とスタンプがありました。
それが今回は無し。
ヘルシンキでEU入国って感じでしょうか。


さあ、次はどうやってホテルに行くかです。
列車と地下鉄を使ってという手もあるけれど、
ガイドブックを見ると、
タクシーでセントラムまで
固定料金の表示をしているものがあるとのこと。
荷物が結構あるので、乗り換えも大変だし
できればタクシーということになりました。

荷物に見張りをつけて、
私とみちるでタクシー探しに行きました。
外に出てタクシーの待機場所に行くと、
多くのドライバーから声をかけられました。
「我々はスカンディックマルメンホテルに行きたい、
いくらで行けますか」と聞くと
シャトルや列車よりも4人ならはるかに安いので
決定となりました。
荷物をベンツのワゴンに積み込んでさあ出発です。

残念ながら、どんよりと曇っており、
運転手さんに明日からの天気はどうなのかな?
と控えめに聞いてみました。
すると、あまりよくないみたいって返事でした。
快適なワゴンの旅ですが、車もだんだん多くなり、
建物も密集してきて、中心部が近づいてくるのが解ります。

子供たちも、私たちもやや興奮気味になってきました。
テンションは上がったり、下がったり、
短い周期でコロッコロッと変わります。
スカンディックマルメンに到着です。
ホテルに入って、チェックイン。
       
              ●中央駅にて●
キーをもらって、エレベーターに乗り、いざ我が陣地へ!!
ところが、このエレベータードアは閉まるのですが、
ボタンを押しても働きません。
隣のエレベーターは地下に行ったり、
1階に来たりするのですが、
なかなか上に行きません。
あげくのはてに、エレベーターに乗っているお客さんが、
まるで我々が悪いかのように誤解して
「Don't push the button」って怒るんです。

壊れてんじゃないの?と思っていたら。
実はエレベーター内にカードキーをいれる場所があって、
それをいれないと行きたい階のボタンが
押せない仕組みになっていたのでした。
セキュリティーはバッチリですが、ムズカシイ!!

それでも気を取り直して、お部屋に入ると、
あら不思議ベッドがダブル一台しかないではありませんか??
別室があるのではないかと思ったのですが、
どこを探してもなく、早速クレームの電話をしました。
すると、どうやってもベッドにならない
と思っていたソファーが驚くなかれダブルベッドに変身しました。

思わぬところで力を使ってしまった感じの私たちでしたが、
一服するまもなく、上がっているテンションにまかせて
街に繰り出しました。

いよいよ地下鉄でセントラルステーションに行って散策です。
はるなが地図をみて案内してくれたのですが、
なんか違う方向に向かっているような気がして…。

途中から、何となく以前の土地勘を頼りに
歩き始めた我々でしたが、その方があってました。
いい気分!
ぐるーっと中心部を一周して土地勘復活!!

なが〜い1日、激しく浮き沈みがありましたが、
ついにとっても盛り上がってきました。

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