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★宇治拾遺物語
『宇治拾遺物語』は、鎌倉時代に編纂された説話集です。15巻197話が載せられていますが、平安時代末期の『今昔物語』と半分以上は重複しています。物語に編まれた説話を題材として、芥川龍之介や太宰治が現代風に書き表しています。『鼻』、『羅生門』、『芋粥』などは代表作です。『羅生門』で若い女性の亡骸の髪をすきとる老婆から髪も衣服も強奪する話は、映画化されました。(あらすじはやや違うけれど)『鼻』は、宇治池尾の禅智内具の鼻長き僧がモチーフになっています。 |
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★平等院南泉坊(なんせんぼう)と阿弥陀(あみだ)水
『宇治拾遺物語』の作者は定かではないですが、物語の序文によると、平等院の南の山際にあった南泉坊に避暑にこもっていた源隆国(みなもとのたかくに)が、旅人から話を聞いて大きな双紙に書きとどめ、それが元となったとされています。南泉坊は、平等院南門前の駐車場の敷地内の山際にあったといわれています。そこは、鮎宗亭主の子供の頃、50年前は泉があって、こんこんときれいな水が沸きだしていました。今は枯れて無い、平等院鐘楼の近傍にあった宇治七名水の一つ、「阿弥陀水」の水脈と同じゅうするものでしょう。「阿弥陀水」は滝の様に、流れていました。 |
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★宇治市池尾(いけのお)
『鼻』はのお話の主人公、鼻の長い僧、禅智内具が住んでいたと言う池尾は、宇治市の東の山間部にあって、滋賀県大津市と隣接しています。近隣には、天ケ瀬ダムとそのダム湖である鳳凰湖の喜撰山揚水発電所があります。夜間に原子力発電の余剰電力で水を汲み上げ、昼間は、その水で発電するのです。池尾は、宇治市二尾、笠取や炭山とともに、西国札所の一つである上醍醐寺の後背地です。しかし、その地域にあるお寺は、浄土真宗仏光寺派の寺院です。市外局番は、宇治市の、0774ではなくて。京都市の075です。
方丈記の作者である鴨長明は、「この池尾辺りに、宇治を詠んだ百人一首や六歌仙の一人として知られる喜撰法師の庵跡があった」と伝えています。
わが庵は 都のたつみ鹿ぞ住む 世を宇治山と人はいふなり
平等院南泉坊があったといわれる平等院南門前の駐車場のオーナーである、岩井勘造さんの4代前の勘造さんが、庵跡があったという喜撰山に僧形の石仏を安置しました。石仏は、大きな石の穴に安置され、宇治の方向に向いています。

駐車場の傍らに立札があります。
観光にお越しの折りにはご一読下さい。 |