11月7日(水)の一般質疑(1時間)の報告。

            第204号(2001/11/09)

 メールマガジンの読者の皆さん、こんにちは。今週の国会日程も終わり、11月9日の晩、今は、京都に会合のために戻ってきました。

 ここ数日の報告をします。

 まず、今日11月9日(金)は、
朝8時から民主党の医療制度改革チーム。

医療費の地域間格差などについて講師の話を聞き、議論。

  • 出来高払い制では医療費がかさみすぎる、
  • 日本国内でも福岡県と長野県では一人当たりの平均医療費が2倍も違う。

これは、病院のベッドが多い県ほど、医療費はアップするということだそうだ。

さらに、医療費は軍拡競争に似ていて、病院や開業医などの医療機関の競争が激しくなるほど、生き残るために、投資をし、その回収のために、医療費は膨大する危険性がある、などという話であった。



 とにかく、日本には病院のベッドが多すぎること、また、その結果、諸外国では介護で対応している要介護高齢者を日本では入院させすぎていることを改めて痛感した。

 今後はどうするかだが、入院治療が一段落したら、退院できるように、介護施設や在宅サービスの急速な整備が必要である。これと同時並行でないと、医療制度改革は進まない。


 10時からは、民主党の男女共同参画調査会の会合に参加。私は男女共同参画調査会の事務局長なので、担当である。

  • 「女性労働市場の法制上の現状と課題」
  • 「政府開発援助におけるジェンダーの取り組み」について、

講師の話を、岡崎トミ子、鎌田さゆり、水島広子、岡田克也、枝野幸男各議員と共に聞いた。


 昼食を取りながら、1年生議員で、菅直人幹事長の話を聞く。毎週金曜日の昼食は党幹部の話を聞くことになっている。来週は大橋巨泉参議院議員の話を聞く。


 12時半から2時半までは、衆議院本会議。

財政方針について塩川正十郎財務大臣が演説し、それに対して、仙石由人議員などが質問。

国債発行の30兆円枠堅持、年末の内閣改造について、選挙制度改正について、第二次補正予算について、道路特定財源問題について、「本当に改革をやるのか?

 言葉だけで一向に改革が進んでいないではないか」という趣旨の質問が小泉首相に対しても出たが、小泉首相の答弁は、「予定通り、改革は実行する!」というもの。

 今までと違って民主党の私たち若手からも一向に拍手はなかった。以前なら、党派を超えて、「改革をする!」という小泉首相の演説には若手からは拍手があったのだが。もちろん、自民党席からは拍手なし。

ときどき改革に後ろ向きな答弁を小泉さんがすると、「よーし!」と、自民党席から拍手が出る。

何か変だ。

思うに、小泉首相の「改革は必ずする」という答弁が、日に日にパワーを失っているように思う。こう感じるのは私だけだろうか。自民党の長老議員の方々の顔を見ても、「小泉首相にはもう改革はできない」と安心感(?)が漂っている。



 さて、11月7日(水)の一般質疑(1時間)の報告。

大きな議論でした、私は2点について質問。

まず、ヤコブ病訴訟について。
死体からつくったヒト乾燥硬膜(ライオジュラ)が汚染されており、そのライオジュラを脳の手術で移植した結果、日本では約80人がヤコブ病に感染。

厚生省が十分な審査をせずに、ライオジュラを承認したという国の責任が問われています。

いま生存患者は4人。70人以上の患者さんがすでにお亡くなりになられました。

「一日も早く、国の責任を認めて和解し、四人の生存患者の方にお見舞いに行ってほしい」と、坂口厚生労働大臣に訴えました。「山井議員の質問を趣旨をふまえて、対応したい」とのことでした。


 また、後半は、医師会費や医師会の政治団体である医師連盟の会費が、国公立病院において、公費で支出されていることについて、「違法な公費支出ではないか」と総務省と厚生労働省に迫りました。

「政治団体である医師連盟費は違法である。医師会費については、地方自治体の判断に任せている。国立病院においては、代表者の一人分の会費は公費支出を認める」との答弁でしたが、納得できず、議論をしました。


 また、医師会と医師連盟の区別が十分でない点、医師連盟からの政治家や政党への政治献金が非常に多い(過去3年間で約20億円)点について、「献金そのものは合法であるが、医療制度改革の厳しい議論が行われる中、多額の政治献金によって、改革の中身が左右されるような疑いを持たれるのは問題。国民から批判を浴びないように、政治家や政党は襟をただすべきではないか」と質問しました。

坂口大臣も、「献金は個々の政治家の問題」としながらも、
「個人的には山井議員の言うとおりだと思う」という答弁でした。


 詳しくは、2週間以内くらいには議事録をホームページに載せることができると思います。また、インターネットでも私の質問を見ることができます。
衆議院のホームページのビデオライブラリ

(http://www.shugiintv.go.jp/video.cfm)
で、11月7日(水)の厚生労働委員会を選んでください。だいたい、最初から2時間くらいのところから、1時間が私の質問です)


 これから、医療制度改革が大きな議論になります。いろんな団体がそれぞれの立場で意見を言っていますが、それらを踏まえながらも、私たち民主党はお年寄りや患者さんの立場に立って、より良い抜本的な医療制度改革を目ざします。

 先ほども書きましたが、医療制度の抜本改革をすれば、高齢の長期入院患者は退院することになり、これは、私の専門である介護に大きな大きな影響を与えます。

 しかし、現状では、そのような介護の受け皿なしに、多くのお年寄りが退院させられようとしており、これを放置すれば、「お年寄りのたらい回し」(病院や施設を転々とする)ことになり、本人や家族に悲劇をもたらすばかりか、医療費も逆に高くつきます。

お年寄りをたらい回しすることは、お年寄りを弱らせ、ミスミス病状を悪化させるのですから、医療費を高騰させます。逆に、弱ったお年寄りが安心できる居場所を整備することが結果的には、経済合理性にもかなうのです。

 具体的には、個室の特別養護老人ホームやケアハウス、グループホームなどの増設、在宅福祉の充実、在宅への訪問看護や訪問診療の充実が不可欠です。

そして、このような医療や介護の安心感を高めることが、個人消費を回復させ、景気を回復させる近道だと思います。また、医療や介護による雇用創出効果も期待できます。

 以上、取り急ぎ、質問についてご報告申し上げます。今日のメールマガジンはここまでにします。読んでくださり、有難うございました。合掌

 山井和則 拝

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