社会保障審議会介護給付費分科会(第1回)報告 
& 活動報告 (母子寮の思い出)

          第198号(2001/10/23)

 メールマガジンの読者の皆さん、こんにちは。
 今は、10月23日火曜日の朝一番の東京への新幹線の中。
これから国会での1週間が始まります。

 1つのヤマ場は、26日金曜日の衆議院厚生労働委員会。育児休業と
介護休業の法案について質問をすることになるかもしれません。
 また、今日も10時から厚生労働省前で患者のご家族やご遺族の方々と
演説をしますが、ヤコブ病訴訟の和解に向けた動きが大詰めを迎えて
います。私は、ヤコブ病訴訟についての議員連盟の民主党の世話人です。
 
 今日のメールマガジンは、ここ3日間の報告と、10月22日(月)の
第一回社会保障審議会介護給付費分科会の報告です。これは、さ来年4月の
介護報酬(個々の介護サービスに対して、保険からいくら支払われるか)
を決める非常に重要な会議で、傍聴可能ですので、私の政策秘書の海野君が
出席しました。彼の簡単な報告を最後に添付しました。


■さて、10月20日土曜日は、民主党の京都南部の幹事会。そして、私が
大学時代にボランティアをしていた児童福祉施設「山ノ内母子寮」
(今は、野菊荘に改名)のお祭りに参加。

 野菊荘では、現在も29世帯(お母さんとお子さんたち)が入居しているが、
多くがDV(夫から妻への暴力)が原因である。

 私がボランティアをしていた20年前よりもDVは急増しているとのこと。
その日、一日でも、二人の女性から「かくまってほしい」と電話があったという。

 私は当時、大学(工学部工業化学科)で酵母菌の研究をしていたが、
この施設でのボランティア活動を通じて、社会問題というものに直面し、
福祉に人生を賭けようと思った。

 いわば、私の原点がこの母子寮にある。職員さんから、DVの現状について
聞き、また「DV防止法がほとんど効力を持たない」ことも聞かされ、
立法府にいるものとして心が痛んだ。
いまのDV法では、半年間、夫は妻に接近することを禁止されるが、
離婚を成立させたり、問題を解決させるためには、半年では短すぎるという。

 私は、このたび、水島広子衆議院議員が代表をつとめる民主党の
男女共同参画調査会の事務局長をすることになったが、このような
DVの問題も深刻であり、何らかの更なる方策を考えねばならないと思う。

学生時代にこの母子寮でボランティアをし、私が19、20歳で
一番感受性が豊かなときに、夫からの暴力、父親からの暴力に泣く
お母さんや子どもたちと出会ったことが、私の人生を変えた。

一人の学生ボランティアにすぎない、自分の力では、助けようもない、
苦難に立ち向かうお母さんや子どもたちと出会い、
また、当時の政治の金権スキャンダルを見るにつけ、
「政治家はいったい何をしてるのか?
 お金にも票にもつながらない福祉の問題はほったらかしか?」
と、私は怒りを感じたのであった。

 票にも献金にもつながらない福祉を最優先とする政治家が
増えない限り、福祉はよくならない。そんな思いで、私は、
大学院を卒業後、松下政経塾に入塾した。

逆境の中、必死に立ち直ろうとするお母さんのたくましさ、
やさしさ、けなげな子どもたちの笑顔。

それを支えるため、その家庭を暴力や貧困から守るために
「力がほしい」と私は思った。

私は偉くなりたいとは思ったことがないが、この施設での
大学6年間のボランティアを通じて、「力がほしい」と切に思ったのだ。

 夫の暴力から逃げのび、やっとこの母子寮にたどりつき、
子どもと共にボンカレーを食べて「久しぶりに白いご飯が食べられた」と、
子どもを抱いて涙するお母さんに出会い、豊かと言われる日本だが、
困っている人は多いと思った。

酒が好きでコンパばかりやっていた大学時代の私だったが、
自分の生き方を反省させられた。

 また、夫が「嫁はんに会わせ!」と施設にどなりこんできたり、
その家庭が住んでいる母子寮の部屋に向かって外から石を投げてきたり。

工学部に学び、まったく「福祉」の「ふ」の字も知らなかった私だったが、
福祉に関心を持つようになった。

 よく、福祉に無関心な人々は、施設にいる人々や福祉サービスを
利用している人々のことを、「自助努力が足らん」と言う。

しかし、自助努力だけでは解決できない問題があることを、
私はこの施設で学んだ。

 私の祖母が昔、寝たきりで亡くなったこともあり、
この母子寮での経験もあいまって、私は福祉の研究者となった。

松下政経塾に入った時点で政治に関心はあったが、
福祉に熱心な一若者が政治家になれるとは当時は思っていなかった。

その後、現場をまわり、福祉の研究をし、大学で福祉を教えるようになったが、
遅々として進まぬ福祉政策に居ても立ってもいられず、
政治家を目指すことになった。

 なぜか、母子寮訪問について書いたら、私の思いを書いてしまった。
お許しください。


■10月21日(日曜日)は、朝9時から城陽市のお茶祭り。
 玉露や煎茶のきき茶(「茶香服(ちゃかぶき)」と言います。
茶道の七事式の一で、銘を明らかにした2種の試し茶を飲み、
のち1種を加えて3種を飲んできき分けるもの)をしたが、
ほとんどあたらず恥をかく。難しい。
次の宇治市の男女共同参画のフェスティバル。
介護やDVについての展示を見る。重いテーマである。

午後は、宇治市の消防のフェスティバル。福山哲郎参議院議員も参加。
私も城陽市の消防団に属しているので関心がある。
消防団の方々のボランティアでの地域活動には頭が下がる。

次は、宇治田原町の茶祭り。宇治田原は玉露の発祥の地。
美味しいお茶を飲ませていただく。

 最後は、知的障害者福祉施設のバザー。
いろいろ買い物をして、職員の方からも行政への要望を聞かせていただく。
施設を訪問するのはなかなか難しいので、こうやって、バザーなどの時に
話を聞かせてもらえるのは有難い。

 とても勉強になった一日だったが、もっとお茶のことを勉強せねばと反省させられた。


■10月22日(月曜日)は、朝5時半起きで、7時から近鉄高の原駅で、
小雨の中、スタッフの須永英一君と街頭演説とチラシまき。
この駅もはじめて演説したのは六年前。
議員として国会報告のチラシを配れることは感謝感激だ。
20人くらいの方が声をかけてくださり、また、感激。
「不登校の子どもたちの塾をやっています。不登校の問題にも取り組んでください」
などと声をかけられる。さまざまな問題がある。頑張らねば。

 午後は、友好団体の記念式典。


■そして、今日は10月23日(火曜日)。
地元から20人の方々が国会見学に来てくださる。
過去6年。寒い日も暑い日も私のチラシをまきつづけてくださった
ボランティアの方々だ。

「福祉をよくしてほしい」という思いで支えて下さった方々が、
やっと国会見学に来てくださる。
私が当選してもう1年4ヶ月が経った。
そして、やっと見学に来てもらえるのが嬉しい。
「修学旅行以来、東京は30年ぶり」という方も。

 また、車いすの方も見学に来てくださる。
今日は、改めて国会のバリアフリーをチェックしよう。
 そういえば、先日の訪問した特別養護老人ホームの入居者(要介護5)の方も、
今度、国会見学に来てくださる。

 どんどん車いすの方々に国会に来てもらって、
国会に福祉の風を吹き込みたい。


■なお、最後に、10月22日の分科会の報告を載せます。
今後の活発な議論に期待したい。
 議事録は厚生労働省のホームページにも公開されるそうです。

社会保障審議会介護給付費分科会(第1回)
平成13年10月22日(月)午後4時〜午後6時
於:厚生労働省専用第18会議室(17階)

議題
 1;介護保険制度実施状況について
 2:その他

<議事>
堤局長挨拶 介護保険の大きな節目として平成15年4月の介護保険計画の見直しと、
     それに合わせての保険料改訂がある。等々

○分科会長、同代理の選出
  分科会長 西尾勝 国際基督教大学教授
  会長代理 井形昭弘 あいち健康の森健康科学総合センター長

○事務局からの説明
 審議スケジュール(案)
  H13.10 第1回審議会
  H13.11〜H14.4 審議第1ラウンド(1月に1回程度のペース)
      各介護保険サービスについて順次、報酬に関する論点をひととおり議論
  H14.4〜関連事業団体からのヒアリング
  H14.5〜審議第2ラウンド
  H14.6〜総括議論
  H14.7〜介護報酬骨格設定 →審査支払システムの設計変更(H14.7〜H15.3)
  H14.秋 介護報酬新単価の設定に向けて議論
  H15.1 介護報酬新単価の諮問・答申
  H15.4 介護報酬改定

 資料
  事業所数、介護給付費の支払い状況、介護サービス量の見込み等

各委員の主な発言
 Q.前の審議会で、とりあえずということで積み残したことはどこで議論するのか。
  この分科会で、どの範囲まで議題とできるのか。(複数の委員)
 A.審議会改革の中で、以前とは位置づけが変わっている。
   法令に決められているのは介護報酬や、設置運営基準の関係だけなので、それに
   関係するものという範囲での話しになる。もっと根本的な話等、必要になれば、
   別にそういう場を設けることになる。(この議論にかなりの時間がかかった)

  報酬は、保険料負担の話と対になるものなので、保険料算定の方法が
 はっきりしないと議論できない
  保険料・低所得者対策等について資料提出を。
  報酬の議論のためには、どうしても基盤整備の話も関係する。
  GHが伸びているのは望ましいことだが、このような形で在宅の
 間口を広げることも重要ではないか。
  介護保険で導入された、ケアマネや療養型など、
 新しい仕組みについてはその検証が必要
  全国の地域ごとのサービス基盤の整備状況や、その費用充当などの
 資料の提出を求める
  デイサービスとデイケアなど、実際の業務内容によって、
 考えてゆく必要があるので、資料提出を。
  介護保険の目的の一つに社会的入院の解消もあったはず。
 施設収容者の実態についても資料を。

 第1回目の分科会で配布された資料が、
http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/shingi/syakai/1022-1.html

 で見ることができます。


<次回>
 11月5日(月)午後3時〜午後5時(延長あり)
 議題:今回の続きと、訪問介護、訪問入浴介護等、
    個別のサービスについての話に入る。

 なお、傍聴の申し込み方法等は、次の厚生労働省のホー
ムページでご確認ください。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/0110/h1025-1.html



■<ご案内>
10月25日(木)
朝9〜10時まで。
衆議院の会議室にて、
「民主党・介護保険をより良くするワーキングチーム」(私が代表)
の会合を行います。

今回は、ケアマネージャーの方にお越し頂き、
業務や介護報酬についての要望を聞きます。

なお、厚生労働省の介護保険・介護報酬担当者も数人、
同席していただき、ともに意見交換します。

■傍聴ご希望の方は、
10月24日(水)
午後3時までに
私の国会事務所
(電話03−3508−7240)まで
お申し込みください。
           やまのい和則 拝

■メルマガ送信先募集中!
一人でも多くの方に私のメルマガを読んで頂き、
      政治と福祉を変える輪を広げたいと願っています。
お知り合いをご紹介下さい。
メールアドレスを、「メルマガ福祉 希望」と書いて
 kyoto@yamanoi.net まで送って下されば、こちらで新規登録
させて頂きします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆やまのい和則の「軽老の国」から「敬老の国」へ☆
    (2001/10/23現在 読者数 1843)


前へ 目次へ戻る 次へ