やまのい和則の
     「軽老の国」から「敬老の国」へ

            第160号(2001/06/20)

 メールマガジンの読者の皆さん、こんにちは。
今は6月19日火曜日夜の11時15分。
このメールマガジンは明日の朝、配信されると思います。

★6月20日水曜日(本日)、衆議院の厚生労働委員会で「障害者の
欠格事由を適正化する法案」について午後1:30−2:00まで質問
します。
リアルタイムで私のホームページから質問風景を見られますので、
よかったら見て下さい。

◆今日6月19日の一日と明日の質問について報告します。ただ、
今からまだ2時間くらい明日の質問の内容を練り上げないとダメな
ので、簡単なメールマガジンにします。

■6月19日
朝7時過ぎから、東京都議会選挙の応援。東急池上駅で、民主党の
候補者と共に地声で候補者名を連呼。この候補者もメールマガジン
の読者。介護保険などに力を入れてくれる素晴らしい候補者だ。

 8時半から事務所で政策秘書の海野君と、石毛えい子事務所の秘
書の秋山愛子さんと共に、障害者の権利法について打ち合わせ。

 9時から10時まで、視覚障害者の参議院議員である堀利和さん
と障害者の権利法について議論。議論というよりこの分野で日本一
である堀さんからいろいろ教えてもらい、民主党としての障害者福
祉政策を考える。

◆9時55分に掘議員の部屋を海野君と出て、参議院会館から衆議
院第一議員会館までを急ぎ足で歩きながら、「10時からはホームレ
スの当事者の方々からヒヤリングだったよね。5人くらい来られて
るのかなあ」と海野君に聞くと、「100人らしいよ!」とのこと。

 「えー、衆議院議員会館にホームレスが100人も来るの?」。
「鍵田先生(ホームレス問題ワーキングチーム座長)は、厚生労働
委員会の理事懇談会で、途中で抜けるらしいよ」
「げー、そしたら、俺が中心になってホームレスの方、100人の生
の声を聞くわけか。そりゃ、大変だ。急ごう」と言って、走る。

 確かにすごい。衆議院第一議員会館1階の会議室に行くと、満員
で入りきれない。入口からホームレスの方々があふれてる。「蒸し
熱くて中に入れねえや」と、ホームレスの方々が汗をぬぐっている。

 なんと超満員で椅子も足りず、立っている人は当然いるし、地べ
たに座り込んでいる人もいる。150人以上集まっているのだ。

 文字通り、熱気むんむん。全員男性。20代から60代まで。

 皆さんはお腹をすかして、よくぞわざわざ国会まで来てくださっ
た。本当なら食べ物でも出したいが、そんなことはできない。蒸し
熱いので、せめて缶のお茶を出すことにする。しかし、150本もな
く、海野君などが走り回って缶のお茶を調達する。

◆鍵田議員、土肥隆一議員、近藤昭一議員と私の四人が対応。
 まず、議員が一言ずつ挨拶。

 鍵田議員が、
「こんなに多くの皆さんに国会までお越し頂いて・・」と話すと、
「まだ一杯いるよ。こんだけじゃないよ。公園には一杯入るよ」と、
正面のおじさんが笑う。

私も多少緊張しながら、
「ホームレスの自立を支援する法案を一日も早く成立させ、みなさ
んが職に就いて、屋根のあるところに住めるように頑張ります」な
どと言った。

拍手もあったが、「きれいごと言ってんなよ!」などとやじも飛ぶ。
すぐに、ホームレスのリーダーさんが駆け寄り、「意見はあとで言
うように」となだめる。

◆1時間半、ホームレスの方々の声を聞いたが、3つどうしても忘
れられない話があった。私にヤジを飛ばしたホームレスの人の発言
だ。真っ黒な顔をして、ひげをはやした50歳くらいの男性だ。

●「俺はよお、法律の難しいことはわかんないけどよお、山谷で15
年野宿してるんだけど、今年の冬は寒かったよ。年が明けて、雪も
降ったよ。俺は毛布かぶって寝たよ。でも、俺の仲間が死んじまっ
たよ。のたれ死にじゃねえか。今年の冬に3人も仲間が死んじまっ
たよ。隅田川に飛び込み自殺した仲間もいる。宮城から出てきた少
年は、今年、公園で首つって死んだよ。

なぜ、俺たちが路上生活しなきゃなんないの? 俺たちの仲間の間
で、『黙ってのたれ死にするんじゃない』という合言葉があるんだ。

先生たちは、『ホームレス問題は国の責任』と言うけど、そんなこ
と1994年から『国の責任』と言ってたじゃないか。その当時から
頼んでたじゃないか。もう我慢できないよ。

人間に文化的で健康的な生活を送る権利があるなら、先生、法案を
通して下さい!」と、最後は涙声であった。
 私も目頭が熱くなった。

●次のホームレスの男性は言った。
「今日もまだ朝からメシ食ってない。今着てるこの服は、粗大ゴミ
で拾って、池で洗濯して着ている。私たちにとったら、衆議院議員
は雲の上の人。

雲の上の人に頼んでも何をしてもらえるかわからないが・・・。

先生方はこの集会のあと昼メシを食うだろうが、おそらく食堂で好
きなものを食べるんだろうが、私たちは一日の食料が配給の乾パン
の一袋。あとは公園の水を飲んでる。

この乾パンを先生方、食べて見て下さいよ。こんなちっぽけな、乾
パンで生きてるんですよ。こんな状況を何とかしてほしい」
 この発言に、ホームレスの方々から割れんばかりの拍手がまきお
こった。

◆私の目の前にその乾パンが置かれた。6センチ四方くらいの立方
体の乾パン。オヤツでも足りない。

 心が痛んだ。確かに、この集会のあと、私は、議員食堂で10分
くらいの早食いとは言え、定食を食べる。

 ふと考えた。もしこの150人のホームレスの方々を議員食堂に案
内し、「好きなものを食べてください!」と言えば、皆さん、どれ
ほど喜ばれるだろう。

 ただ、私は自分に言い聞かせた。それが根本的な解決ではない。

私たちが国会でホームレスの問題に必死で取り組み、ホームレスの
自立を支援する法律を成立させ、この集会に来られている方々がめ
でたく仕事に就くことができ、自分で稼いだお金で食事をしてもら
う、こうすることこそが私たち議員の仕事である。

●次に神奈川でホームレスを支援するボランティアの人の発言。
「油断をすると野宿者は襲撃される。先日も野宿者が公園で食事を
していたら、高校生くらいの若者が、「うまそうだなー」と声をか
けてきた。野宿者が、「うるせえなー」と不機嫌に答えたら、その
少年が近くにあった看板で、その野宿者の頭を殴った。

その野宿者は脳挫傷で意識不明の重体になった。その直後に自分が
パトロールして発見し、病院にかつぎこんだ。命に別状はなかった
が、危ないところだった。

 また、妊婦のホームレスがいた。
福祉事務所に生活保護の申請に行ったら、『アパートを借りて居住
地をはっきりさせたら生活保護の申請を受け付けますよ』と職員か
ら言われた。もとからアパートを借りられるんならば、誰も野宿な
んかしていない。野宿者にアパートを借りてから、申請に来いとい
うのは全くのナンセンス」

 以上、書き出せばキリはない。多くのホームレスがもともと日雇
い労働者だったが、今は仕事がない。みんな働く意欲は持っている。

◆このように切実なホームレス問題であり、ホームレスの自立を支
援する法律の成立が早急に求められている。

しかし、私たち民主党がつくった議員立法「ホームレスの自立を支
援する法案」は、「今通せば民主党の手柄になる」というような理
由で他の政党から賛同が得られず、成立の見込みは立っていない。

 別に、私も鍵田議員もホームレスの問題で手柄を立てようとなん
か全く思っていない。超党派で一日も早くこの法案を通したいもの
だ。 政治家の党利党略をこのような問題では離れて大同団結すべ
きである。

 集会後、11時から連合の方々とホームレスの自立支援法案につ
いて意見交換。

議員会館の私の部屋に戻り、秘書の海野君と障害者の権利法につ
いて打ち合わせをしながらお弁当を食べる。

◆環境問題の専門家である高見裕一さんが、忙しい中、事務所を訪
問してくださる。いま京都議定書問題が大きくなっているが、高見
さんの馬力で永田町に「環境の風!」を吹かせてもらいたいものだ。
高見さんのホームページを是非ご覧下さい。
http://www.takami-yuichi.com/

■12時40分から代議士会。
13時から10分間の衆議院本会議。
終了後、総務委員会に10分間出席。

走ってNPO委員会に出席。参議院選挙のNPO政策について、
江田五月議員、金田誠一議員、民主党本部の政策スタッフの井口雅
子さんと議論。15分間。

次のヤコブ病の議員連盟の世話人会に出席。事務局長が桜井充参議
院議員。私の隣の席の自由党の世話人は「水かけ」で有名になった
松浪健四郎議員。

 14時から介護保険のホームヘルプの家事援助の介護報酬アップ
の陳情を受ける。

 15時には、再び鍵田議員と連合の方々と共にホームレス問題につ
いて厚生労働省に陳情に行く。官房長、地域福祉課長、雇用開発
課長が対応。「ホームレス対策に本腰を入れてほしい」と要望。

 16時から事務所で、明日6月20日の委員会質問内容について海
野君と詰める。

17時から18時半まで組織委員会の会合。樋口恵子さんの主張する
政策「障害者の権利法」(日本版ADA法)などについて議論。樋
口さんはこれを訴えて今、全国をまわっておられる。詳しくは、ホ
ームページをご覧ください。
http://www.ilpeer-net.com/

 18時半から19時半まで、厚生労働省と文部科学省の担当者4人
が来室。質問内容の通告。
詳しくは書かないが、資格などでの障害者の差別をなくすことにつ
いて、また、障害者が一般の学校で学ぶための付き添いやノートテ
イク、トイレ介助のスタッフなどの充実について質問する予定です。

◆このようにメールマガジンを打つと、あっという間に1時間が経
ち、12時15分に。では、これから2時間、山のような資料を読み
返し、明日の質問内容を詰めます。
           やまのい和則 拝

◆追伸(1)
今日20日13:30−14:00、私のホームページから質問光景を見
てみてください。

◆追伸(2)
松井孝治さんがメールマガジンを発行されました。
次のホームページから、登録できます。
アドレス  http://www.matsui21.com/mailmag.htm

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    (2001/06/20 現在 読者数 1576)

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