やまのい和則の
     「軽老の国」から「敬老の国」へ

            第157号(2001/06/15)

メールマガジンの読者の皆さん、こんにちは。
池田小学校の事件の緊急対策本部の会合や、ホームレスの自立支援
のための臨時措置法案の提出などについて報告します。

■6月14日
◆朝9時から10時まで池田小学校の事件の緊急対策本部会合。
10人の議員で集まる。文部科学、厚生労働、法務の担当の議員だ。

 6月15日に、小泉首相と遠山文部大臣に対して、「池田小学校事
件について要望書」を提出する。その文案を議論した。

私は、「今回の事件と精神障害の関係は未だ十分に明らかではない。
精神障害とは全く無関係とも言えないが、単に『精神障害を装った
犯行』である可能性も高い。

今回の事件と精神障害者の問題を短絡的に結びつけるのは、いたず
らに精神障害者への偏見を助長し、ますます精神障害者の社会参加
を妨げ、問題をより深刻化させかねない。

事件の原因を徹底的に究明し、冷静に慎重に対応することが必要で
はないか」と発言し、その趣旨を要望書に盛り込むように提案した。

最終的な文案は、中野寛成代議士(本部長)に一任になった。

●また、今回の事件を機に精神障害者問題についてのプロジェクト
チームが、民主党の法務部会と厚生労働部会の合同で設立された。

 座長は、精神医療について民主党切ってのエースである朝日俊弘
参議院議員、座長代理は江田五月参議院議員、事務局長は精神科医
の水島広子議員。事務局次長が大蔵省出身の平岡議員というメンバ
ーになった。

●法務部門の議員は刑法などの担当なので、精神障害者の医療やケ
アについての民主党の見解は、金田誠一議員、水島議員と私で議論
して幹部にあげることになる。

早く参議院選挙が無事終わって、朝日俊弘参議院議員が再びバリバ
リとこの問題でリーダーシップを発揮してくださることを祈ってい
る。

◆緊急対策本部の会合の途中、5分間だけ抜け出し総務委員会に出
席。

◆11時半から記者会見。
民主党の議員立法「ホームレスの自立の支援等に関する臨時措置法
案」について。ホームレス問題ワーキングチームの鍵田節哉座長と、
事務局長の私で記者発表。

(明日も、厚生労働省で同じく記者会見。)

 「先進国でホームレスについての法律がないのは日本くらい。ホ
ームレスと言えば、怠け者、というイメージがあるが、実際にはホ
ームレスのうち約7割が職を得て、働きたいと希望している。今ま
でホームレス問題は地方自治体にその対応が任されてきたが、国の
責任と財政支援をこの法律によって明確にした。早急に法律を成立
させたい」と、まず、鍵田座長が挨拶。

 次に私が、「現在3万人とホームレスは推定されるが、小泉首相
の財政再建や構造改革により、ますます増えようとしている。
ニューヨークでさえホームレスは、1000人以下なのに、大阪で約
12000人、東京で約6000人ものホームレスが放置されているのは、
行政の怠慢である。日雇いの建設労働が減った今日、ホームレスが
増えたのは、本人の怠慢というよりは、日本の労働政策の問題だ。

就労意欲のあるホームレスの人々に仕事を斡旋するのは行政の責務
である」と前置きした上で、法案の条文を説明した。

 今まではホームレスに関する法律がなかったために、その対応は
地方自治体に任されていたが、財政的な限界や、さらには、ホーム
レス対策に力を入れるとその自治体にホームレスが集まる(「呼び
寄せ効果」と呼ぶ)もあり、法律をつくり、国による施策の基本方
針の確立や責任の明確化を求める声が高まっていたのだ。

◎ホームレスの自立の支援等に関する臨時措置法案
  目次
 第一章 総則
 第二章 国等の責務など
 第三章 基本方針及および実行計画
 第四章 財政上の措置など

 法案のポイントは、
(1)ホームレス問題への国の責任を明記
(2)ホームレスの人々の就労・職業訓練・住居の確保・医療の確
   保などの支援
(3)NPOなどの民間団体との連携
(4)都道府県に実行計画の策定を義務付ける
(5)ホームレスの全国規模の実態調査を行う
(6)「自立に努める」というホームレス自身の自立への努力を求
   める
(7)「国民の協力」として、「国民は、ホームレスに関する問題に
   ついて理解を深めるとともに、地域社会において、国及び地
   方公共団体が実施する施策に協力すること等により、ホーム
   レスの支援等に努めるものとする」
と書いている。

 これは、ホームレスの自立支援センターや宿泊所、グループホー
ムなどを地域社会につくる際に、しばしば地域から反対運動が起こ
るが、その問題に対する理解を求めたものである。

ニンビー(NINBY)という言葉は、ホームレス問題ではよくアメリ
カでも使われる。not in my backyard、つまり、「ホームレスの自立
支援には賛成だけど、自分の家の裏庭にだけは、その施設は建てな
いでね」という意味だ。
そうならないように、国民の理解も求めているのである。
 以上のような内容。

◆記者会見のあと、鍵田議員と共に赤松広隆国会対策委員長に挨拶
に行き、その後、衆議院の事務総長に法案を持って、提出に行った。
NHKのテレビカメラが取材に来ていた。

  私にとっては、議員になって初めての議員立法の提出。
鍵田先生から「ホームレス問題の議員立法をしたいので手伝ってほ
しい」と、声をかけられたのが昨年10月なので、かれこそ8ヶ月
かかった。

このようにして法案を国会に提出するのか、と感慨深いものを感じ、
このような重要な仕事を私にお声がけ頂いた鍵田先生に対して感謝
の気持ちで一杯だ。

◆しかし、問題は法案のゆくえ。日に日にホームレスは増え、路上
死も増えている。一刻も早くこの法律をつくらねばならない。

 当初は他の政党も民主党の案に賛成し、超党派で法案を提出し、
成立させる予定であった。しかし、残念なことに法案提出が選挙前
になってしまったために、
「ホームレス法案を成立させると原案をつくった民主党の得点にな
る。参議院選挙前に民主党にいいカッコされてはたまらない」とい
う思惑もあるようで、他の政党は私たちの法案にノーと言っている。

 鍵田節哉議員も、「こんな問題は、どの政党の手柄とかは関係な
く、超党派で取り組んで一日も早く法律を成立させないと、結局は、
ホームレスの人々を苦しめてしまう」と嘆いている。

 とにかく、この国会中に審議してもらえるように赤松国会対策委
員長に頼み込んだ。

 この法案の全文は、私のホームページ
http://member.nifty.ne.jp/yamanoi/siryo/houan/h_r.htm
に掲載されています。ご覧下さい。

◆12時40分から代議士会。

◆その前に、菅直人幹事長と町田小学校事件について話をする。
菅さんにも、今朝の池田小学校事件緊急対策本部での議論と同様に、
「今回の事件と精神障害との関係は未だに未解明。短絡的に結びつ
けるのは良くない。ただ、今回の事件とは切り離してでも、触法の
精神障害者の処遇については検討する必要はある」という趣旨の話
をした。

●また、ちょうど今日(14日)、ご夫人の菅伸子さんが京都にお越
し下さり、松井孝治さんとのトークイベントを行って下さっている。
そのお礼も菅さんに言う。

横にいた江田五月さんも、「先日、京都で松井孝治さんと初めて会
って一緒に街頭演説をしたけれど、松井さんは、素晴らしい若者だ
ねえ。彼はいい政治家になるよ」とおっしゃった。

◆13時から衆議院本会議。
「学校教育法」「地方教育行政法」「社会教育法」の改正案、いわ
ゆる教育改革関連三法案の採決。
法案は成立したが、問題の多い内容。

しかし、ただ単に反対すれば、法案は修正なしで通ってしまうので、
民主党は現場の教職員の方々の声を聞き、苦渋の選択で、奉仕活動
への参加や飛び級制度などについて修正することを条件に法案に賛
成することになった。

共産党、社民党、自由党は、「反対」であり、
「民主党はけしからん!」と怒っているようだが、修正なしで通す
よりは、現場の教職員の方を声を少しでも法案に反映できたという
成果はあったと思う。

◆国会事務所で政策秘書の海野君と、日本版ADA法案(障害者の
権利法案)について打ち合わせ。日本版ADA法案については、細
かな内容は参議院選挙後に障害者団体の方々の声をじっくり聞いて
詰める。

◆夕方は、東京都会議員の予定候補と商店街を練り歩き、街頭演説。
介護保険に熱心な予定候補で、私のこのメールマガジンの読者であ
る。本当は候補者の名前を書きたいが、もう都議会選挙も始まった
ので名前は控えます。

 私は、「介護保険が導入され、もっとも特別養護老人ホームの質
などが低下したのが東京。特別養護老人ホームは2,3年待ち。特
別養護老人ホームへの人件費補助も介護保険の導入を機に打ち切ら
れ、いま東京の介護はピンチだ。民主党の東京都議会議員さんと共
に安心できる東京にしたい」とマイクで訴えた。

 そして、チラシまき。しかし、悲しいことに私の配る民主党のチ
ラシよりも、私の前で若い女性が配っている居酒屋「つぼ八」のテ
ィッシュのほうが、買い物客はみんな受け取るのだ。

◆19時半に民主党本部に戻り、参議院選挙の対策会議。
日本版ADA法案(障害者の権利法案)について議論。23時まで。
葉書や名簿、ホームページなど事務的な話の詰めも多い。

■以上、6月14日は、精神障害者問題、ホームレス問題、日本版ADA
法案などに取り組んだ一日でした。

精神障害者の問題は福祉・医療の中で残念ながら最も遅れた分野。

また、ホームレスの問題も「究極の福祉」と言えるような、最も底
辺の切実な問題。

さらに、障害者の権利法も、貧困な日本の障害者福祉を向上させる
ための悲願です。

 このような問題にしっかり取り組み、よい政策を参議院選挙で訴
えていくことが、民主党にとって重要なことだと思っています。

構造改革ももちろん大事ですが、今まで見捨てられていた福祉の問
題を党の政策として全面に出していくことが、私の民主党での仕事
だと思っています。
           やまのい和則 拝

追伸(1)
それにしても、「菅伸子さんと松井孝治さんのトークイベント」京
都北文化会館(「松井孝治を応援する女性の会」主催)が350人も
の女性の参加により大盛況だったようで嬉しいです。
詳しくは、私のホームページに写真入で報告が載っています!
http://member.nifty.ne.jp/yamanoi/news/01/010614.htm

追伸(2)
小泉首相のメールマガジンは読者が100万人を突破。
私のこのメールマガジンは読者が1548人。私のほうが数倍、メー
ルマガジンに込めた思いは熱いと思うのですが。

私の読者目標は2000人!どうかお知り合いに私のメールマガジン
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