やまのい和則の
     「軽老の国」から「敬老の国」へ

            第137号(2001/05/17)

 メールマガジンの読者の皆さん、こんにちは。
小泉政権がスタートしましたが、社会保障の分野については、ほと
んど森政権と違わないようです。

小泉さんは介護保険法を成立させた当時の厚生大臣だったわけです
から、介護保険については熱心かと思いますが、今日の坂口大臣の
所信表明演説を聞いても介護保険については、わずかに2行でした。

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 今日のメールマガジンは、ここ2日間の報告、小泉内閣初の厚生
労働委員会と、18日金曜日に行われる衆議院の厚生労働委員会の
一般質疑での私の質問案について報告します。

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 15日火曜日
 朝8時から、総務部会で電気通信事業法についての勉強会。

 9時からは、私が座長、中村哲治衆議院が事務局長を務める民主
党の介護保険ワーキングチームの会合。
 介護保険1年を振り返って、見直しへの提言をまとめている。

低所得者対策、グループホーム、介護報酬、介護労働者の待遇改善、
ケアマネージャー、個室特別養護老人ホームなどについて議論するが、
特に、低所得者対策でけんけんがくがくの議論。

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 11時からは情報バリアフリー法案について、簗瀬議員、堀議員、
中村議員と議員立法の打ち合わせ。障害者がアクセスしやすい行政
情報や、利用しやすい情報機器の普及についてだ。

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 午後は、2時から
「ホームレスの自立を支援する議員立法」の打ち合わせ。
ホームレス問題対策チーム(私が事務局長、鍵田節哉議員が座長を
つとめる)で法案の原案が完成。

 他の党も注目しており、私たちの案を軸に調整が進む予定。
私にとっては初めてタッチする議員立法。これで、全国3万人と推
定されるホームレスの人々が1割でも自立できれば非常に嬉しい。

 夕方からは、参議院選挙の打ち合わせ。

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 16日水曜日も朝8時から 2つの会議。

 1)参議院選挙の打ち合わせ。私は民主党の組織委員会のNPO局
長という立場で、民主党全体の参議院選挙の会議に出席している。
小泉政権の現状や同日選挙の可能性、民主党の政策を議論。

 2)と同時に、8時から厚生労働部会。衆議院会館と裏のキャピ
タル東急ホテルを2往復して両方の会議に出る。

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 10時からは衆議院の厚生労働委員会。留任した坂口力厚生大臣の
所信表明演説。しかし、たった10分。

介護問題についての演説は、「介護保険については、高齢者の介護
を国民皆で支えていくという制度の趣旨を基本に、今後ともより良
い制度へと育ててまいります」という部分だけ。

演説の全文をホームページ
( http://member.nifty.ne.jp/yamanoi/siryo/151s_aisatu.htm )に掲載
しましたが、所信表明演説はそんなもんだ、といえば、そうかもし
れませんが、何か寂しい気がします。大臣の所信表明とはどんなも
のか、一度、ホームページに掲載した演説(挨拶)全文を見てみて
ください。

「介護保険でケアマネージャーが苦しんでいる」とか、
「相変わらず特別養護老人ホームが足りない」とか、
「在宅サービスが伸びない」とか、
何らかの問題意識は演説で言えないものでしょうか。

こんな演説をすると、「大臣自身が問題点をわかっているなら、
改善しろ」となるから言えないのでしょうか。

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 委員会の後、政策秘書の海野君と18日の私の委員会質問の打ち
合わせ。資料収集。

4時から、民主党の両院議員総会で、参議院選挙に向かっての意識
あわせでした。

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 なお、18日の私の質問時間は、たった30分間。金田議員が民主
党を代表して、ハンセン病問題を取り上げ、国に控訴しないように
迫ります。

 私は持ち時間の30分で、次の点を質問したいと思っています。

1)ハンセン病患者の強制隔離が問題になっているが、これは、精
 神医療の問題とも共通点がある。日本には世界一多い34万人分
 もの精神病院があり、精神医療においても隔離が行き過ぎている。

 以下、介護保険について。
2)低所得者対策
3)個室の特別養護老人ホームの普及
4)ケアマネージャーとグループホームの介護報酬の引き上げ
5)介護労働者の待遇の改善

       ☆       ☆       ☆      

ご意見を!
以上の5点、あるいは、他の介護保険の問題点について、読者の
皆さんのご意見を是非お聞かせください。質問の参考にさせて頂き
ます。

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 18日の一般質疑が決まったときに、先輩の金田誠一議員が、
「山井さん、待ちに待った一般質疑ですよ」と私に笑顔で言った。

このメールマガジンでも何度も書いたが、今年に入って、介護保険
のことは一回も厚生労働委員会では議論されていないのだ。

 介護保険が導入され1年が経ち、さまざまな問題点、いや現場か
らは悲鳴があがっているにもかかわらず、全く国会で介護保険が議
論されないことに私は怒り狂っていました。

あまりにも国会は無責任すぎる。

介護保険を導入して、あとは知らん顔。

だから、介護現場の方々から政治家が信用されないどころか、軽蔑
されるのです。

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 あさっての30分の私の質問が、今年初めてのまとまった介護保
険についての国会での議論。

でも、そのあとはもう通常国会では議論はゼロ。
 9月ごろ始まる臨時国会まで全くなしです。
また、臨時国会でもほとんど議論はナシでしょう。

 では、どうすればよいか。

そこで、私は民主党の介護保険ワーキングチームの座長として、
目下、毎週会議を開いて、介護保険への提言をとりまとめ中です。

これを厚生労働省に提出する予定です。

そのことによって、少しでも介護現場の方々の切なる声を厚生労働
省に届けたいのです。それは、介護保険の導入を推進した私、そし
て、民主党の当然の責任です。

 今日(16日)、厚生労働委員会に私が出席すると公明党の議員
さんが、私のところに駆け寄り、「民主党はいつごろまでに介護保
険の見直し案をまとめるんですか」と小声で聞いてこられました。

 聞くと、公明党もいま、介護保険への政策提言をとりまとめ中と
のこと。
 もしかしたら、この私たち民主党の取り組みが公明党にも伝わっ
たのでしょうか。公明党も動き出したのかもしれない。それは有
難いことだ。

 その提言は、かなり似た提言になると思う。でも、公明党は与党。
民主党は野党。となると、与党公明党の提言が政策に反映され、
野党民主党の提言はあまり脚光を浴びないかもしれない。

しかし、このように政党同士が競い合い、よりよい介護保険づくり
に切磋琢磨することはいいことだ。

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 「いくら頑張っても、結局は、与党の提言しか政策に反映されな
いのは悲しいなあ。俺らは”うどんのダシ”みたいなもんやなあ。
介護保険が良くなったら、まあ、それでええんやけど」と私が言う
と、政策秘書の海野君は、「まあ、野党というのは、そんなもんで
しょう」と笑った。
 では、質問の準備をします。山井和則 拝

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連絡事項と追伸

1)国会質問の傍聴
 18日の私の質問時間は、11時ごろか1時ごろ(30分間)で、正
確な時間は明日(17日)にならないとわかりませんが、傍聴ご希
望の方は、国会事務所にメール( tokyo@yamanoi.net )か、お電
話下さい。03-3508-7240。傍聴方法をお教えします。

2)5月25日、菅直人幹事長を京都に語る。
 菅直人さんと松井孝治さんの講演会を行います。私も参加します。
是非、是非、お越し下さい。入場無料、予約不要!

 松井さんの「人生を賭けて政治を変えたい」という熱い思い、
そして、菅さんの熱い演説が聞けます。

   日時:5月25日(金)18:30〜
   場所:四条烏丸シルクホール
詳しくは、ホームページ
( http://member.nifty.ne.jp/yamanoi/news/01/010525.htm )に。

       ☆       ☆       ☆      

 先日、松井孝治さんと同行して、ある方の家を訪問した時のやり
とりを紹介します。

40歳くらいの男性が聞きました(松井さんも41歳)。
「通産省にずっと勤めてたら、出世もできて、天下りもできて、悠
悠自適な安定した人生が送れてたでしょうに、どうして、通産省を
辞めて政治を志されたんですか?」

松井孝治さん
「通産省に17年間勤めて、時には、首相官邸で首相の演説原稿も
書いたりしましたが、つくづく『このままでは政治は変わらない』
と感じたのです。業界や官庁の代弁をする族議員が政治を動かし、
誰も国の未来のことなんか考えていない。そんな姿を目の当たりの
する中で、『何のために自分は生きてるんだろうか?』と考えたと
き、『一度しかない人生、少しでも人様の役に立てる生き方がした
い』と思い、通産省を辞め、政治の世界に入りました」

       ☆       ☆       ☆      

 簡単なやりとりでしたが、横で聞いていて、私はジーンと来まし
た。純粋な方だなあと思いました。松井さんは、さらっと話されま
したが、なかなか人生を投げ打って、こんな決断はできません。

通産省に勤めていれば、高い地位も天下り後の収入も保証されるの
ですから。松井さんの言葉に「捨て身の志」というものを感じまし
た。

 奥さんと3歳の子どもを抱え、退職金をすべてはたいて、政治活
動に励む松井さん。先日も私は松井さんと共に、夜中の12時半ま
で挨拶回りをしていました。

 私の好きな言葉であり、鳩山由紀夫代表の座右の銘でもあるのが
西郷隆盛の次の言葉です。この言葉で、今日のメールマガジンを終
わります。いつも長くてすみません。

 「名もいらぬ、地位もいらぬ、金もいらぬ、という者ほど始末に
困る者はない。でも、このような者でないと共に国事を行うことは
できない」西郷隆盛

           やまのい和則 拝
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☆やまのい和則の「軽老の国」から「敬老の国」へ☆
    (2001/05/17現在 読者数 1393)

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