やまのい和則の
     「軽老の国」から「敬老の国」へ


            第132号(2001/05/01)


 メールマガジンの読者の皆さん、お元気ですか。連休でお休みの
方もいれば、今日は出勤の方もいるのでしょうね。


 4月29日(土曜日)早朝から会合に出席。
 知人の視覚障害の女性に1年ぶりに会う。「山井です。ご無沙汰
しています」と声をかけ、懐かしさに話がはずむ。

彼女は、「パソコンが趣味で、メールマガジンは2つとっている」
とのこと。感動した。


視覚障害の方とは、コミュニケーションが難しいが、インターネッ
トの普及によって、コミュニケーションがとりやすくなるのは嬉し
い。

「是非、私のメールマガジンも読んで下さい」と彼女に言う。

 また、彼女は、「最近、テレビで字幕だけが出て、音声が省略さ
れるケースがある。それは困る」とのことであった。


 今までにもこのメールマガジンで書いているように、
私は、中村哲治衆議院議員、簗瀬進・堀利和両参議院議員とともに、
情報バリアフリー法案の議員立法を進めている。

これは、障害のある方も、行政サービスや情報に、自由にアクセス
できるための法案だ。


 堀さんは、日本初の視覚障害の国会議員だ。国会議員という忙し
い仕事をこなすのは大変だと思う。

たとえば、私や若手議員は、いろんな議員同士や役人さん、マスコ
ミ関係者の会合などを夜、4軒くらい、はしごすることもある。
昼夜なく、動き回っている。

しかし、視覚障害の堀さんは、そんなに動き回れるはずがない。

 堀さんの秘書さんも言う。
「堀さんは、くもりガラスで見えるような感じで、前の人の輪郭だ
けしかわからない。だから、会合に参加していても、横に誰が座っ
ているか、誰が会合の参加者なのかもわからないことが多い」

 なるほど。
先日、私の医療制度ワーキングチームの会合では、堀さんの隣に、
私は座って参加していたが、私が隣にいることはわからなかったの
かもしれない。
「堀さん、山井です」と、これからは挨拶するようにしよう。

 恥ずかいことに、こんな基本的なことがわかっていない。福祉に
熱心だと自負している私なのに。


 話は飛ぶが、以前留学していたスウェーデンの、国民高等学校の
私がいたクラスには、エルサルバドルからの政治難民で、盲目のア
ルノルドという学生がいた。

彼は、難民なのでスウェーデン語はわからないし、全盲なので、ダ
ブルハンディキャップなのだ。

 しかし、なんとクラスで、一番スウェーデン語が上達したのが、
彼であった。そして、スウェーデン語のみならず、英語の勉強も彼
は始めた。

彼のために、一人の教師がつきっきりで指導にあたっていた。私は
よく、彼から、スウェーデン語を教えてもらった。

 ある日、その国民高等学校で全校集会があった。参加してみると、
なんと講師は彼、アルノルドであった。

「視覚障害者にどのように介助すればよいか」、
「声のかけ方」、
「ドアの開け方」 などの指導であった。

私たち学生は、ぼやっと曇ったサングラスなどをかけて体験で歩い
てみたりした。

 話は戻るが、堀さんを講師として、視覚障害者との接し方の講座
をせねばならないのではないか、と感じた。

 もっと報告を書きたいが、これからメーデーに出席するので、今
日はこれで終わります。

また、5月2日は、聴覚障害の子供のための聾(ろう)学校に視察
に行きます。
その報告は次号で。

追伸:5月1日の読売新聞の朝刊の二面「顔」の欄に「聴覚障害者で
全国初の地方議員になった桜井清枝さん」という記事があった。
長野県白馬村議選挙でのことだ。

この記事を見て、是非、この夏には「女性障害者で初の参議院議員
が誕生」という記事が出てほしいものだと思った。
           やまのい和則 拝

☆やまのい和則の「軽老の国」から「敬老の国」へ☆
    (2001/05/02  現在 読者数 1339)


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