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   やまのい和則の
     「軽老の国」から「敬老の国」へ

     - Yamanoi Kazunori Mail Magazine -

            第25号(2000/07/26)

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 福祉のメールマガジンの読者の皆さん、ご無沙汰して申し訳あ
りません。
 このメールマガジンは730人もの方に登録していただいていま
す。「やまのいは、さぼっている」と思われたかもしれませんが、
1つ言い訳を書かせてください。

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 6月25日の選挙で衆議院議員となり、二日に一度、私は「国
政の福祉の風を!」という政治のメールマガジンを、この福祉の
メールマガジンとは別に発行しているのです。

 正直言って、私の日々の活動は福祉と政治に分けにくいため、
ほぼ毎日政治のメールマガジンに福祉のことも書いて発行してい
るため、この福祉のメールマガジンがお留守になってしまったの
です。

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 そこで、お願いなのですが、多少政治臭いですが、私の「国政
に福祉の風を!」のメールマガジンにも併せて登録して頂ければ
有難いです。

 福祉のニュースも満載です。
また、過去2週間くらいの私の活動も、私の政治のホームページ
の「国会日記」に掲載していますので、福祉をよくするために国
会に行った私が、どんな活動をしているか、見て頂ければ幸いで
す。

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 さて、今日は厚生省の方から介護保険についてヒヤリングを受
けましたので、その内容をかいつまんで報告します。下記の原稿
も実は、政治のメールマガジンの原稿なのですが、福祉のメール
マガジンの読者に皆さんにも、お送りさせて頂きます。
 ややこしいことですみません。これからもこのメールマガジン
で福祉の情報お送りします。ご期待ください

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 今日は、私にとっては記念すべき日であった。今日、第一回の
民主党の「介護保険をより良くするプロジェクトチーム」の会合
が行われた。事務局長として私が司会をした。

 場所は、衆議院第一議員会館の第一会議室。
本当はもっと小さな会議室でやる予定だったが、参加希望者が殺
到し、大きなこの部屋に変えた。結局は、80部用意した資料が
足りず、87人の国会議員さん(ほぼ半数は代理の秘書さん)が
出席した。民主党のプロジェクトチームでも最大のものとなった。

 厚生省から5人の方が、介護保険の実施状況や今後の見直しの
説明に来られた。

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 私にとっては、実質上、今日から本格的に衆議院議員としての
仕事のスタートだ。
 厚生省の担当者から、次のような話が30分あった。

1、介護保険の実施状況
 介護保険の申請 約240万人 在宅サービス利用者 150万人
 施設サービス利用者 60万人
 自立と入院している方が数%ずつ
 サービス利用者の20%がサービスが介護保険で増加
 全国老人クラブ連合会の調査では、
 サービスに満足 84% 不満 9% 
 サービスがよくなった 28% 悪くなった3%

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 ほかにもいろんな満足度調査のデータがあったが、私としては
「よすぎる。私が現場で聞く苦情の数々とずれがあるな」と感じ
た。このあたりが調査の難しさだろうか。
 たとえば、福祉現場では、介護保険について、多くの不満や苦
情が聞かれる。そのような声はデータには反映されにくい。

「コムスンなどシルバービジネスの苦戦が報道されているが、た
とえば、ホームヘルプのシルバービジネスは、4月時点で5195
か所、 6月までにさらに688か所増加し、必ずしもシルバービ
ジネスが苦戦しているわけではない」との厚生省からの説明。

 ホームヘルパーに草むしりや犬の散歩などを頼んでいるケース
があり、問題だという。

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2、厚生省が考える当面の課題と対応
 1)10月から保険料徴収(半額) 混乱なく始めたい 

  徴収が始まると、権利意識も高まり、苦情も言いやすくなる

 2)ちほうの要介護認定
 「ちほうが軽くですぎる」という批判に対して、在宅のデータ
を取り直し、3年後までに見直し。
 それまでは、訪問調査の際に、家族が本人の痴ほう症状をしっ
かり伝えることにより、軽く出過ぎないように対応。

 これについては、3年もかかるのは遅すぎると私は感じた。あ
との質疑応答で五島衆議院議員からも、「ちほうの認定が軽く出
過ぎるという問題は、2,3年前から指摘されていた問題点なのに、
なぜ、厚生省はそれを放置したまま、介護保険に突入したのか」
と批判が出た。

 3)介護支援専門員 ケアマネージャーへの質の向上
 ケアマネージャーが書類作成に時間をとられて、本来のよい
ケアプラン作成に力が入っていないという問題点がある。

 私としては、そもそも一人のケアマネージャーが、50人もケ
ースウェーデンを担当するのは無理がある、と思う。ケアマネー
ジャーはへとへとに疲れきっている。

 4)ホームヘルプの適正化 草むしりや犬の散歩はさせないよ
うに指導
 5)ショートステイとデイサービスの支給限度額の一元化

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 介護保険でショートステイが利用しずらくなり、家族は困って
いる。もっと使用しやすくできるよう厚生省は市町村に指導をし
ているが、まだ徹底できていない。

 システム変更などに時間がかかり、本格的な制度変更までに
2年くらいかかるという。現場で苦しんでいる家族が多いのに、
もっと早く改正できないのか、と思う。

 「ショートステイは家族が受益者なので、本人にとってはよく
ないから、利用は減ったほうがよい」という意見もある。
 しかし、私の意見としては、家族が倒れそうだから、ショート
ステイを使うのであるから、「お年よりのために介護している家
族は、ショートステイを出来るだけ使わないように」という意見
はおかしいと思う。
 それよりも、確かにショートステイで弱るお年寄りが多いわけ
だから、そうならないように、個室のショートステイや、ショー
トステイのスタッフを増やす、家庭的な雰囲気(つまり、施設の
雰囲気でない)のショートステイをつくることが必要だと思う。

 実際、家庭的な雰囲気の宅老所でのショーとステイでは、お年
よりも「知人の家」に泊まりに来ていると思い、居心地がよいこ
とが実証されている。

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 6)介護サービスの質の向上 とくに「身体拘束ゼロ作戦」

 皆さん、「拘束」という言葉をご存知ですか。
これは、動きまわる痴呆症のお年寄りを施設や病院で、車椅子や
ベッドにひもやベルトで縛ることを言うのです。悲しい言葉です。

 私は老人病院で実習し、数多くのひもでベッドに縛られた痴呆
症のお年寄りに接し、涙してきました。
 先進国でこんな野蛮な,非人間的なことを放置しているのは日
本だけ。
 朝日新聞の大熊さんご夫妻が10数年も前から指摘しながらも、
放置されてきた日本の恥。
 遅まきながら、それをなくす取り組みです。

 しかし、現場からは「そもそも介護現場の人手を増やさずに、
拘束をなくすのは不可能」という声が強い。
 私も同感だ。人手を増やすべきだと思う。

 以上、厚生省の方からの話に私の感想を加えた。
厚生省の方の話のあと。質疑応答があった。

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 一番印象に残ったのは、
「目が不自由で身体が元気な人は介護保険では自立と判定される」
という玄葉衆議院議員(私の松下政経塾の1年後輩)の質問。

 厚生省の方の答えは、
「とにかく、一度介護保険に申請して、要介護認定を受けてほし
い。そのうえで、自立と判定され、介護保険のサービスが受けら
れないのであれば、障害者福祉でサービスを提供する」とのこと。

 それに対して、視覚障害者で参議院議員の堀利和さんが怒った。

「視覚障害者にとっては、介護保険に申請して、要介護認定を受
けること自体が大きな負担なのです。85項目の質問を受けても、
目が見えないだけであとが元気なら自立と判定されるに決まって
いる。そう決まっているのに、なぜ、いちいち介護保険に申請せ
ねばならないのか。そんな余計な負担を視覚障害者にかけないで
ほしい。最初から、自立した視覚障害者は、介護保険の申請なし
に、障害者福祉のサービスが受けられるようにしてほしい」と訴
えた。

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 会合が終わってからも、民主党の議員がこの問題で、
「これは何とかしないとダメだよ」と厚生省の方に詰め寄った。
「何とか検討してみます」とのことだった。

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 この日、私は司会であったので、自分の質問はしなかった。
しかし、
「老人ホームが足らない」
「グループホームが足らない」
「ちほうの要介護認定の変更に3年は長すぎる」
「ショートステイもすぐに利用しやすくできないのか」
「ショートステイを個室にすべき」
「グループホームも都道府県が認可するだけでは、市町村はまっ
たく関与せずスタートするグループホームが多いのは問題」
「拘束を減らすために、介護職員の人手を増やす予定はあるのか」
などなど、あげればきりがないほど、聞きたいことがあった。

 おいおい今後、聞くことにする。

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 次は、8月2日(水)、8月9日(水)のそれぞれ朝9〜10時
まで、介護現場の方などを招いて勉強。
8月末までには介護保険の実施状況を点検に、現地調査にも行く
予定。

 8月2日や9日には、国会関係者以外の一般の方も傍聴は可能
である。傍聴したい方はご一報ください。この介護保険プロジェ
クトチームの勉強会も開かれたものにしていきたい。 

 今後の介護保険プロジェクトチームの予定について、
「あれもしたい、これもしたい」と私が言うと、
「やまのい君、張り切ってるわねえ。そのうちダウンしないでよ」
と、座長の石毛えい子衆議院議員から笑われた。

 全国250万人の寝たきりや痴呆症のお年寄りの声を介護保険の
改善の議論に届けるために頑張りたい。

 今日のメールマガジンは、介護保険のことが中心で長くなって
しまいました。

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 新幹線はもうすぐ京都。衆議院選挙の総括会議。また、それが
終われば、福祉の勉強会のために今日、東京に戻ります。

追伸:  この日の厚生省からもらった資料は80ぺーじ。必要な
方はご一報ください。コピーして、郵送させて頂きます。

        やまのい和則 拝

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